DeBio NetworkとKILT Protocolが提携を発表
Genetics Labsが使用するアノニマス・ファーストプラットフォームに認証情報を組み込む
DeBio NetworkとKILT Protocolは本日、KILTクレデンシャルをDeBioの医療およびバイオ・インフォーマティクス・データの匿名プラットフォームへの組み込みに向けた提携を発表しました。KILTは認証基盤としての役割を果たし、研究機関や生物医学施設が医療検査結果、ゲノム配列、研究機関間の共同作業にクレデンシャルを組み込む事を可能にします。
DeBio Networkは、バイオメディカルデータのパイプラインを通じてユーザーの匿名性と主権を保証しながら、医療機関とバイオインフォーマティクス機関との間に相乗効果をもたらす分散型プラットフォームを構築しています。このプラットフォームは、ブロックチェーン技術を利用しており、ユーザーとデータのプライバシーを最大化するために、プライバシーコンピューティングRnDにも焦点を当てています。
“Debioは、遺伝子データの悪用、プライバシーとセキュリティの侵害、同意なしに遺伝子データを販売する行為を防ぐ設計がされています。この使命を果たすために、Substrate社のブロックチェーンフレームワーク、KILTのアイデンティティプロトコル、IPFSの分散型ストレージといった変革をもたらす技術を積極的に導入しています”
とDeBio Networkの創設者Pandu Sastrowardoyo氏は述べています。
イーサリアムでプロトタイプを構築した後、DeBioはSabstrateに移行し、スケーラブルで相互運用可能なプロトコルであるPolkadotとのシームレスな統合に向けた取り組みを続けています。DeBioは、今年後半にPolkadotのパラチェーンをローンチすることを目指しており、KILTを含む複数のPolkadotエコシステムプロジェクトと提携していく予定です。
KILTは、アイデンティティに関わる革新的で業界にとらわれないビジネスモデルを可能にするブロックチェーンプロトコルです。KILTは、プライバシーとデータセキュリティを保証し、取り消し可能で検証可能なクレデンシャル情報を発行するメカニズムをDrBioに提供する予定です。
具体的には:
- KILTは分析を行う研究室へのクレデンシャル情報の発行に使用されます
- DeBioは、KILTをベースにゲノム解析の認証情報(IPFSに保存されたレポートへのリンク)を発行します
- KILTは研究機関のクレデンシャル証明をDeBio Networkに提供します
- DeBioは、ゲノム所有者の身元を、所有者と研究機関の間の支払いの流れを含めたプロセスをKILTをベースに行います。目標は、ゲノム所有者の匿名性を確保しながら、彼らが自分のデータを完全にコントロールできるようにすることです
- Delegation Treeにより、大規模な研究機関は小規模な研究機関や大学の研究機関に信頼を取り付ける事が可能になり、Token Curated Attestor(TCA)モデルを通じて新たなビジネスチャンスを獲得できます
“匿名性を優先したプラットフォームを構築することで、DeBio Networkは消費者と医療の関係性に変革をもたらします。KILTを介して検証可能なクレデンシャル情報を組み込むことで、このような個人データに必要な匿名性をユーザーに提供し、ユーザーが自分自身の健康情報をコントロールできるようにする信頼層を追加していきます”
とKILT Protocolの創設者兼BOTLabs GmbH CEOであるIngoは述べています
ゲノムシークエンスのファイルは1ギガバイトを超えるものもあるため、ストレージ要件もデビオのプラットフォームにとって重要な要素です。DeBioは、ストレージとパフォーマンスのニーズを満たすために、分散ファイルシステムでデータを保存・共有するためのプロトコルであるIPFS(InterPlanetary File System)を利用しています。2021年2月に開催された主要なブロックチェーン会議 ETHDenverで、DeBio / Degenicsは、Winner, Best IPFS Use for Identityに選ばれ、また、完全匿名のDNA検査市場分野で国連のSDG(Sustainable Development Goals)にも選ばれました。