コミュニティ主導のバッカー報酬システムがGoldfinchプロトコルで開始
Goldfinchのバッカーは、USDCプールへの貢献に対してステーキング報酬を受け取ることができるようになりました。
バッカー報酬は、コミュニティ主導の提案を実装するためのアップグレードを経て、現在Goldfinchプロトコルで稼働しています。
1月に出された、このGoldfinchコミュニティのガバナンス提案は、プロトコルのリスクとリターンのトレードオフを維持するため、そしてシステムの脆弱性を低減する手段として、バッカーのインセンティブがシニアプール参加者のインセンティブよりも常に高いものにする必要性から生じた取り組みです。
インセンティブの整合性の維持
元々設計上、Goldfinchのバッカーはシニアプール参加者よりも高い報酬率を得ることができます。バッカーは、借り手を評価し、プロトコルのバッカープール(Goldfinch上の借り手がUSDCを借りて返済するスマートコントラクト)にファーストロス(第一損失)資本を供給します。
他の流動性供給者は、プロトコルにシニアプールの資本として供給します。このシニアプールの資本は、「コンセンサスによる信頼」メカニズムに従って、全てのバッカープールに自動的に分配されます。これは、借り手とプール条件に関する分析に基づいて、プールに貢献しているバッカーの数により決定されます。シニアプールの資本は、セカンドロス(第二損失)の立場にあるため、バッカープールへの資本供給はより高いリスクを負うことになり、バッカーのインセンティブとプールを適切に審査するプロトコルの必要性を一致させることができる仕組みです。
新たに実装されたコミュニティの提案は、万が一、特異な条件によってシニアプールのAPYがバッカープールのAPYを上回るケースがあっても、このプロトコルの力学を維持するのに役立つものとなります。これにより、バッカーは、Goldfinchのバッカープールを評価し、プールの(第一)リスクを引き受ける代わりに、シニアプールと比較して常に高い報酬を受け取ることができるのです。
2種類のバッカー報酬
ガバナンス提案によって実現されるバッカーのインセンティブには2つの源泉があります。提案に記されているように「バッカーはLP報酬に加えてプラスアルファを獲得する」のです。
バッカー報酬は、利払いに加えてGFIトークンとしてバッカーに分配されます。借り手が返済した利息1ドルにつき、一定額のGFIを獲得する形です。プロトコルの早期参加を促すために、この額はGoldfinchプロトコル全体に返済された利払いの合計額に応じて減少します。
これは、プールを評価するバッカーが、プールへの利払いが期限内に正常に行われる可能性を十分に考慮し、加えて、バッカーが借り手の義務に責任を持つインセンティブを与えるためのものです。
返済された1ドルに対して、バッカーがどのくらいのGFIを獲得するかは、固定されていません。プロトコルに早期に利払いがなされた場合、後に支払われた場合よりもプロトコルの成長に大きな影響を与えます。このため、バッカー報酬システムでは、プロトコルのライフサイクルの早い段階で行われた利払いは、遅い段階で行われたものより高い報酬を得ることになります。この仕組みの詳細は、コミュニティのガバナンス提案をご覧ください。
プロトコルは、借り手によって利払いが行われた場合に、利払いの合計2%をバッカー報酬として分配します。
バッカーステーキング報酬は、バッカープールにファーストロスキャピタル(第一損失資本)を提供するという追加リスクを引き受ける役割と引き換えに、バッカーにGFIの形で追加のインセンティブを付与するものです。具体的には、バッカーとして参加した場合の基本報酬に加えて、プロトコルのシニアプールにステークした場合と同等のGFI報酬をバッカーに提供することで実現されます。これは借り手が返済を怠った場合に、バッカーが負う損失リスクの増加に対して公平に補償するための仕組みです。
バッカーは、借り手からプールへの返済が完了した場合に、前回の請求時点から獲得したバッカーステーキング報酬の全額を請求できるようになります。部分的な返済を行った場合、バッカーは報酬を受け取ることができません。ただし、借り手が最終的に未払い分を返済した場合、バッカーはペナルティを受けず、遅延や未払いがなかった場合と同じ報酬を受け取ることができます。
参加機会の増加
既存のバッカーの皆さまは、新たな報酬制度をすぐに享受することができます。この提案の設計の利点は、報酬がシニアプールのGFIステーキングメカニズムとバッカープールの利払いによる派生物であるため、新たなインセンティブとしてトレジャリーから追加のトークンを予算化する必要がないことです。
Goldfinchプロトコルでは最近、米国の認定投資家と非米国事業体(法人)がLPとしてシニアプールに参加することを可能にし、さらなる流動性を提供できる形に拡大しました。
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