Polkadotオークションの概要:Acala、Moonbeam、Astar、Parallelその他のプロジェクトを紹介
著:Pontem Network
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Polkadotについて
Polkadotは、「ブロックチェーンのインターネット」と言われています。独立したパラチェーンがリレーチェーンで結ばれたエコシステムであり、リレーチェーンは共有のセキュリティを提供し、パラチェーンは資産やデータを交換することができます。リレーチェーンとパラチェーンは、コレーターと呼ばれる特別なノードで結ばれています。
パラチェーンの総数は、当面は100個に制限されます。将来的には、Polkadot上で何千ものdAppsが動作するようになるかもしれません。
全てのパラチェーンは、リソースを奪い合うことなく並行して動作するため、システム全体が非常に高速で効率的になります。リレーチェーンは1秒間に最大1,000トランザクション(TPS)を処理することができ、100のパラチェーンのそれぞれが同じ数に達する可能性があり、結果として1秒間に100万トランザクションという前例のないスループットを実現することができます(創業者のGavin Wood氏によれば)。
パラチェーンオークションの基礎知識
各プロジェクトにパラチェーンのスロットを配布するために、Polkadotはオークションシステムを採用しています。ブロックチェーンオークションについては詳細記事がありますので、ここでは要点のみを記します:
- オークションは1バッチ5回セットで開催され、1回のオークションは1週間行われます
- プロジェクトはDOTをボンドしなければならず、オークション終了時に最も多くのDOTをボンドした者が勝者となります
- オークションの終了は、アルゴリズムによって事後的にランダムに決定されるため、ラウンドがいつ終了するかを事前に知ることはできません。これは、最後の瞬間に大量入札を行って勝利を確保する「スナイピング」を防ぐためのものです
- より多くのDOTを獲得するために、プロジェクトはコミュニティに支援を求めます
- プロジェクトが落札した場合、ボンドされたDOTは、パラチェーンスロットのリース期間中(最大96週間)ロックされたままとなります
- クラウドローン参加者にとっては機会損失となるため(最大2年間DOTを使用できないため)、代わりに勝利したプロジェクトは独自のトークンを対価として配布します
- プロジェクトが敗北した場合、ボンドされたDOTはクラウドローン参加者に返却されます
なぜプロジェクトは、プロジェクト予算からDOTを使うのではなく、クラウドローンを実行するのでしょうか?その理由は簡単で、勝利するためには膨大なDOTが必要だからです。コミュニティの協力なしに、一つのプロジェクトでその金額を賄うことはできません。
インセンティブ・テストネットとオークション
オークションモデルは、既にPolkadotの姉妹ネットワークであるKusamaでテストされています。11月11日にPolkadotの最初のオークションが始まる前に、Kusamaでは12回のラウンドが成功しています。
一般的に、新機能はPolkadotで展開される前に、まずKusamaでテストされる。このためKusamaは「カナリア・ネットワーク」または「インセンティブ・テストネット」と呼ばれています。
両オークションのルールは同じですが、Kusamaの場合はDOTではなく、KSMがボンドされます。興味深いことに、Kusamaで12ラウンドを勝ち抜いたプロジェクトのいくつかは、様々なPolkadotスタートアップのインセンティブ・ネットワークそのものとして機能します。
ここに参考となる対応表があります:
私たちのプロジェクトであるPontem Networkもまた、インセンティブ・テストネットして機能します。私たちは、Meta(旧Facebook)が支援する次期ブロックチェーンであるDiem上で構築する開発者にテスト場を提供する最初のプロジェクトです。
DiemのメインネットにdAppsをデプロイできるようになる時期や、KYCやAMLのルールがどうなるのかは、まだ明らかになっていません。しかし、Pontemを使えば、各プロジェクトは、Diemと互換性のあるプロジェクトをテストし、Polkadotエコシステム内においてその製品の品質向上とユーザーによる支持を得ることができます。
Pontemには、Noxと呼ばれる独自のカナリヤネットワークがあります。近日開催されるKusamaのパラチェーンを立ち上げるためのクラウドローンに先駆け、NOXトークン生成イベントのホワイトリストに参加登録することが必要です。
最初のPolkadotオークションの勝者を紹介:Acala (ACA)
Acalaは、多くのDeFi dAppsの未来の拠点となることが約束されているPolkadotのためのEthereum互換のDeFiハブです。
分散型取引所(AMM)、ステーキング、複数通貨で支払えるガス料金、そして独自のステーブルコインであるaUSDを実装しています。ここでは、これらの要素を1つずつ見ていきましょう。
あらゆる暗号通貨に対応し、低コストのガス料金
イーサリアムでは、ガス料金は一律にETHで支払われるため、常にウォレットにいくらかのETHをガス料金として入れておく必要があります。しかも、その手数料は高騰し続け、2021年にはイーサリアムの平均取引コストが4ドルから35ドルになりました。
その解決策として、Acalaはあらゆる暗号通貨で支払えるマイクロ(=超低額)のガス料金を導入します。DOT、ACA、USDT、ETH、BTCのチェーンに対応します。例えば、DEXでaUSDTをDOTにスワップした場合、aUSDで手数料を支払うことができます。これは、UniswapやSushiSwapのようなDEXのユーザーにとっては夢のような話です。
PolkadotのDAI的ステーブルコインであるaUSD
Tether(USDT)やCircle(USDC)などの主要なステーブルコイン発行者は、すでにPolkadotやKusamaでローンチすることを発表している一方で、Polkadotにもネイティブのステーブルコイン「aUSD」が登場します。
aUSDは、1:1の米ドルペッグで、DOT、KSM、BTC、ETHなどのさまざまな資産により裏付け(担保)される予定です。このプロトコルは、MakerDAOのDAIと同じように、ユーザーがより多くの担保を提供するとaUSDを発行します。
HomaとLiquid DOT (L-DOT)
Polkadotでは、ネットワークの安全性を確保するためにDOTをステークすることをユーザーに推奨しています。しかし、一度DOTコインをステークしてしまうと、レンディングなど、より高い利益を得られる他のことに活用することができません。Acalaはこのジレンマを解決するために、Homa Protocolを開発しました。
Homaでは、ノンカストディアル・プールを通じてDOTをステークし、その見返りとしてL-DOTトークンを得ることができます(さらに、ステーク報酬分としてもL-DOTを獲得できます)。その結果、L-DOTは、ローン担保、aUSDステーブルコインのミント、取引など、様々な方法で使用することができます。
Liquid Crowdloan DOT (lcDOT)
Liquid Crowdloan DOTは、Acalaのクラウドローン(現在は終了)の参加者のための特別なデリバティブ商品です。クラウドローンで集められたDOTが約2年間(パラチェーンリース期間)ロックされている間に、同額のlcDOTが発行されます。このデリバティブトークンは、aUSDで融資を受けるための担保として使用したり、DeXでスワップしたりすることができます。lcDOTは、ACAでのクラウドローンの報酬に加えて、追加の特典として発行されます。
DEX
Acala DEXはUniswapに似ていますが、Substrate上に構築されているため、より速く、安く、スケーラブルになっています。この取引所は、aUSDとDOT、USDTとKSMなど、それぞれに2つの異なる資産を持ついくつかの市場やプールを特徴としています。これらのプールに流動性を提供するユーザーは、DEXが生み出す取引手数料の一部を得ることができます。
イーサリアムとの互換性
dApp開発者にとって、イーサリアムとの互換性はAcalaの最も魅力的な点の一つです。チームは、新しい仮想マシン「Acala EVM+」を構築し、Solidityで書かれたスマートコントラクトの展開や、MetaMask、Waffle、Truffleなどのイーサリアムツールの使用を可能にしました。言い換えれば、イーサリアム上の既存の人気DeFi dAppsをPolkadotに展開して、流動性を獲得することが容易になります。また、MetaMaskを常用しているユーザーであれば、数回のクリックでネットワークを切り替えることができます。
Acalaが、クラウドローンでの調達額が最終的にMoonbeamよりも少なかったにもかかわらず勝利できたのはなぜですか?
最終的にはMoonbeamのDOT量の方が多かったのですが、期間中の63%ではAcalaがリードしていました。
先に述べたように、クラウドローンの終了と、オークションの終了は同じではありません。後者はアルゴリズムによってランダムに選択されます。基本的に、クラウドローンの貢献参加者は、オークションがすでに終わっている段階でも、DOTを拠出することができているのです。アルゴリズムで選択された終了時点では、81,000のウォレットから提供された13億ドルのDOTでAcalaが1位でした。これは、6月に行われたKaruraのクラウドローンの貢献参加者数(14,164人)の5倍以上にあたります。
オークション2の準優勝者および優勝者:Moonbeam(GLMR)
14.5億ドルのDOTを獲得したMoonbeamは、第2回オークションでの勝利が開始段階で、事実上保証されていました。Moonbeamは、Ethereumと互換性のあるスマートコントラクトプラットフォームという、Polkadotが確実に必要としているものを提供しており、このような大規模なコミュニティのサポートは驚くべきことではないでしょう。
同じくEthereumとの互換性を持ち、DeFiに特化しているAcalaとは異なり、Moonbeamはより汎用的なシステムを提供します。開発者はSolidityで書かれたスマートコントラクトを変更なくPolkadotに導入することができ、すぐに動作させることができます。Moonbeamは、Solidityよりもシンプルで安全性の高いEVM用の新しいプログラミング言語であるVyperもサポートしています。
Moonbeamに導入されたdAppsはすべて、DOT、KSM、aUSDなどのPolkadotアセットに加え、ERC-20トークン、さらにはブリッジシステムを介してBTCも自動的にサポートします。
Moonbeamの主なユースケースは、既存のEthereum dAppsをPolkadotに移植して、低いネットワーク手数料と高速なトランザクション処理時間を利用することです。イーサリアムベースのプロジェクトの多くは、高コストが影響してその普及に苦戦しています。Binance Smart Chainへの移行でこの問題を解決しようとしているプロジェクトもありますが、相互運用可能な「ブロックチェーンのインターネット」であるPolkadotは、さらに優れた選択肢となるでしょう。
Moonbeamのアイデアは確かに魅力的であり、パラチェーンがまだ公開されていないにもかかわらず、何十ものプロジェクトがすでにMoonbeamとの統合を発表しています。その中には、Dodo、Orion、Poolz、Injective Protocol、 Frax、SushiSwapなどがあります。
ちなみに、Moonbeamの姉妹ネットワークであるMoonriverは、Kusamaで最も活発なパラチェーンであり、これまでに800万件以上のトランザクションを完了し、60以上のライブ統合が行われ、173,000以上のウォレットアドレスを保有しています。
Astar Network (ASTR)
MoonbeamがEthereumのスマートコントラクトとdAppsのみをサポートしているのに対し、Astar(旧Plasm)はよりマルチチェーンとして、Cosmos、Secret Network、その他のチェーンもサポートする予定であり、その他も今後発表されていく予定です。
Astarの最も興味深い機能の1つは、dApp stakingで、開発者はAstar上でスマートコントラクトを作成することでASTRトークンを獲得できます。また、ブロック報酬の40%がdApp作成者に分配されます。チームによると、これは開発者にとって、Polkadotの他のスマートコントラクトプラットフォームではなく、Astarを選ぶ強力なインセンティブになるはずです。
AstarのカナリアネットワークであるShidenは、Kusamaでの3回目のオークションでスロットを獲得しました。Shidenは既にKusamaで稼働しており、開発者は SDN を獲得するために dApp staking に参加することができます。
現在はPolkadotのパラチェーンオークションに参加しています。
Parallel Finance (PARA)
Parallel Financeは、10億人のに分散型金融を提供することを目的としたPolkadotのDeFiプラットフォームです。Kusamaパラチェーンオークションのレポートをご覧になっている方は、ParallelのカナリアネットワークであるHeiko Financeが10番目のオークションでスロットを獲得したことを覚えていると思います。
ParallelとHeikoが提供する機能の一部をご紹介します:
- AMM:Uniswapに比べてはるかに効率的な流動性曲線、スリッページの最小化、複数トークンのスワップを実現
- マネーマーケット(テストネットで既に提供):Polkadotでの最初の貸し借りを目的とした金融サービス
- マージンステーキング:ユーザーはステーキングしたDOTを担保に資産を借りて、レンディング資金を増やし、より高い利回りを獲得することが可能
- 保険付きステーキング:DOTとKSMのステーキングをスラッシング(バリデータがルールを破った場合のペナルティ)のリスクから守る
Parallel Financeは、Astar、Manta Network、Litentry(この3つはPolkadotオークションに自ら参加)、Bifrost Finance、Gauntletなどとのパートナーシップを有しています。また、Pantera Capital、Alameda Research、Sequoiaなど、業界の有名ファンドの支援を受けています。
Clover Finance(CLV)
Cloverは、DeFiのもう一つのクロスチェーン・スマートコントラクトプラットフォームであり、MoonbeamやAstarよりも統合されたチェーンを持っています。Polkadot、Ethereum、Kusamaの他に、CloverはBSC、Solana、Fantom、Avalanche、Edgewareをサポートします。
Cloverのウォレットは、既にブラウザの拡張機能として提供されています。Acalaと同様に、ユーザーはガス料金をEthereumではなく、取引する資産自体で支払うことができます。また、Astarと同様に、プロトコルの収益はdAppビルダーに分配されます。
Cloverのカナリアネットワーク「Sakura」は、Kusamaのパラチェーンスロットを確保できていないため、両プロジェクトのクラウドローンが並行して行われています。参加者はCLVの報酬とは別に、NFTの抽選にも参加することができます。
Polkadotのパラチェーンオークションの第一弾は、2021年12月中旬まで行われる予定です。Pontem Networkでは、今後も最新情報をお届けしますので、ぜひこちらから各コンテンツをフォローしてください。そしてもちろん、Pontem独自のKusamaパラチェーン・クラウドローンのホワイトリストに参加して、初期のNOXホルダーになってください。