Acalaコミュニティレポート: ローンチアップデートの概要と今後のビジョン
Acalaの共同創業者Bette Chenは、最高成長責任者Dan Reecerとともに、現在進行中のAcalaのローンチに向けた進捗についてのプレゼンテーションを行いました。
ディスカッションの様子はこちらからご覧いただけます。
現時点での成果とハイブリッドファイナンス(HyFi)への期待
Danはまず、DeFiパラチェーンの成果を紹介しました。
現在、ローンチ時にAcalaは以下を達成しています:
- 6億ドル+TVL
- 200k以上のトークンホルダー
- current.comによる3M+人のフィンテッククライアントがオンボード
また、AcalaのCurrentとの連携と、フィンテック業界におけるWeb3の可能性への影響についても言及しました。Acalaは、その提携を通じて、ハイブリッドファイナンス(HyFi)と呼ばれる金融の新しいカテゴリーを切り開いています。HyFiは、フィンテックや伝統的な銀行の世界と、暗号やWeb3を組み合わせたものです。
AcalaのHyFiビジョンは、このビデオで示されています。
フルスタック・ビジョン
Betteは、AcalaにとってのHyFiとその意義を掘り下げながら、「ドメインにとアプリケーションに特化したブロックチェーンを実現する」という目標について語り、Appleとそのエコシステムモデルの例を挙げながら、フルスタックの垂直統合がブロックチェーンの未来である理由を説明しました。
Acalaは、市場の要求に応じてアップグレードすることで、一貫性のある利便性と汎用性の高いサービスを実現します。フルスタックの垂直統合を利用して、Acalaは暗号を超えて人々にリーチしていきます。
Acalaトレジャリー
フルスタックのビジョンの説明後、BetteはAcala Treasury(トレジャリー)について説明しました。彼女は、トレジャリーのユニーク設計と、他のプラットフォームと比較した場合のユニークさを説明しました。ほとんどのプロジェクトでは、クラウドファンディングで調達した資金をドルに換算して、プラットフォームの構築やチームの予算に充当します。
しかし、Acalaはトレジャリーを「長期的なネットワークの自立と成長を目的とした、ACAホルダーにより管理されるプロトコル所有の積立金」と位置付けています。つまり、チームではなく、ACAトークンの所有者が、トレジャリーに対するスチュワードシップを保有します。
Acalaのローンチアプローチ
Acalaのローンチアプローチに対するDanのコメントをまとめてました:
- Polkadotへの依存:Acalaのサービスの中には、クロスチェーンメッセージングなど、Polkadotのタイムラインに依存しているものがある。
- Polkadotのガバナンスの動きの遅さ:KusamaのアップデートはPolkadotの4倍の速さであり、Polkadotでのアップデートを計画する際にはより大きな考慮が必要となる。
- 柔軟なタイムラインの保持:開発のタイムラインは動的なものであり、Acalaは、正確なローンチ日や事前のアナウンスができない。
- AcalaとPolkadotは、エンタープライズグレード(企業対応レベル)のセキュリティの維持を最優先する。
ローンチロードマップについて、Acalaは2022年1月25日からトークンの転送を有効化しました。ACAトークンは、サポートされているウォレットや取引所に、既に転送可能となっています。
イーサリアム仮想マシン+(EVM+)について
Betteは、市場におけるEVMオプションの現状について包括的に説明しました。彼女は、既存の大半のEVMを「新しいボトルに入った古いワイン」と表現し、ブロックチェーンのイノベーションをいかに阻害しているのかについて説明しています。
例えば、古いEVMを使用する場合、ビルダーやコミュニティは、Metamaskを介してPolkadotパラチェーンの流動性やSabstrateの機能にアクセスできません。
一方、Acala EVM+の利点には以下のようなものがあります:
- 取引するコインで(どのコインでも)ガス料金を支払うことができる。
- 手数料がカスタマイズ可能である。
- Ethereum標準のトークンとSubstrateのトークンの両方をシームレスにサポートしている。
- オンチェーンキーパー、優先的なオラクルフィード、新機能へのアップグレードなどのDeFi機能がチェーンレベルでカスタマイズ可能である。
- MetamaskとPolkadotの両方をサポートしている。
AcalaのEVM+の理解を深めるために、Danは、チームがEVMとSubstrate機能をブロックチェーンレベルで接続するためのアダプターレイヤーを構築したことを説明しました。
AcalaのEVM+は、EVMとSubstrateを組み合わせたもので、EVMが機能すると同時にSubstrateの革新性を享受することができます。
ACAステーキング&AcalaトレジャリーとAqua DAOの成長戦略
Betteは、Acalaのトークンモデルについてさらに詳しく説明し、インフレモデルと比較して、Acalaが固定供給モデルを使用する理由を明らかにしました。インフレモデルではAcalaトレジャリーを大きくすることができますが、ネットワークオーナー(トークン保有者)の所有権が希薄になってしまいます。
また、固定供給がユーザーにとってどのようなメリットをもたらすのかについて、「ネットワークの集団的な成長と収量を促進し、ネットワークをその富を成長させる主権国家」に例えて説明しました。
また、Aqua DAOについても、Betteからその目的とACAとの関連性が説明されました。AquaDAOは、プロトコル制御されたポリシーを支持し、AquaDAOを通じて以下のことが可能になります:
- Acalaトレジャリーと共にAquaの蓄財を増加させる。
- ACA保有者に成長と利益へのアクセスを与える。
- 議決権の委任により、ガバナンスへの関与を促進する。
- ACAを強化するための新しい財務資金モデルを維持する
AcalaとKaruraの比較
セッションの最後に、Betteは、多くのコミュニティメンバーから寄せられた共通の質問として、AcalaとKaruraの違いについて答えました。
Betteは、AcalaとKaruraがお互いになくてはならない存在であることを説明しました。Karuraは、全ての新技術をテストする場所です。AcalaはKaruraで実証された技術をホストしますが、両プラットフォームはAcalaの全体的な成長と発展に欠かせない共生関係にあります。
DanとBetteは、これまでに達成された進捗状況を詳細に説明しました。チームが計画し、実行し、さらなるマイルストーンを達成していく中で、今後もコミュニティとの間で、将来に対するビジョンを共有していきます。
Acalaについて
Acalaは、DeFiに最適化されたEthereum互換のスマートコントラクトプラットフォームであり、PolkadotにDAppsをスケーリングしていきます。
このブロックチェーンには、アプリケーション開発者が活用できるDeFiプロトコルがフォーマットで組み込みされており、その中には、分散型ステーブルコイン(Acala Dollar — aUSD)、信頼性の高いステークデリバティブ(liquid DOT — LDOT)、分散型取引所(DEX)が含まれています。
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Karuraについて
Karuraは、KusamaのオールインワンDeFiハブです。Acala Foundationにより構築されたKaruraは、DeFiに最適化されたスケーラブルなEVM互換のネットワークです。
このプラットフォームでは以下の金融アプリケーションを提供します:トラストレスなステークスデリバティブ(liquid KSM)、クロスチェーン資産に裏付けられたマルチ担保のステーブルコイン(kUSD)、AMM DEX — これらは全て、あらゆるトークンで支払うことができるマイクロガス料金で提供されます。つまり手数料の支払いの為に特定の通貨を用意する必要はありません。
Karuraは、DeFi向けにカスタマイズされたブロックチェーンプラットフォームであり、KARを利用することで、スムーズなトランザクション決済やスマートコントラクトの実行を可能にし、ノードオペレーターにインセンティブを与え、保有者がガバナンスに参加できるようにします。
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