Audius、DODO、Livepeer、mStable、Opyn、PoolTogether、Reflexer、UMAがThe Graph Networkに登場
著:The Graph Foundation
4年の歳月をかけて開発されたThe Graphは、ついに完全に分散化されたインフラ上でのコンシューマーグレードのDappsの稼働が可能になり、クエリ料金もThe Graph Networkで有効化されました。
これはWeb開発全体にとっての歴史的な日となるでしょう。2020年12月に分散型ネットワークをローンチし、2021年4月にサブグラフの移行を開始した後、Audius、DODO、Livepeer、mStable、Opyn、PoolTogether、Reflexer、UMAがThe Graph Network上で稼働しており、インデクサーは本番環境のDappsからのクエリを処理することで手数料を得る事ができるようになっています。各プロジェクトは、ユーザーの摩擦を減らして利便性の高いWeb3エコシステムを構築するために、GRTのクエリコストの負担についてコミットしています。
これはWeb3にとって記念すべき出来事です。というのも、これらのWebアプリは、完全に分散化されたインフラ上で初めて実行されるからです。
現在、ほとんどのWebアプリは、一握りの大企業により管理されています。アプリは、Amazon Web Services(AWS)といった巨大企業が所有するサーバー上で動作しており、APIへのアクセスやデータへのアクセス、ユーザーの所有権を制限する集中型のインフラを持っています。Dappsは、単一の企業によるコントロールから解放された、全く新しいソフトウェアの実行方法であり、ユーザーはより自由に自分のデータやアイデンティティ、および資産を所有することができます。
グラフネットワークは、Dappsがチェーン上のデータに簡単にアクセスし、分散型の環境下でユーザーに最高のエクスぺリエンスを提供するためのインデックスプロトコルとして機能します。従来型のものとは異なり、データを所有・管理する中央のインフラプロバイダーは存在せず、クエリを提供するインデクサー、どのAPIを優先すべきかを通知するキューレーター、ネットワークのセキュリティをサポートするデリゲーターにより構成されています。The Graph Network上のデータは、誰もがアクセスできるオープンなものです。The Graphは、非中央集権的なアプリケーションを実現するという目標を達成することで、Web3スタックを進化させ続けています。
Web3スタックは、エコシステム全体の開発者や研究者により徐々に定義・構築されています。Web3の進化は、よりオープンで包括的なインターネットへの一歩です。The Graphは、Audius、DODO、Livepeer、mStable、Opyn、PoolTogether、Reflexer、UMAによる大規模採用への道のりに貢献できることを光栄に思います。
これらのチームは、非中央集権的な未来のために高品質のDappsを構築することに何年にもわたり尽力してきました。これによりユーザーは、Livepeerでビデオを見ているとき、DODOで資産を交換しているとき、Reflexerでステーブルコインを使用しているときに、それらが稼働しているインフラが分散化され、公開され、強靭な回復力を持つものであることを確信することができるようになります。
“Audiusは、アーティストが自分のコンテンツを配信して生計を立てることを、特定の個人や企業が仲介する事でその権利をコントロールすべきではないという理念に基づいて設立されました。The Graphの分散型ネットワークへの移行は、Audiusにとってその目標に向けた重要なステップであり、ユーザーエクスペリエンスに妥協することなく、ネットワーク内のデータを迅速かつ効率的に検索する機能を分散させることができます。私たちは、The Graphと共にこのような一歩を踏み出し、トラストレスな未来に向けて共に活動を続けていくことに興奮しています。”
- Audius共同創業者兼CEO Roneil Rumburg氏
“Livepeerでは、The Graphのインデックスデータが分散型ネットワークに移行することに興奮しています。これは、データの可用性やアップタイム、アクセスの増加を意味するからです。Livepeerのノードオペレータとトークンホルダーは、分散型のグローバルなビデオストリーミングインフラストラクチャを稼働させており、リアルタイムの価格情報やパフォーマンス分析を行うために、The Graphのインデックスデータに依存しています。このデータが、ダウンタイムにつながる単一障害点なしに利用できる未来は、ネットワークにとって非常に有益なものとなるでしょう。”
- Livepeer創業者兼CEO Doug Petkanics氏
The Graphは、完全に分散化されたインフラ上でコンシューマーグレードのDappsを動かすインデックスとクエリのレイヤーとして、Web3の開発を今後も進めていきます。非中央集権的なインデックスとクエリは、オープンデータとクエリのマーケットプレイスとして運営されているGRTワークトークンモデルによって実現されています。
The Graphのオープンデータとクエリのマーケットプレイス
The Graph Networkは、インデクサーやキューレーター、デリゲーターが協力して、分散型の方法で効率的にインデックスを作成し、データをdappsに提供するオープンデータとクエリのマーケットプレイスです。クエリが個別に価格設定され、アクセスに最適化されたオープンデータマーケットプレイスは、Web3スタックを可能にするだけでなく、開発者の作業を簡素化し、大規模なDappsのパフォーマンスを向上させます。
グラフネットワークの経済的な安全性と、クエリされるデータの完全性の確保のために、参加者はグラフトークン(GRT)を使って、インデックス作成やキュレーション、デリゲーションなどのサービスをネットワークに提供します。
クエリ料金はGRTで支払われ、The Graph Foundationが最近発表した、クエリごとのスケーラブルな支払いをサポートするマイクロトランザクションシステムである「Scalar」で処理されます。Scalarは、Edge & NodeとConnextのエンジニアリングチームが、2年の研究開発期間をかけて開発したものです。Scalarは、ピアツーピアのマイクロトランザクションシステムをWeb3のファブリック内で直接機能させることができます。
“グラフネットワークは、分散型ネットワークがコスト、パフォーマンス、信頼性などあらゆる面で中央集権型サービスより優れていることを明確に示しており、10年後ではなく今日の人類全てのソフトウェアと情報の安定基盤としての役割を果たす準備ができています。本番環境のDappsからネットワークにクエリ料金が流れ始めた今、インデクサーやキューレーター、デリゲーターによる分散型ネットワークが、経済的なインセンティブを使って自己集合し、規模を拡大し、需要を満たすことができることが理解できると思います。”
- Edge & Node CEO兼 The Graph共同設立者 Yaniv Tal氏
The Graphのホスティングサービスにおけるクエリボリュームは、2021年4月に200億を超え、1年足らずで20倍の成長を見せています。このクエリボリュームは、The Graph Networkのオープンデータとクエリマーケットプレイスにおけるピアツーピアの価値創造と交換の可能性を予感させるものです。The Graphは、包括的で分散型の経済を信じ、全ての人が仲介者なしに価値を生み出し、交換する能力を持つインターネットの構築を目指しています。
Web3の開発と移行活動への貢献参加
分散型インターネットの構築に向けた各dappの絶え間ない努力に感謝致します。これらのdappsがThe Graph Networkに登場したことは、Web3を採用する上での重要なステップであり、ネットワーク上で繁栄しているクエリマーケットプレイスは、Web3で可能なビジネスイノベーションの一例に過ぎません。
The Graphのビジョンは、世界の公共情報を分散型の方法でキュレーションし、グローバルなグラフを作成することです。これに向けてグラフネットワークへの追加は継続的に行われ、その進捗状況はコミュニティに報告されます。次の移行パートナーへの参加を希望される方はこちらからご登録ください。