Pontem x Econiaライブストリーミングレポート
Pontem Network
Pontem Networkの各コンテンツはこちら!アンバサダーも募集中です。
今回のライブストリームは、スペシャルゲストにEconiaを迎えました。
Alejo:ご登場いただきありがとうございます。まずはプロジェクトを紹介してください。
Econia:私はEconia Labsの共同設立者で、Aptos用のオンチェーン・オーダーブックを構築しています。オーダーブックとマッチングエンジンは完全にオンチェーンなので、私たちが構築しているDEXプラットフォームに関連する金融情報の透明性が100%確保されていることになります。
Econiaは、Move言語で記述され、世界中に分散配置された自律的な決済レイヤーです。AptosとMove言語が提供するパフォーマンス拡張を活用し、他では構築できないDEXを構築しています。
Econiaは、従来のオーダーブックがサポートする全ての機能をサポートしています。完全に透明で、チェーンを見るだけで、誰もがオーダーブックの状態を知ることができます。誰もが人々のアカウントに何があるのかを知ることができ、オーダーブックのすべての注文は資産によって裏付けされています。Econiaのアプリケーションさえあれば、世界中の誰でも参加することができ、好きな資産を好きな相手と取引できるのです。
Alejo:今後どうすればより多くの人に、このDeFiを使ってもらえるようになるでしょうか?
Econia:まずは、リリースすることです。今週から監査が始まります。実装のユニットテストがもう少し済んだら、devnetとtestnetで公開し、Pontemなどのインテグレーターがこの上でアプリを作り始められるようにする予定です。
不透明で過剰なレバレッジなどの活動を行わず、合理的な代替手段を提示していくのが私たちの仕事です。私たちは、コミュニティを無意味なハイプによってではなく有機的に成長させることを計画しています。
Alejo:私たちがスマートコントラクトや分散型コンピュータを構築しているのは、透明性が高く、理論的により安全な分散型インフラを構築できるためです。もちろん、スマートコントラクトのリスクはありますが、それを超えたら、ここが私たちの目指すあるべき世界が待っています。その中でも取引アプリケーションは間違いなく最初のステップであり、既存のアプリケーションの分散化バージョンがもっと出てくるかもしれません。以前はできなかったソリューションが、アプトスでは存在できるようになったということはあるのでしょうか。
Econia:ブロックチェーンがこれまでどのように発展してきたか、その進化の過程を説明するのが好きです。50年前に初めてコンピュータが動き出し、それをネットワークで繋ぎ始めたのと同じようなものです。今、私たちは、全ての情報が異なるコンピュータ間で検証可能に正しい、1つの分散型コンピュータを持っています。ビットコインは、誰が何を所有しているかを追跡するために使われましたが、その価値は「分散型」であることで、それ以上の用途はありませんでした。イーサリアムは、信頼できる金融コンピューター上のリソースに価値を見出したことで、真のパラダイムシフトをもたらしました。私たちは常に「何かの価値とは何か」という問いを持っています。その答えは、「私たちがそれに割り当てるもの」になりがちです。金はなぜ価値があるのでしょうか?半導体の製造などには有用ですが、ほとんどの場合、誰もが金にそれ以上の価値があると思っています。
誰もが利用できる分散型取引の場を作り上げたこと、これがイーサリアムの最大の成功かもしれません。政府や国民、その他の第三者によって動かされてしまうJPモルガンのような中央集権的な機関にはない、信頼と信用のおける中立性を持っているのです。
Solanaは、これを超える可能性を秘めた一つの進化でした。ブロックチェーンがこれだけの実行速度に到達したことを証明したのです。私見ですが、SolanaやAptosなどは、特性の範囲が違うので、それぞれ独自の世界になっていくと思います。現在の主なユースケースはNFTとDeFiですが、それ以上のアプリケーションもあり得ます。Econiaの前身は、SolanaのSerumというモデルです。これもオンチェーンでのオーダーブックで、オンチェーンでもできることを証明しました。ただ、技術的に非効率な点がいくつかあり、取引の分割方法などを含めて調整することができました。
Aptosでは、Block-STMによって、全てを1つの取引に圧縮することができるため、そのようなことをする必要はありません。Aptosでは、アトミックマッチングエンジンというキラー機能があります。「アトミック」という言葉はデータベース理論体系からきており、アトミックとは、トランザクションが実行されるか、全く実行されないかのどちらかであることを意味します。Econiaでは、マーケットオーダーはその取引ですぐに決済されるので、取引の収益をすぐに流動性プールのような他のものに回すことができ、より細かいコンポーザビリティが可能になります。VMコンポーザブル・プリミティブの内部では、可能性が無限に広がっています。他のものと連鎖して、小さなビルディングブロックを全て活用したプログラムを作り、さらに複雑なものを作ることができるのです。
私たちは今、オンチェーンや金融コンピュータで何ができるかの分岐点にいます。私たちの場合は、オーダーブックがその最高のアプリケーションです。物の価値を決めるのは哲学的な問題ですが、オーダーブックでは、誰かがその物にいくら払おうとしているのかが明確に分かります。人々が自分の判断と意思を一つのものに集約し、その結果が価格となるわけですから、オーダーブックは感情合成のための道具と言えるでしょう。結局のところ、私たちは人々が物の値段を知るのを助けているだけなのです。これは、世界の資源を配分する上で重要であり、私たちはこれを金融システムの将来像と捉えています。
Alejo:話を元に戻すと、ビットコイン単体の価値は、私たち全員が合意した任意の価値基準で結びついているといえます。この価格設定メカニズムをオンチェーンに持ち込めば、もはや中央集権的な仲介者を信用することなく、価値あるものを得ることができます。
私たちは今、オンチェーンに行き、他のみんなが何を評価しているのかを透明に見ることができます。私見では、これは物々交換の経済に戻るようなもので、オンチェーンで透明性があるため、ローカルな不換通貨を経由しなければならない現在の経済よりも効率的です。この価格発見のメカニズムは、流動性供給者にとってより非効率的な方法であるとも言えますが、Aptosではそれが可能になっています。
ところで、今後、全てがオンチェーンに移行するのでしょうか?全ての活動がオンチェーンに移行し、オフチェーンでの活動を心配する必要がなくなるということはあり得るのでしょうか?
Econia:それに答える前に、まずいくつかのことをお話ししたいと思います。ビットコインはオンチェーンでのトリガー資産であるという話がありました。ビットコインの場合、例えばイーサリアムとAptosをブリッジするのと同じように、ビットコインは他のものと対話しないので、やや特殊です。つまり、中央集権的な取引所に依存することになるわけです。また、イーサリアム上のビットコインは実はシングルパーティであり、そうすると、ブリッジ資産とは何なのかという疑問が湧いてきます。ラッピングされたビットコイン・オン・イーサリアムというのは、この仲介者が「欲しい」と言えば、実際に向こうでビットコインを持たせてくれるという約束なのです。ブリッジというのは、もっと広義には、こういうものだと考えています。一言で表せば「向こう側にあるものを手に入れる約束」です。
全てがオンチェーンになり、スターバックスのコーヒーがオンチェーンで買え、同時に他の誰かが同じチェーンで取引しているかというと、それはどうでしょう。当面は取引のスループットが上がると思いますが、最終的には何でもオンチェーンで販売できるようになるのが理想です。もっと近い将来のソリューションとして期待したいのは、世界中の金融機関が、中央集権ではないものの、実際の中央機関としてDeFiを信頼するようになることです。
短期的には、オンチェーンでの資産追跡がデファクトになると思います。第三者による隠された台帳を信用する必要はなく、オンチェーンで全てを見ることができるのです。これは、従来の金融に見られるような透明性の低さに対して、本当に説得力のある代替案だと思います。
Alejo:確かに、全てをオンチェーン化するためには、スループットを高める必要があります。Optimistic RollupsやZK Proofsなど、私たちがEthereumで見ているスケーリングソリューションのいくつかは、スループットのスケーリングに役立つ可能性があると思いますが、いかがでしょうか。また、Aptosは抽象化されたレイヤーでも拡張可能で、その際にもソリューションは同じ機能を維持できるとお考えですか?
Econia:スケーリングは明らかに重要です。Aptosの素晴らしいところは、ビルトインのアップグレード性です。最初にいくつかの基本的な決定をしなければなりませんが、ほとんどのことは途中で変更可能です。プルーフオブステーク・マージは、エンジニアリングの面でも素晴らしい成果でした。システム上のすべてを途中で変更し、しかもそれがうまくいったのです。しかし、TPSをそれほど向上させることはできませんでした。今後、全てをオンチェーンに移行するために必要なことは何でしょうか?
もし全てをオンチェーンに移行するとしたら、例えばFacebookがパブリックブロックチェーンを使い、そこで決済を行うと言い出したときのことを考える必要があります。何百万人もの人々がお互いにマイクロペイメントを送り合っているわけです。これは10,000TPSレベルではありません。それ以上です。ここ数年のWeb2の話題は、誰が最も多くのトラフィックを取り込み、1秒あたりのトランザクションをサポートするために必要な全てのものをロードバランスできるかということでした。もし、全てをFacebookに移行するのであれば、それはオンチェーンにできることなのかどうかわかりません。それは、さまざまなレイヤーから生まれると思います。まず、世界の金融活動で、全員が合意していることが非常に優先度が高いと捉えていることです。
Alejo:必要性がイノベーションを決定するというのは、私も同意見です。金融の用途では、中央集権的な機関から脱却する必要があります。しかし、ソーシャルキャピタルのようなものは、TwitterやFacebookに任せて、パーミッションとパーミッションレスのブロックチェーンを組み合わせることができるかもしれません。Twitterが「いいね!」のための信頼できるノードになり、その「いいね!」がイーサリアムや他のものと取引されることを想像してください。「いいね!」をイーサリアムと交換する場合、パブリックパーミッションレスチェーンでオンチェーンに行われますが、システムを通して内部的にスケールさせることができます。スループットはまだですが、将来的にはそうなるかもしれません。
私にとってZKは、世界で10人しか理解していない黒魔術のようなものでもあります。今後、この分野の開発が進むにつれて、もっと研究されるようになることを期待しています。ZKの研究をしている人と話したのですが、とても面白かったです。レイヤー3のハイパースケーラビリティによって、個々のアプリケーションが独自の「チェーン」を持ち、理論的には10万TPS以上まで拡張できるようになるのだそうです。したがって、各アプリケーションはそれぞれ独立したスループットを持つことができます。イーサリアムでチェックポイントして決済するときだけ、スループットを共有するのです。このレイヤー3は、スケーリングに適しているのではないかと思われます。例えば、Econiaが単独で10万TPSを得るかもしれないし、PontemやLiquidswapもそうだし、レイヤー1で決済するときの組み合わせは、トランザクションするとき、あるいはそれに応じてガス代を支払わなければならないときです。
今後、こうしたソリューションがどのように適用され、実用化されるのか、楽しみです。その最前線にいることは、とても興味深いことです。暗号技術やブロックチェーンは、インターネットが誕生した頃のようだと言うと語弊があるように感じますが、本当にそのような感じです。周りを見渡しても、多くのものが完全に動いていないし、動いていても超遅いんです。私たちのような人がいるからこそ、この空間が前進し続けられるのだと思うと、わくわくします。
さて、Econiaのロードマップについて、もう少し掘り下げていきましょう。ここにいる人たちに、これから何が起こるか教えてください。
Econia:昨晩、導入が完了しましたので、次は内部テストと監査を行う予定です。三重の冗長性を確保するために、3つの監査組織を使って監査する予定です。これは2週間ほどかかるでしょう。
その後、スマートチャートを発表し、APIのドキュメントを更新して、その上に構築されるインテグレーションをサポートし、専門機関やマーケットメーカーなど、流動性の提供に関心のある全ての人に提供する予定です。Econiaは、マルチシグコントラクトでローンチする予定です。Econiaのローンチ時には、DEXを稼働させながら、時間をかけていくつかのパラメータを調整することができるようになる予定です。
当初、EconiaはAPTをユーティリティコインとして受け入れる予定です。これは、レイヤー1において、ネットワークでDDOSを提供するためにカーネルリソースが必要なのと同じです。その後、それを引き継ぐEconiaトークンが存在することになります。長期的には、Econiaトークンの用途は、このパルスになります。どのような形で始めるかは、今まさに考えているところです。実際にコミュニティの意見を聞き、コミュニティ主導のプロジェクトにしたいと考えています。
Alejo:このプロジェクトにコミュニティがどのように関わってくるかについて、もう少し触れてみましょう。Econiaと統合し、セントラル・リミット・オーダーブックによる流動性プールの共有というユースケースが実現できますね。共有流動性プールでは価格発見が容易であるため、長期資産に最適なアプリケーションと思われます。また、パッシブな流動性供給が可能なため、マーケットメーカーとして注文を出すことを意識する必要がなく、より利用しやすくなっています。ビルダー、ユーザー、個人の貢献者は、どのようにしてEconiaの一部になれるのでしょうか?
Econia:私たちが作っている、コンセッションを進めるためのフォームにご注目ください。プロトコルをどうしたいのか、将来的にどのような意思決定をしたいのか、コインをどのようなことに使ってほしいのか。私は、このようなアウトリーチイベントを行ってきました。コミュニティがプロジェクトに参加し、Econiaが何のためにあるのか、何をするのか、そして統合するdAppsにどのように関与できるのかを知ってもらいたいです。そうすれば、そのようなdAppが統合を希望したときに、私たちは迅速にサポートできます。今後、ワクワクすることがたくさん待っています。
Alejo:AptosとSolanaではNFTが盛り上がっているようなので、ここについていくつかユースケースについてお話ししましょう。私個人としては、APTとNFTをより分散化された方法で取引する方法に興味があります。
Econia:私たちがサポートできる方法は2つほどあります。まず、Econiaがどのようにジェネリック資産をサポートしているかを説明します。
Econiaは、コインを「quote assets.」として受け付けます。これはつまり、何建てなのか、ということです。多くの場合、モノの値段は米ドル建てですが、今回はコインにします。でも、ベース資産は何でもいいんです。コインである必要はありません。引受人という、Econiaに登録して、オフトークンのような能力を持つ役割が存在します。そして、その人が好きなものを選ぶことができるのです。NFTに関しては、2つの例があります。1つは、セミ・ファンガブル・リリース・コレクション(semi-fungible release collection)です。ある銘柄のNFTリリースが1万枚あり、それらが同一であれば、1枚ずつなので、コインの取引と同じようにオーダーブックで取引することができます。しかし、1枚だけでいいなら、それを分数化して、汎用資産としてエコニアで取引することも可能です。これは、私たちが見ている最も優れたユースケースの一つです。オーダーブックは伝統的にカンジブルなもののために設計されているので、この場合は、他のものと同じNFTの希少なコレクション、あるいは同じNFTの株式ということになりますね。こうしたソリューションもEconiaが提供していく予定ですので、どうかご期待ください。
ライブストリームに参加してくれたEconiaに感謝します。彼らのプロジェクトの最新情報は各ソーシャルメディアでチェックできます。
ご覧いただきありがとうございました!