デリゲーティング:STEP 2 インデクサーの選択方法
この投稿は、どのインデクサーにデリゲートするかの選択方法についてのガイドです。
多くのプロトコルにはステークと呼ばれる機能があり、どこにステークするかは料金や稼働率などの簡単な指標で判断できます。しかし、グラフネットワーク上でデリゲート先となるインデクサーを選択するのは、より難しい判断を伴います。このセクションでは、あなた自身に合った判断ができるように各インデクサーを評価するための一般的な基準を記します。
グラフのオープンデータエコノミーにおいて、個々の収益は個々が選択したインデクサーのパフォーマンスに依存することを理解するのが重要です。
デリゲーターとして、するべきことは各インデクサーのリストを閲覧し、各項目から精査することです。リスクが高く潜在的に高い報酬が得られる場合もあれば、より安定しているが低収入になるものもあるかもしれません。そのリスクを軽減・分散するために、複数のインデクサーに分割してデリゲートすることを検討してください。グラフはまだベータ版であり、稼働時間や過去のスラッシュなどのメトリクスの分析には十分ではありません。また、レピュテーションシステムも存在しません。この記事では、グラフネットワークで利用可能なメトリクスについて解説します。
デリゲートすることのリスク
トークンをインデクサーにデリゲートする場合に考慮すべきリスクがいくつかあります:
- ボラティリティ−全ての暗号資産と同様にGRT価格も不安定であり急速に変化する可能性があります
- 手数料−トークンをインデクサーにデリゲートする場合は0.5%のデリゲート手数料がかかります
- 機会コスト−デリゲートを解除する場合にはトークンは 28 日間の解除期間が必要となります。この 期間は手数料や報酬は発生しません
- ステーキングパラメータの更新−インデクサーはステークキングパラメーター(手数料カット率と報酬カット率)を変更することができます。定期的にデリゲート状況をチェックすることをお勧めします。
では、The Graph NetworkのWebページに掲載されているメトリクスを見てみましょう
それぞれの列を見てみましょう:
サブグラフ
これは、どのサブグラフがインデクサーによってインデックス化されているかを示しています。
今のところ、グラフはまだホストサービスから移行を進めている最中です。インデックス報酬を得ることができる唯一のサブグラフは、”Pool Together “サブグラフです。そのため、選択したインデクサがサブグラフの列にこのサブグラフを持っていることを確認してください。
料金カット
“Fee Cut” は、総クエリ料金のうちどれだけがインデクサーに支払われるかを示します。残りは、デリゲートトークン量に比例してデリゲーター間で分配されます。
例として、30%の料金カットの設定を持つインデクサーは、 クエリ料金の30%を自分のものとします。デリゲーターは残りの 70%をデリゲーター内の自分の持ち分に従って分配されます。一般的には、フィーカットが低い方がデリゲーターにとっては有利です。
クエリ料金はインデクサーがデータを提供するたびに得られるものです。
報酬カット
“Reward Cut”は、総インデックス作成報酬のうちどれだけがインデクサーに行くのかを示しています。残りはデリゲートされたトークン量に比例してデリゲーター間で分配されます。
例として、報酬カットが 20%のインデクサーは、自分のインデクシング報酬のうち20%を自分のものにします。デリゲーターはは残りの80%を、デリゲートトークン数に比例して分配を受けます。上記の料金カットと同様に報酬カット%が低い方が通常はデリゲーターにとって有利です。
ネットワークはいくつかのサブグラフに価値があると見られることを意味するシグナルを送り、これらのサブグラフにインデックスを作成したインデクサーはインデクシング報酬を獲得します。
所有ステーク
“Stake owned”は、インデクサーがネットワーク上でどれだけのGRTをステークしているかを示します。もしインデクサーが悪意のある振る舞いをした場合、このトークンはプロトコルによってスラッシュされる可能性があります。
デリゲート
“Delegated” は、現在このインデクサーにデリゲートされているトークン量を示します。デリゲートされたトークン量が少なければ、手数料や報酬の分配率が高くなることを意味します。
クエリ料
“Query Fees”は、このインデクサーが獲得したクエリ料金の総額です。発生手数料が多く、手数料カットが低く、デリゲーションプール量が少ない場合がデリゲーターが報酬を受け取るうえで理想的であるといえます。
インデクサー報酬
“Indexer rewards”は、このインデクサーが獲得したインデクサ―報酬の総額です。獲得したインデクサ―報酬量が多く、報酬カット率が低く、デリゲーションプール量が少ないのが理想的であるといえます。
クエリ料とインデクサー報酬のカット%からデリゲーション報酬を算出
料金カットと報酬カットは、総収入のうちどれだけがインデクサーの取り分となるのかを示しており、前述の各数値とこちらのパーセンテージを利用してデリゲーション報酬の推定値を割り出すことができます。
各種計算用シート:
インデクサー側の戦略
インデクサーのパフォーマンスは技術的な指標だけではありません。インデクサーは、クエリ料やインデクサ―報酬の獲得額に影響を与える戦略的な選択も行います。例えば、どのサブグラフをインデックス化するのか?どのような料金体系を採用するか?ということです。
インデクサがークエリ料を稼ぎ続けるためには、競争力のある戦略が必要となり、以下の2つが考えられます:
- よく知られよく使われているサブグラフに競争力のある価格戦略を採用する
- より高いシェアを保持する事を目的としてあまり知られていないサブグラフをインデックス化する
インデクサープロフィールのページでは、各インデクサーから直接収集したプロフィールを読むことができます。