Polkadotを代表するDefiプロジェクトAcalaとネイティブトークンACAとは
Polkadotを代表するDefiプロジェクトAcalaとネイティブトークンACA
訳:Acala Japan Twitter | Medium | Telegram
Acalaにはキャッチフレーズ「The DeFi Hub of Polkadot」というものがあります。つまりAcalaは、PolkadotネットワークにおけるDefiハブとしての機能を構築しているDefi領域のプロジェクトです。
ガバナンス・ユーティリティトークンとしてのAcalaトークン(ACA)を有するAcalaネットワークは、Acala Mandalaアプリケーションを通じて、多様なクロスチェーンの分散型金融(DeFi)サービスを提供します。また、Acalaの姉妹ネットワークKaruraとKaruraトークンは、Kusamaブロックチェーン上の分散型金融アプリケーション(dApps)のオープンソースでパーミッションレスなスイートとして機能します。
この記事では、Acalaネットワークを掘り下げ、このプラットフォームが提供するDefiサービスについて探っていきます。また、Acalaトークン(ACA)と、それがAcalaプラットフォームの中で果たす役割について、さらにAcala MandalaプラットフォームやKaruraネットワークについてもご紹介します。
Acala Networkとは?
Acalaは、「PolkadotのオールインワンDeFiハブ」としての存在を目指しています。このプラットフォームはEthereumにも対応しており、Ethereumネットワーク内で動作する多くの分散型アプリケーション(dApps)を利用することもできるようになります。
さらにAcalaは、多数の金融アプリケーションとともに、ブロックチェーン間のシームレスな相互運用性を提供します。これらのアプリケーションには、DOTをステークしながら流動性を確保するLiQUID DOT、ステーブルコインaUSD、自動マーケットメーカー(AMM)、分散型取引所(DEX)などがあります。また、前述のサービスのトランザクション手数料は非常に低く設定されており、さらに任意のトークンを使って手数料を支払うことができます。
Polkadotとは?
Acalaは、Ethereumや他のブロックチェーンとのシームレスな相互運用のためのレイヤー1のインフラを提供するPolkadotのパラチェーンです。Ethereumは、スマートコントラクトを暗号分野にもたらした2番目に大きな暗号通貨プロジェクトであり、このスマートコントラクトの登場は非常に革命的なものとなりました。
Polkadotは、Ethereumの共同創設者でありプログラミング言語Solidityの生みの親であるGavin Woods博士によって作られました。Polkadot自体は、革新的なフレームワークであるSubstrateを用いたリレーチェーン、パラチェーン、パラスレッドから構成されるブロックチェーンのネットワークです。
リレーチェーンは、Polkadotの心臓部であり、ネットワーク内の主権を表すパラチェーンとパラスレッドを接続します。さらに、リレーチェーンは、これらのチェーン間の相互運用可能なデータやトランザクションの通信機能も担当しています。パラチェーンは、モジュール式でカスタマイズ可能な独立したブロックチェーンであり、各パラチェーンは独自のネイティブなトークノミックやガバナンス構造を設定することができます。パラスレッドはパラチェーンと似ていますが、これは中継チェーンとの常時接続を必要としない小規模なチェーンです。このPolkadotの実用性と柔軟性は、Acalaプラットフォームの成功の鍵となるものです。
Acalaプラットフォームを探る — “PolkadotのDeFiハブ”
Acalaネットワークは、Polkadotの基盤となるセキュリティインフラを共有します。これにより、プラットフォームは攻撃に強く、フォークレスでのアップグレードを容易に実行することができます。また、Acalaプラットフォームは、クロスチェーンの分散型金融(DeFi)アクセスのためにPolkadotの力を利用する様々な分散型アプリケーション(dApps)のホストととして機能します。以下は、Acalaエコシステムの主な特徴です。
Acala EVM
2021年2月にリリースされたカスタムメイドのAcala Ethereum Virtual Machine (EVM)は、Substrateを最適化し、その可能性を最大限に引き出すために設計されたPolkadotネイティブなEthereum互換の仮想マシンです。Acala EVMは、Substrate、Solidity、Web3の開発者に、1つのウォレットだけでフルスタックのエクスペリエンス(Acala+EVM+Substrate+WASM)を提供します。
Acala EVMは、完全にコンポーザブルなDeFi環境を提供します。つまり、Acala EVMにデプロイされた分散型アプリケーション(dApps)は、クロスチェーンのアセットとシームレスにやりとりする事が可能になります。また、Acala EVMでは、開発者はサブスプリクションなどの定期的な支払いにオンチェーン自動スケジューラーを使用することができます。さらに、Acalaを通じて統合されたクロスチェーントークンとネイティブトークンは、Acala EVMがホストする分散型取引所(DEX)に上場したり(ガバナンス承認が必要)、Acalaネットワーク上の取引手数料に利用することが可能です。Acala EVMとノーフォーク・アップグレードの組み合わせは、どのような新しいSubstrateパレットでも、シームレスにAcalaと統合できることを意味します。
Acalaトークン(ACA)
ネイティブトークンであるACAトークンは、Acalaネットワーク内で2つの主要な機能を持っています。まず、ACAはAcalaプラットフォーム全体でユーティリティトークンとしての機能です。ACAは、Acalaエコシステム全体での手数料やスマートコントラクトベースのアプリケーションに利用されます。また、ステーキングやその他の基本的なネットワーク活動にも使用されます。
もう一点としては、Acalaネットワークのガバナンスにおける使用です。ACAトークンの保有者には議決権が付与され、これによりトークン保有者は、Acala財務省のガバナンスや評議員の選出、リスク管理、ネットワークのアップグレードに関する提案に投票することが可能になります。Acalaトークンの保有者は、AcalaネットワークとAcalaエコシステムを構成する分散型アプリケーション(dApps)の主要なリスクパラメータの調整についても投票することができます。これらのパラメータには、対応担保の種類に関する提案や手数料などが含まれます。
Acalaドル(aUSD)
Acalaドル(aUSD)は、Acalaのネイティブな分散型アプリケーション(dApps)と分散型金融(DeFi)を支えるマルチ担保のステーブルコインです。これには、貸し出しや借り入れ、利息の受け取り、合成資産の取引などが含まれます。aUSDトークンは米ドルにペグされます。このため、取引ペアとしても有用性を持ち、信頼性の高い価値の貯蔵庫としても機能します。Acalaネットワークは、Acala Mandala DeFiスイートを使用してaUSDで報酬を得る為の複数の方法を提供します。
非中央集権的なソブリン・ウェルス・ファンド
Acalaの分散型Sovereign Wealth Fund(dSWF)は、Acalaネットワークの将来的な発展を保証するための、複数の担保を用いた長期的な経済資金調達モデルです。dSWFの目的は、Acalaが自立したネットワークになることであり、ネットワークのコントロール権を、ベンチャーキャピタル(VC)ではなくトークン保有者の手に委ねることを狙いとします。Acala dSWFは、手数料などの暗号通貨の準備金をプールすることにより、コミュニティのインセンティブや研究開発、Acalaネットワークのパラチェーンスロットの確保を支援します。つまり、これが機能するとパラチェーンオークションの度に貢献を募る必要がなく、自前の資金のみで永久的にスロットを確保する事が可能になります。
Acala Mandala
Acala Mandalaは、Acalaの分散型金融(DeFi)のアプリケーションとプロトコルのスイートです。Acala Mandalaは、まだテストネットの段階ですが、オープンソースでパーミッションレス、つまり誰でも各Defiアプリケーションを操作できるようになります。Acala Mandalaにアクセスするためには、Polkadot.jsをインストールする必要があります。このPolkadot.jsは無料で、ブラウザの拡張機能としてダウンロードして数秒で実装することができます。接続すると、ホームページのロックが解除され、利用可能な全てのプロトコルが表示されます。GUIは、直感的かつシンプルで、簡単に操作することができます。左側にあるメニュー欄には、Acala Mandalaを操作する為の様々な方法が記載されています。
これには次のようなものがあります。:
- aUSDの借り入れ
- Swap (交換)
- Earn(複数のトークンで流動性を提供してLPトークンを稼ぐ)
- LDOT Liquid Staking (DOTを賭けてLDOTをミントする)
- Oracle Price (複数のOracle Priceフィードからトークン価格を表示)
- Governance (General Council、Honzon Council、Homa Council、Technical Committeeなどの各審議会の議案やスケジュールを確認できます。)
Acala Foundation
Acala Foundationは、aUSD、ステーキングリクイディティ、Acala分散型取引所(DEX)などのAcalaアプリケーションと統合された新規プロジェクトを支援するために設立されました。また、Acala Foundationと連携している全てのプロジェクトは、マーケティングのコラボレーションや技術革新の共有など、さまざまなメリットを得ることができます。多くの後援者と業界をリードする専門家によって構成されるAcala Foundationは、Acalaネットワークの長期的な持続可能な成長を目指しています。
Karura
Karuraは、KusamaネットワークにオールインワンDeFiスイートを作るために、Acala Foundationによって設立されました。Acalaの姉妹ネットワークと呼ばれるKaruraは、Acalaと同様のシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供しています。
Kusamaは、Polkadotのテストネットや「カナリア・ネットワーク」と呼ばれることの多い独立したネットワークです。この2つのネットワークはParity Technologies社によって作られたもので、非常によく似ています。しかし、KusamaはPolkadotよりも迅速なガバナンスパラメータで新しいアプリケーションの展開を可能にしているという特徴があります。KusamaとPolkadotの間のブリッジが開始されれば、AcalaとKaruraは完全に相互運用できるようになり、Karuraは将来的に、Kusamaネットワークのエコシステム全体で分散型金融(DeFi)アプリケーションを提供することを目的としています。
Karuraのアプリケーションは、ステークや借り入れ、貸し出しに加えて、DEXとステーブルコインkUSDを提供します。aUSDと同様に、kUSDもマルチ担保です。さらに、KaruraでもAcalaと同様のマイクロガス・トランザクション手数料を提供し、ユーザーは手数料をほぼ全てのトークンで支払うことが可能になります。
KaruraのネイティブユーティリティトークンであるKARは、エコシステムを強化し、KARトークンとKusamaのKSMトークンを含む複数の資産に対するステーク報酬を提供します。KaruraはLIQUID KSMステークを提供し、ユーザーはKSMトークンをステークしながらLKSMトークンを受け取ることができます。ユーザーはこれらのトークンを自由に取引したり、担保付きローンを組んだり、流動性を提供して報酬を得る事が可能です。また、Karuraのユーザーは、Karuraのクロスチェーン自動マーケットメーカー(AMM)分散型取引所(DEX)にkUSDの流動性を提供し、kUSDステーブルコインプロトコルから交換手数料と安定性手数料の利益を受け取ることができます。
また、Karuraは、タイムロックや制限されたリリーススケジュールなしにKSMトークンをステークする機会をユーザーに提供します。ユーザーは、好きな量のKSMトークンをステークし、好きな時に解除することができます。
AcalaとKaruraのロードマップ
AcalaとKaruraのロードマップには、2021年第1四半期と第2四半期に予定されている開発予定が満載となっております。第1四半期には、Acala EVMテストネットの実装、複数の監査、PolkadotテストネットRococoの開発が行われました。
2021年第2四半期には、Karuraパラチェーンオークションやメインネットのローンチなど、Karuraプラットフォームの飛躍的な発展と本格稼働が期待されます。さらに、Karuraガバナンス協議会やステーキング・デリバティブ、リクイディティ・マイニング・プロトコルの実現も期待されています。また、Ethereum Virtual Machine(EVM)とスマートコントラクトの完全なサポートのデプロイも予定されています。
AcalaネットワークとAcalaトークンの概要
Acalaは、既に多くのメディアで注目されていますが、それには十分な理由があります。オールインワンの分散型金融(DeFi)プラットフォームである「Acala Mandala」は、PolkadotのDeFiハブになることが決まっています。
さらに、Acala Foundationは、KaruraをKusamaネットワーク上のDeFiの中心として、同様のエクスペリエンスを再現しました。どちらのプラットフォームにおいても、メインネットのローンチ前から大きな成功と支持が約束されているのです。
また、Coinbase Venturesは2021年3月にAcalaとKaruraのサポートを発表しており、これも多くの投資家にとって信頼の証となっています。
さらに、Acalaは最近、スターポートを建設するために、Compoundコミュニティから助成金を受けました。Starportは、CompoundチェーンとPolkadotエコシステムの為の分散型金融アプリケーションのクロスチェーン・ゲートウェイになります。
これ以上に成功への確証が何か必要でしょうか?
Acalaは、明るい未来を有しており、2021年のビットコインの強気の市況の中で、客観的に見ても注目すべきプロジェクトの代表格であることは間違いないでしょう。
Karuraついて
Karuraは、KusamaのオールインワンDeFiハブです。Acala Foundationによって設立されたKaruraは、DeFiに最適化されたスケーラブルなEVM互換のネットワークとして機能します。
また、このプラットフォームでは、以下のような融アプリケーションを提供しています:トラストレス・ステーク・デリバティブ(liquid DOT)、クロスチェーン・アセットに裏付けられたマルチ担保のステーブルコイン(aUSD)、AMM DEX — これらはすべて、任意のトークンでの支払いが可能なマイクロ・ガス・フィーシステムを備えています。
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Acalaについて
Acalaは、Polkadotの分散型金融ハブであり、金融アプリケーションの利用や構築を迅速かつ容易にし、取引効率を向上させ、貴重な時間の節約を実現します。このプラットフォームでは、一連の金融プリミティブを提供しています。ビットコインのようなクロスチェーン資産に裏付けられたマルチ担保のステーブルコイン、信頼性の高いステーキングデリバティブ、そして流動性を解放し、金融イノベーションに力を与える分散型取引所です。
Acalaは、金融アプリケーションがスマートコントラクトや内蔵プロトコルを使用するためのデファクト・オープン・プラットフォームであり、すぐに使えるクロスチェーン機能、セキュリティ、金融の最適化を備えています。
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