第2回Kusamaオークションの概要:KILT、Calamari、Basilisk、Altair、Heiko
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第2回 Kusamaのパラチェーンオークションには、分散型IDプロトコルから不動産をNFT化するプラットフォームまで、バラエティに富んだプロジェクトがスロットを獲得しました。オークションの展開や仕組み、各プロジェクトの概要について振り返ってみましょう。
Kusamaのパラチェーンオークションについて
PolkadotとKusamaでは、パラチェーン・スロットの配分のためにオークション形式を採用しています。現状では、各ネットワークは100の個別ブロックチェーンを収容することができ、そのうち60はパラチェーンとして貸し出され、残りの40個はパラチェーン以外のプロジェクトが有料で使用することになっています(いわゆるパラトレッドと呼ばれるサブスクタイプの貸し出しです)。スロットの獲得を希望するプロジェクトの数は非常に多く、そのために現在各ネットワークではオークションを開催しています。
オークションへの参加前に、プロジェクトはパラチェーンを構築してテストする必要があります。その次のステップとして、クラウドローン、つまりコミュニティの支援を集め、落札に必要な量のKSM(48週間ロック)を集めるキャンペーンです。
Kusamaオークションへの入札は、ネットワーク固有の暗号通貨であるKSMをボンディング(ステーク)することで行われます。例えば、Karuraは最初のオークションで50万KSM(9,000万ドル)の入札で落札しました。
落札されると、集められたKSMはリース期間中(48週間)ずっとロックされたままになります。その代わり、プロジェクトはクラウドローンの貢献参加者にトークンで報酬を与えます。例えば、ShidenとMoonriver(Kusamaの第2回と第3回のオークションの落札プロジェクト)は、このために全トークンの30%を提供しています。
Kusamaについて
Kusamaは、PolkadotのブロックチェーンとdAppsのための、いわゆるインセンティブ・テストネットです。Polkadot上で稼働する前に、Kusama上で稼働し、開発者は修正や改善、再構築する機会が与えられます。
これは、Facebookがイニシアチブをとっていることで知られている「Diemブロックチェーン」のためのテストネットワークを提供するPontem Networkの仕組みと同様の形です。Diemがローンチ、またはDiemでのローンチ前に、Pontem(およびPolkadotのエコシステム全体)でトラクションと流動性が確保されるため、プロジェクトチームはライブ環境でプロジェクトをテストすることができるだけでなく、プロジェクトトークンのためのユーティリティを生成し始めることができます。
実際、創業者のRobert Habermeier氏は、Kusamaを「カオスな実験場」と呼んでおり、ネットワークのモットーの一つは「Expect chaos」です。
2021年6月15日から7月20日までの間に行われた第1回目の5つのパラチェーンを選ぶオークションにおいて、大きな混乱はありませんでした。前回の記事では第1回の落札プロジェクトを詳しく紹介しましたが、今回は第2回のオークションで選ばれた5つのプロジェクトを紹介します。
1) KILT Protocol — Web 3.0のための検証可能な認証とKYC
KILTは、スロット入札期限の数日前には12,000人以上の貢献参加者が220,000KSMを拠出しており、その時点で首位に立っていました。実際、KILTは予定していた上限量に達する形でクラウドローンを終了し、勝利しました。
次点となった候補のCalamariは、9月4日の時点では120k KSMしかありませんでしたが、最終的には201k KSMまで追い上げて僅差の2位となりました。
KILTは、検証・取消可能なWeb 3.0の認証情報を発行するブロックチェーンプロトコルです。分散型の経済が発展するには、検証可能かつ悪用できない、信頼できる認証情報を生成するシステムが必要です。KILTは、各認証情報の有効性を検証しますが、このプロセスにおいて個人データは一切保存しません。さらに、ユーザーはいつでも自分のクレデンシャルを取り消すことができます。また、KILTは分散型KYC(SocialKYCとの提携)を提供し、ユーザーが個人データを保存・管理し、いつ、どのようにアプリと共有するかを決定することも可能にしています。
2) Calamari Network (KMA): DeFiのオンチェーン・プライバシー
Calamariは、Kusama上のDeFi dAppsのためのオンチェーン・プライバシー・プロトコルです。「MariPay」と「MariSwap」は、KSMやステーブルコイン、パラチェーントークンなどの資産を、ブロックチェーンのアドレスを秘密にしたまま送金・交換することができます。ちなみに、Calamariは、PolkadotではManta Networkとして知られています。
クラウドローンの段階ではKILTに遅れをとったCalamari Networkですが、第5回オークションでスロットを獲得したBifrostとのパートナーシップという強みを持っていました。BifrostのSALPプロトコルにより、Calamariのクラウドローンに参加するためにKSMを提供したユーザーは、vsKSMトークンを受け取ることができ、Bifrostにステークすることで流動性マイニング報酬も得ることができます。これは、クラウドローンの貢献参加報酬として配布されるKAMトークンに加えて、収入源を得られることを意味します。
3) Basilisk (BSX): Kusamaの暗号資産の流動性を向上させる
Basiliskは、流動性のブートストラッププロトコルであり、Kusamaベースの資産に流動性を提供し、最適な価格発見を保証するソリューションです。これは、HydraDXの姉妹プロジェクトであり、テストネットワークではありません。将来的に、このソリューションは、全てのブロックチェーン上で流動性を提供する壮大な「HydraDX Omnipool」へと進化するでしょう。これにより、開発者は「流動性が高い」という理由でEthereumでのローンチを選択することは無くなるでしょう。
現在、全てのプロジェクトチームは初期流動性の大部分をUniswapやその他の分散型取引所のトレーディングプールに供給しなければなりません。また、クジラ(大口投資家)は、利用可能なトークンを最初は安く買い占め、価格が上昇したら投げ売りする傾向があります。Ethereumのエコシステム以外のブロックチェーンでは流動性が非常に低いため、この問題はさらに顕著になります。
対照的に、Basiliskは流動性をブートストラップすると同時に、需要が低いときに価格を下げるための売り圧力を作り出すことができます。その結果、クジラが一般ユーザーにダンピングする理由がなくなり、資産が公正に値付けされるようになります。
4) Altair (AIR): 現実世界の資産とDeFiの橋渡し役
Altairは、ユーザー(主に企業)が現実世界の資産(RWA)をトークン化し、それを担保にして適切な価格の融資を受けることを可能にします。トークン化の対象となるRWAには、不動産、請求書、土地、住宅ローン、将来の収益などがあります。このような資産はすべてユニークであるため、RWAはNFTの形でトークン化します。
Altairは、現実世界の資本とDeFiの間の架け橋をKusamaに導入するプロジェクトです。ニッチで珍しい資産でも、NFTに変換することができます。全ての新機能は、Polkadot版のCentrifugeに実装される前にAltairでローンチされます。
5) Heiko Finance (HKO): 発展形のDeFiプラットフォームを提供
Heikoは、Parallel FinanceのKusama版として機能し、ユーザーがPolkadot上で資産を貸し借りしたり、ステークすることができるプロトコルです。
これだけ聞くと、DeFiの単純な機能のように見えるかもしれませんが、Heikoは、従来のDeFi機能に発展性を加えています。例えば、ステーク報酬とレンディング利回りを二重取りできるリキッドステークのほか、革新的な機能としてオークション・レンディングサービスを提供します。Heikoのユーザーは、KSMやDOTを将来のパラチェインオークションの参加プロジェクトに貸し出し、その貢献報酬を他のプラットフォームより良い報酬率で受け取れるともに、その貢献分のKSMやDOTは前述のリキッドステーク資産として、レンディングやステークに別途活用することを可能にします。
その他のプロジェクト
最初のオークションから参加しているプロジェクトとしては、PolkaSmith(最初のオークションで6位)、Robonomics、Genshiro、Crust Shadow、Darwinia Crabなどがあります。今後これらのプロジェクトと、後発の新規参入プロジェクトがスロットを争っていくことになるでしょう。
Kusamaオークションの仕組み
Kusamaオークションでは、17世紀後半にイギリスで流行した「キャンドルオークション」と呼ばれる形式を採用しています。これは、1センチほどの長さのロウソクに火をつけ、それが消えるタイミングまで競りを続けるというものであり、その消える瞬間の最後の入札者が勝者とするものです。
しかし、この古典的なロウソク方式には欠点があります。
終わりがある程度予測できてしまうため、オークション終了直前まで待って大量の入札を行い、落札してしまえば良いからです。このような直前の入札(スナイピングとも呼ばれる)を防ぐために、Kusamaは、アルゴリズムがランダムに終了点を選ぶという、改良したキャンドル形式を採用しています。
1週間のオークションのうち、最初の2日間(初期入札期間)に行われた入札には影響しませんが、3日目から7日目まで(いわゆるエンディング期間)のオークションが対象として、アルゴリズムによりランダムに終了のタイミングが選ばれます。この終了のタイミングは、オークション期間終了後に決定されるため、参加プロジェクトは正確な終了時期はわからないため、「最後に首位になる」ではなく、早期段階での入札が推奨されることになります。
入札には、あらかじめパラチェーンスロットをどのくらいの期間借りるのかを指定する必要があります。この期間は、6週間から48週間の間で指定できます。第1回のオークションで落札されたスロットは、2022年5月13日、第2回のオークションでの対象プロジェクトは2022年8月5日にスロットのリースが終了となります。
今回紹介した各プロジェクトのdAppsを利用する予定がなくても、どのプロジェクトがオークションで勝利するのかという傾向は把握しておいた方が良いでしょう。というのも、スロットを獲得したプロジェクトのトークンは、取引所に上場されると急激に価格が上昇する可能性があるからです。例えば、KaruraのKARはわずか2週間で4.1ドルから9.4ドルに、MoonriverのMOVRはわずか4日間で70ドルから185ドルになりました。
Kusamaによる、実験的なプラットフォームとしての役割は順調に機能しており、Kusamaベースの暗号資産は非常に魅力的な資産として進化を遂げつつあります。
Pontem Noxが、いよいよKusamaオークションに参入します。
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