10プロジェクトのサブグラフが分散型ネットワークに移行
著：The Graph Foundation
Audius, DODO, Enzyme, Gnosis, Livepeer, mStable, Opyn, PoolTogether, Reflexer, UMAが、The GraphのホストサービスからThe Graph Networkのメインネットに公開された最初の10のサブグラフとなりました。
これらのdappsは、完全なサーバーレスアプリケーションへの移行の為の新たなステップを踏み出し、Web3スタックの分散化を更に進めています。
各メインネットパートナーは、Web3に専念し、分散型アプリケーション開発の先駆者となります。各パートナーは、Web3のビジョンの重要な要素であるオープンAPIを既に使用しており、The Graphエコシステムと長期的に連携していきます。各パートナーは、DODOによるDEX、Reflexerのアルゴリズム・ステーブル資産、Gnosisの予測市場といった幅広い領域をEthereum上で積極的に構築しています。
メインネット移行プロセスは、メインネット上で起動する各サブグラフが同期されるまでの時間がそれぞれ異なるため、今後数ヶ月にわたり継続的に展開されていく予定です。
メインネット・マイグレーション・パートナー
メインネットへの移行パートナーは、4つの垂直方向へのサブグラフを表しています。DeFi、NFT、Entertainment、Videoです。それぞれのバーティカルは、Web3のDappsを動かす豊富なデータセットで構成されています。
DeFi (分散型金融)
DeFiは現在、取引所、資産管理ツール、合成資産などのアプリケーションからのホステッドサービスのクエリボリュームの大部分を占めています。メインネットに最初に移行を果たしたDeFiサブグラフは、UMA、Gnosis、mStable、Reflexer、DODO、Opyn、Enzyme、PoolTogetherです。
UMAはユニバーサルマーケットアクセスを実現するために構築された分散型金融契約プラットフォームで、uUSDやPerlinx、Domination Financeなどのプロジェクトを支えています。
Gnosisは、ユーザーが様々なトピック（暗号分野、政治・スポーツなど）の情報市場を作成して参加して機能する分散型の予測市場を構築しています。
mStableは、ペッグ資産の為の非保管型のインフラを提供し、Aave、Argent、Balancer、Compoundなどの主要なプロトコルと統合されています。
Reflexerは、ETHを裏付けとした初の非ペッグ型アルゴリズム・ステーブル資産であるRAIを構築しており、Cream Financeなどのプロトコルと統合しています。
DODOは、DEXの運営と流動性提供を主とする企業で、最近ではサブグラフを使ってオンチェーンデータにアクセスする方法をブログで公開しています。
Enzymeは、ユーザーが投資戦略を構築・収益化する為のオンチェーン資産管理ツールです。
Opynは、ユーザーによるETHやERC20トークンのDeFiオプション取引を可能にすることで、プレミアムの獲得やリスクヘッジする事ができるDeFiプロトコルです。
PoolTogetherは、Ethereum上で損失の生じない賞金プールシステムの分散型プロトコルで、2020年12月からメインネット上でサブグラフが稼働しています。
NFTとエンターテイメント
NFTは、ホストサービスで最も急成長しているサブグラフのバーティカルの一つであり、Ethereum上で最も期待されているユースケースの一つです。当社のNFTメインネット移行パートナーは、音楽メインのNFT開発をリードするプロジェクトであり、NFT領域を牽引するAudiusです。
Audiusは、全てのミュージシャンが自身の音楽の宣伝・共有をする為に作られたストリーミングプラットフォームです。Audiusの音楽プレーヤーのインターフェイスは非常に直感的で使いやすく、その分散型構造とトークンによってファンとアーティストを直接結びつけます。
ビデオ
ビデオもホスト型サービスの人気のあるバーティカルです。LivepeerはEthereumで構築された分散型の動画ストリーミングプラットフォームであり、そのサブグラフは2019年に入ってからThe Graphのホステッドサービスに登場しました。Livepeerは、動画データを共有するアプリケーションとユーザーのネットワークによって、世界のオープンな動画インフラを構築しています。
フェーズ2に向けたサブグラフの同期とScalarのテスト
今回のフェーズ1では、最初の10プロジェクトのサブグラフをメインネットに移行する事と、クエリ量の増加と料金のトランザクションの準備段階に入るインデクサーへのサポートに重点を置いています。移行パートナーが分散型ネットワークに慣れ、インデクサーがサブグラフのインデックス作成に慣れていく為には、時間をかけて進めていく事が重要となります。
The Graph Foundationは各パートナーと緊密に連携し、各サブグラフが分散型ネットワークのスムーズな移行をサポートしていきます。これにより、dappsが最高のUXを提供し、インデクサーがオンチェーンデータを同期できるようになります。また、移行期間中に各種ガイドのリリースやワークショップもインデクサー向けに行っていく予定です。また、紛争の解決やスラッシュについて定められた仲裁憲章も導入されます。移行期間中のサポートを希望するインデクサーは、Discordの#indexersチャンネルから参加される事をお勧めします。
先週、The Graph Foundationは、メインネットのクエリ料のボリュームを支えるマイクロトランザクションシステムであるScalarをリリースしました。Scalarはテストネット上で最終テストが行われており、今後数週間はメインネット上でライブ配信されているサブグラフのクエリ料を効率的に処理する為のテストに焦点が当てられていきます。
サブグラフが完全に同期され、Scalarがメインネットにデプロイされると、今回のパートナーはメインネット上で各Dappsをテストする事が可能になります。Q＆Aプロセスを経た後、本番用Dappsのネットワークへの切り替えが可能になり、インデクサーやデリゲーターへのクエリ料が発生するようになります。
移行のサポートをご希望のDAPは、こちらのフォームに記入の上、ご連絡ください。また、ユーザーの方でお気に入りのdappが次回の移行に含まれる事を希望する場合はTwitterで@graphprotocolをタグ付けしてお知らせください。
Web3への道
ホストサービスのサブグラフがThe Graph Networkに移行する事は、世界の情報を分散させるための重要なステップです。The Graphコミュニティは常に成長を続けており、インデクサーやキューレーター、デリゲーターによるエコシステムへの貢献に焦点を当てた新しいイニシアチブが毎週のように発表されています。現在、172人以上のインデクサーと6,500人以上のデリゲーターがネットワークに参加しています。現在までに、1万以上のサブグラフが16,000人の開発者によりThe Graphのホストサービスに展開されています。The Graphのコミュニティは、個人に力を与え、Web3を発展させるメインネットを構築し続けていきます。
The Graphについて
The Graphは、分散型ウェブのインデックスとクエリのレイヤーです。開発者はサブグラフと呼ばれるオープンなAPIを構築・公開し、アプリケーションはGraphQLを使ってクエリを実行することができます。The Graphは現在、Ethereum、IPFS、PoAからのデータのインデックス化をサポートしており、更に多くのネットワークを公開していく予定です。現在まで8,000以上のサブグラフが10,000人以上のアクティブな開発者によってデプロイされ、Uniswap、Synthetix、Aragon、Gnosis、Balancer、Livepeer、DAOstack、AAVE、Decentralandなどのアプリケーションに利用されています。
アプリケーションやWeb3アプリケーションを構築している開発者であれば、ブロックチェーンからのデータのインデックス作成やクエリにサブグラフを利用することができます。The Graphを使うことで、アプリケーションは効率的かつパフォーマンスの高いデータをUIに表示することができ、他の開発者もそのサブグラフを使うことができ、サブグラフをデプロイしたり、Graph Explorerにある既存のサブグラフを照会したりすることができます。
The Graphでは、あなたがThe Graph上でインデクサー、キューレーター、デリゲーターになることを歓迎します。技術的な議論をDiscordでおこなったり、Telegramに参加してGraphについて色々話をしたり、TwitterをフォローしてThe Graphのコミュニティに積極参加してください。The Graphの開発者やコミュニティのメンバーは、いつでもあなたとの対話を楽しみにしています。また、The Graphエコシステムでは、開発者同士がお互いにサポートし合うコミュニティが成長しています。
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