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DeFiの王Andre Cronjeによる最新プロジェクトSolidlyの物語


DeFiの王Andre Cronjeによる最新プロジェクトSolidlyの物語

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DeFi領域で最も著名な開発者であるAndre Cronjeが、Solidly on Fantomというプロジェクトのローンチを発表したとき、そのエアドロップをめぐって「Vamp戦争」が勃発しました。

わずか2ヶ月で、Fantomは、全ブロックチェーンの中のTVL額で3位に急浮上したのです。その後、Solidlyがローンチして間もなく、アンドレDeFiを去ることを発表し、TVLは急落しました。

Solidlyのこの顛末はなんなのか、「ve(3,3)」とはどういう意味なのか?
その理由を説明していきます。


Andre Cronjeとは何者なのか

Andre Cronje南アフリカブロックチェーン開発者であり、DeFiで最も著名な人物の一人です。彼の最大のプロジェクトはyearn.finance(2022年2月中旬時点で$3B TVL)です。ユーザーは流動性をVaults(プール)に預け、その資金が異なるプロトコル間で再配分され、利益を最大化させる仕組みを持ちます。

Andre Cronjeのもう一つのプロジェクトはKeep3rV1 Networkで、オフチェーンデータ処理、取引開始、利回りの収穫、清算トリガーなど、様々なタスクを行うキーパー(第三者のユーザーまたはチーム)を必要とするプロジェクトのためのプラットフォームです。

Andre CronjeのTwitterの紹介文には、「I test in prod」と書かれていたのは有名な話です。これは、彼が「バグを発見し修正するためにテストネットを使用しない」ことを意味します。その代わりに、彼は自分のプロジェクトをメインネット上で直接立ち上げ(プロダクションモード、つまりprod)問題が発生したときに修正していきます。これはリスキーであり、Cronje氏の開発者としての自信の表れでもあります。

Andre Cronje. Credit: FXLeaders

彼のの経歴は非常に興味深いものです。最初、法律の学位を取り、弁護士として働いていましたがた、ルームメイトがコンピューターサイエンスを勉強しており、その影響で彼自身もコーディングに興味を持ち、勉強を始めました。3年間のプログラミングコースをわずか5カ月で修了し、大学から講師として残ってほしいと言われたほどの才能を、その頃から発揮していたようです。

その後、2016年にブロックチェーン業界に参入し、4年をかけてearn.financeをローンチしました。それ以来、彼は多くのファンを獲得し、彼が作った新プロジェクトは毎回多くの注目を集めるようになりました。

Fantomについて

Fantomは、Ethereum、BSC、Solana、Avalancheなどと同様に、スマートコントラクトプラットフォームとして機能します。Ethereumと同じスマートコントラクト言語(Solidity)を使用し、Ethereum Virtual Machine(EVM)をサポートしています。しかし、イーサリアムとは違い、より高速で、低ガスコストであり、トランザクションはたった1回の確認で確定することができます。

ちなみに、EVMをサポートしているのは、新しいスマートコントラクトプラットフォームを開発する際に非常に重要で、EthereumベースのdAppを他のネットワークに移行することができるからです。Avalanche、Polygon、BSC、Harmonyも全てEVMをサポートしています。

私たちのPontem Networkでは、Polkadot/Kusamaと、Metaにより構築されたDiemで同様のことを行っています。私たちは、Diemチェーン・テクノロジーのためのインセンティブ付きのテストネット(実験プラットフォーム)を提供しており、DiemのMoveVMのサポートをSubstrate上で最初に導入しました。Pontemのトークホワイトリスト登録やその他の詳細を入手するには、こちらから各リンクをフォローして入手してください。

Fantomに話を戻すと、このプラットフォームで最も興味深いのは、このプラットフォーム上に構築された全てのdAppが独自のブロックチェーン上で動作することです。個々のチェーンは、独立したガバナンスとルール(PolkadotやCosmosのように)を持っていますが、同じコンセンサスエンジンであるLachesisを共有しています。詳しくは、Fantomエコシステムについて記した過去の記事をご覧ください。

Fantomエコシステムは100以上のdAppsを擁しています

Fantomは、韓国のコンピュータ科学者兼IT企業家であるDr. Ahn Byung Ikによって創作されました。現在、ソウルを拠点とするFantom Foundationによって運営されており、CEOはMichael Kongが務めています。

Andre CronjeとDaniele Sestagalliによるパートナーシップ

2018年9月、Andre CronjeはテクニカルアドバイザーとしてFantomに参加した(現在、ウェブサイトには単に「DeFi Architect」として掲載)

しかし、Andre CronjeがFantomでプロジェクトを構築していることを初めて示唆したのは、2020年9月のことでした。彼は「別のチェーンでUniswap Protocolを立ち上げている」とツイートし、不思議なロゴを投稿しました。UniswapのユニコーンがSushiSwapのシェフハットを頭に乗せ、その目にFantomの小さなロゴを入れたものだ。

1月1日、Andre Cronjeは「Fantomの新しい実験」を準備中であるとツイートしました。そして1月5日、大きなニュースが飛び込んできました。

Andre Cronjeは、Abracadabra.Money($MIM)やWonderland($TIME)の開発者であるDaniele Sestagalliと共同でこのプロトコルを開発しているという話です。Daniele Sestagalli自身もTwitterでこのコラボレーションについて書いています。Andre Cronjeはしばらくの間、2人が写ったプロフィール写真を載せていたこともあります。

1月15日、GitHubの新しいページを通じて、新プロトコルの名称が明らかにされました。これが「Solidly」です。また、Andre Cronjeは、そのトークンがFantom上の主要なDeFiプロトコルにエアドロップで配布されることを発表し、エアドロップのためのスナップショットは1月23日に撮影されました。

このエアドロップと、それが引き金となったいわゆる「Vamp戦争」については、また改めて紹介するとして、ここではSolidlyの仕組みを見ていきましょう。少し専門的になりますが、ご容赦ください。

Curve FinanceとVote-Escrowed (VE)トーク

Solidlyは、もう一つの主要なDeFiプロトコルであるCurve(CRV、2022年2月現在$11B TVL)から多くのことを学んでいます。それは、ユーザーがveCRV(ve=投票エスクロー)と引き換えにCRVトークンをロックできるAMMです。ロックする期間が長ければ長いほど、より多くのveCRVを得ることができます。このveトークンは譲渡できませんが、保有者にはさまざまなメリットがあります:

  • AMMから発生するトランザクション手数料の分配(手数料の50%がveCRV保有者に分配)
  • CRV流動性プロバイダーへの報酬が最大150%アップ
  • CRVの報酬に関する投票が可能

投票エスクローシステムは、ほとんどのガバナンストークンに内在する価値の欠如という、DeFiにおける重要な問題を解決します。Compound ($COMP) や Uniswap ($UNI) などのプロトコルは、保有者が DAO の提案に投票できるトークンを配布していましたが、それ以外にはあまり価値を有していませんでした。その結果、多くの人が単に報酬をそのまま売り払うということにつながっていた状況があります。

しかし、このCurveのモデルは完璧ではありません。 その理由を知るために続きを読んでみてください。

Solidlyが解決しようとする2つの問題

Daniele Sesta氏は、Curveが採用している投票によるエスクローモデルには、アクティビティではなくTVLのみをインセンティブにするという問題があると指摘しています。

トレーディングプールに多くの流動性を預けるユーザーは、多くのCRVを獲得し、ベスティングにより多くのveCRVを獲得し、取引手数料のより多くのシェアを獲得するなど、プールでの取引活動のレベルは問題ではありません。

また、流動性供給者は、プールの取引量が本当に少なくても、100%を超えるイールドファーミング報酬を得ることができます。手数料という点でAMMにほとんど価値をもたらさないトークンが、大きな実用性と高い取引量を持つトークンよりも高い報酬を得ることが可能になってしまうのです。

もう一つの問題は、希薄化です。トークンを長期間にわたって権利確定させ、常に新しいトークンが発行される場合、保有トークンは徐々に希薄化されていきます。つまりトークンの総供給量に対するホルダーの所有割合はどんどん小さくなっていきます。

Solidlyは、TVLではなく、手数料の発生、ガバナンスへの参加、トークンの長期保有を奨励するという、異なるアプローチをとっています。

また、新たに発行されたSOLIDの一部をロッカー(トークンを確定した人)に再分配することで、希薄化を防止しています。

SOLIDの仕組み

SOLIDとveSOLID
SOLIDはSolidlyのネイティブトークンです。ユーザーはSOLIDをロックしてveSOLID(投票によって消失したSOLID)を受け取ることができますが、その比率は他のプロトコルのように1:1ではなく、ロックアップ期間によって変わります:

  • 6ヶ月:1SOLIDに対して0.125veSOLID
  • 2年:1SOLIDに対して0.5veSOLID
  • 4年:1SOLIDに対して0.1veSOLID

その他の期間も用意される予定ですが、現時点では発表されていません。

veSOLIDの保有者は、以下のような特典を得ることができます:

  • 自分が投票したプールから発生する料金の全額
  • 新たなSOLID排出量の大部分
  • どのAMMプールにインセンティブを与えるかについて投票する権利

SolidlyはDAOではありません。veSOLIDの保有者は、特定の事柄について投票しますが、プロジェクトを運営することはありません。Cronjeは、敵対的なDAOに買収されるリスク、例えば、最近Build Financeに起こった事例を考慮して、慎重な行動を取っていました。

SOLID排出量の調整

毎週、最大20,000,000SOLIDが配布されます:

  • ロックされたSOLIDの割合によって、実際の排出量が変化します
  • 計算式: (週間SOLID排出量)=20,000,000*((総SOLID供給量)-(ロックされたSOLID供給量)/(総SOLID供給量))

例:
SOLIDの総供給量が300,000,000である場合、どのトークンもロックされなかったら、プロトコルは20,000,000のSOLIDを発行します: 20,000,000*(300,000,000–0)/300,000,000. 供給量は320,000,000になり、6.25%増加します。

150,000,000(50%)SOLIDがロックされた場合、その週のSOLIDの排出量は、20,000,000*(300,000,000-500,000,000)/300,000,000=10,000,000になります。総供給量は310,000,000になり、3,125%増加します。

300,000,000トークンがすべて確定すると、その週は20,000,000*(300,000–300,000)/300,000,000=0 SOLIDの排出量になるので供給量は変わりません。

SOLID排出は2月24日に始まり、veSOLIDホルダーは最初の報酬を請求できるようになります。

週に2,000万というのは大きな数字ですが、SOLIDをロックする人が多ければ多いほど、毎回の排出量は減ります。また、Cronjeは、「キャップ」に近づくにつれて、排出量が減ることにも言及しています。彼は、SOLIDの最大数がいくらになるのか、排出量がどの程度の速度で減衰するのかについては言及しませんでしたが、Solidex(Solidlyのイールド最適化ツール)による記事では、167週目までは減衰速度が1週間に2%になると記されています。

ロッカーへのSOLIDの配布

これは、トークンをロックしているSOLIDホルダーは希薄化に悩まされないはずだという考え方です。SOLIDの総供給量が増えれば、保有量も同じ割合で増えるからです。

例に戻ると、供給量が30,000,000で、そのうち15,000,000がロックされているとすると、毎週1,000,000SOLIDが排出された場合には供給量が3,125%増加し、ロッカーは15,000,000*0.03125=468,750SOLID、つまり排出量のほぼ半分を獲得することができます。個人で1,000veSOLIDを保有している場合は、62.5SOLIDを受け取ることができる計算です。

Solidly AMM

Solidlyの主な要素はAMM(Automated Market Maker)、つまりUniswapやSushiSwapのような分散型取引所としての機能にあります。流動性供給者はトークンをプールに預け、一般ユーザーはトークンからトークンに交換することができます。

そして、ユニークな特徴もあります:プールから得られる手数料は、そのプールに投票したveSOLIDロッカーに支払われます。Curve FinanceとSolidlyでは、ゲージは流動性プロバイダーがLPトークンをステークすることができるプールのようなものです。ゲージ内のLPトークンの量は、プールの使用量を測定します。

プールへのゲージの設置は必須ではありませんが、Solidlyのユーザーであればどのプールにもゲージを設置することができます。ただし、ゲージを追加するには、循環供給量の0.5%のコストがかかります。

  • AMM は、新しい価格曲線式(x*y=k ではなく x3y+y3x=k) により、スリッページがほとんど生じないスワップをサポートします
  • 流動性供給者はSOLIDで報酬を得ますが、取引手数料は一切受け取ることはありません。しかし、プールがゲージを持たない場合、そのプールが生み出すすべての手数料は、その流動性プロバイダーに支払われます
  • veSOLIDの保有者は、プールのSOLIDインセンティブを減らすために投票することができます
  • 手数料は、プールの基本資産で支払われます
  • プロジェクトは、新しいプール、流動性供給者へのインセンティブ、ロッカーへの賄賂を追加できる(賄賂については下記参照)。

ローンチ直後、AMMはWFTM(wrap FTM)、MIM、TOMB、BEETS、SCREAM、TAROT、USDC、DAIなどのトークンを含む65のプールに拡大しました。

AMMの詳細は、Andre CronjeのSolidly GitHubページに掲載されています。

ロックされたSOLIDトークンは、veNFTと呼ばれる特別なNFTにラップすることができます。これは2つの理由で非常に重要です:

  1. NFTにより、保有者は既得のSOLIDを使用できないにもかかわらず、流動性を維持することが可能になります。veNFTは流通市場で売却できるほか、担保として将来のレンディングプロトコルに預けることもできます。これにより、保有者は損をすることなくロックポジションを終了することができるため、ロックがより魅力的なものとなります
  2. ロックされたトークンのバッチは、別々のveNFTにすることができます。一人のユーザー(アドレス)が複数のNFT化されたロックを所有できるということです。つまり、トークンポジションの一部を売りたい場合に、それが可能になります。同時に、ユーザーが保有するすべてのveNFTの残高を合算して報酬を計算します。

SOLIDロッカーが、毎週のトークン排出量のかなりの部分を獲得することを、前述してきましたが、残りのトークンはAMMの流動性プールに送られ、どのプールを選ぶかはveSOLIDホルダーが決めることになります。

その仕組みは次のようなものになります:

  • veSOLIDホルダーは、自分が投票したプールから発生する手数料を受け取る
  • つまり、より多くの手数料を生み出すプール、取引量が多く、プロトコルに付加価値を与えるプールに投票することが利益となります
  • veSOLID保有者に投票を促すために、プール作成者はいわゆる「賄賂(bribes)」を使うことができます。これはCurve Financeが導入した概念です。DeFiの賄賂は不吉なものではなく、プールに付けられた単なる報酬を意味します。賄賂は、そのプールに流動性をロックした人全員に分配されるものです。

賄賂の導入により、プロジェクトは最高のインセンティブを提供しようと奮闘し、いわゆる「Curve wars」が勃発しました。現状の勝者はConvex Financeで、流動性プロバイダーにエアドロップ(CVXトークンの1%)という形で賄賂を提供した最初のプロジェクトとなります。ConvexはCurveのイールドオプティマイザーであり、すべてのプールに最大のブーストを提供します。Solidlyでも同じような賄賂合戦が見られるかもしれませんので、要注目です。

エアドロップとプロトコル間のアプローチ

Andre Cronjeは、他のAMMとユーザーや流動性を奪い合うことはしたくないとツイートしました。その代わり、DeFiプロジェクトがSolidlyを統合し、SOLIDのメインロッカーとして機能することを期待しているということを伝えています。

Cronjeのプロジェクトに関する最初の記事には、「プロトコルのための構築」というセクションがあり「プロトコル=新しいAMMユーザー」と書かれている。基本的に、Solidlyは他のプロトコルに対応するべきであって、個々のDeFi ユーザーに対応するではないという考えです。

次に着手したのは、トークン配布です。Cronjeによれば、創設チームとしてはIDOや資金調達は行いたくなかったということです。その代わりに、大規模なエアドロップを実施することにしました。

1月11日、Cronjeは、FantomのTVLによるDeFiプロトコルのトップ20に、veNFTという形でロックされたSOLIDを提供するとツイートしました。つまり、エアドロップは、ロックされたSOLIDの量は違えど、たった20プロジェクトへのveNFTで構成されることになったのです。このリストは、1月23日にDefillamaのアグリゲーターサイトで取得されるFantomネットワークのスナップショットによって決定すると発表されました。

Link

選ばれた20のプロジェクトは、Solidlyの25%の株式を所有し、それに付随するあらゆる特典を得ることができるので、そこに加わる価値があることは明らかです。

DeFiプロジェクトは、2週間以内にトップ20に入るか、その座を確定させる必要がありました。TVLへの挑戦が始まったのです。

Vamp戦争

たった2週間でTVLを上げるにはどうしたらいいか?

それは、他のプロジェクトより高いAPYを提供することで、ユーザーを引き寄せることです。Solidlyのエアドロップ競争が激化する中、1,000%を超える利回りを提供する新しいプロトコルがいくつも現れました。最も注目されたのは、veDAO0xDAOです。

吸血鬼が血を吸うように、他のプロトコルからユーザーを吸い取る戦術から「Vamp wars」(吸血鬼戦争)と呼ばれるようになりました。各プロトコルは、いわゆる不動ユーザーによる資本をターゲットにしていました。DeFiのユーザーは、常に最も高いAPRを求め、各DeFiを傭兵の如く彷徨っているのです。

1月18日にローンチしたVeDAOは、わずか24時間でTVLで10億ドルに達し、Fantomの2位にランクされました。このMIM-WeVEプールではほぼ3,000%の支払いを提供していました。一方、0xDAOは1月23日の時点でAPR5,000%を超えていました。

一部のプロジェクトは、エアドロップを得るためにTVLを偽造しているのではないかという疑惑さえありました。例えば、あるRedditユーザーは、Multichainが、PONDトークンで5億ドル、HNDで4億ドル相当のTVLを誇っているが、実際のマーケットキャップはそれぞれその10倍、15倍と小さいことに気がつきました。

Credit: u/Pacobrigado, Reddit

またこれと同じユーザーが指摘したのは、プロジェクトがTVLに比例してveNFTを取得することになると、MultichainがSolidlyを支配するようになるのではないかという懸念です。これが事実であるかどうかは、見守る必要があります。

Multichain、0xDAO、veDAOはすべてエアドロップの受領者リストにリストされ、0xDAOは2位にランクインしました。ちなみに、最終的に選ばれたのは25プロジェクトで、予想の20プロジェクトではありませんでした。

流動性に対する緊急の必要性がなくなったため、veDAOはより有利なプール1を止め、プール2の報酬を75%削減しました。また、参加者はより良いAPRを他で探すようになったため、TVLでトップ50から外れてしまいました。0XDAOのTVLは43億ドルからわずか1450万ドルへと99.7%減少しました。

Credit: Defillama

Solidlyの影響でFantomが急騰

2020年12月15日、FantomのDeFi TVLは37億ドル程度でした。2022年1月末には122億ドルに急増し、FantomはDeFiにロックされた価値で全ブロックチェーンの中で3位となりました。1位と2位は、イーサリアムとテラが占めています。

Credit: Defillama

この上昇に、Solidlyが一役買ったことは間違いありません。Delphi Digitalによると、プロジェクトが発表された1月1日から、イーサリアムとBSCからFantomのエコシステムに大量の流動性が流れ込み始めたということです。1月11日だけで、2億5000万ドルのデポジットがありました。

Credit: Delphi Digital & Tokenist.com

1月17日から24日の間だけで、FantomのTVLは53%増加している中で、他のほとんどのチェーンは市場の調整の中で停滞していました。1日の取引数で、一時的にイーサリアムを抜いたほどの勢いがありました。一方、FTMの価格自体は2021年12月から2022年1月中旬にかけて100%高騰した。

まさかの発言:Andre CronjeがDeFiを退く

Solidlyのローンチから数日後の2月28日、Andre CronjeはTwitterのアカウントを削除し、Linkedinのプロフィールを編集し、FantomとYearn.financeでの在職期間を過去の雇用欄へ移動させました。

当然、コミュニティは心配し始めます。

3月6日、Cronjeの親しい協力者であるAnton Nellが、「2人ともDeFiを離れ、Solidlyを含むすべてのプロジェクトを終了することに決めた」とツイートしたことが、本当の打撃となりました。

この衝撃的な発表の後、コミュニティは大混乱に陥りました。

FTM、YFI、K3PRの価格は暴落し、SOLIDは数時間で50%ほど下落。SolidlyのTVLは23億ドルから7億ドルになってしまいました。

Credit: DeFiLlama

しかし、ほどなくしてゆっくりとした回復が始まります。Fantom FoundationのCEO Michael Kongは、dAppsを「終了させる」というメッセージをコミュニティが誤解していると述べました。Solidlyや他のプロジェクトはオープンソースであり、既存のチームが引き継ぐことができます。

Andre Cronjeが去って、プロジェクトが死ぬわけではありません。

Solidlyの次は?

Solidly AMMのサイトはまだ動いていますが、現在、4月3日にサービスを停止する旨の警告が表示されます。Solidex(Solidlyのイールドオプティマイザー)も稼働しており、WFTM/TOMBやUSDC/OXDなどのプールのLPトークンをロックすることが可能です。

Cronjeが去った直後、Solidexの匿名チームが「今後は自分たちが面倒を見る」とほのめかしています。

実際、CronjeがSolidlyの最初の記述を発表(当時はve(3,3)と呼ばれていた)を公開する前からドメインhttps://solidexfinance.com/が登録されていたため、AndreがSolidexの背後にいると示唆する人もいます。

Andre Cronjeは、まだDeFiの世界の糸を引いているのでしょうか。

もしかしたら、彼はただ周囲の喧騒に疲れていて、構築に集中したいだけなのかもしれません。それは時間が解決してくれるでしょう。今のところ、不確実性は高く、ユーザーはSolidlyやSolidexに資金投入には、大きなリスクが存在することを考慮する必要があります。

ve(3,3)は何を意味するのか?

最後に、ve(3,3)という不思議な言葉について見てみましょう。これは、正式名称がSolidlyと発表される前に、Andre Cronjeがこのプロジェクトをそう呼んでいたものです。

(3,3)という記号は、ゲーム理論に由来しています。DeFiのユーザーとプロトコルの2人のプレーヤーと3つの戦略からなるゲーム理論マトリックスを表すものです。このアイデアOlympusDAOによって導入され、ユーザーの戦略は、ステーク、ボンド、売りです(Olympus DAOについては過去の記事で詳しく説明しています)

このマトリックスでは、各プレイヤーにとって最高の結果は3ポイントでり、ユーザーはステークやボンドで3点の「満足」を得ますが、他の人がステークして価格が上がれば、売りも悪くありません(1点)。しかし、プロトコルにとっては、ユーザーがステーク(3点)、ボンド(1点)はまあまあですが、売り(-1点)は悪影響です。

全員にとって最良の組み合わせは、全員がステークすることであり、ユーザーとプロトコルの両方が3ポイントを獲得し、この行動が最適(3,3)となります。

Solidlyでは、ボンディングはありませんが、SOLIDをステーキングすることは、トーク保有者とプロトコルの両方にとって望ましい戦略であることが改めて示されています。これは、インセンティブが手数料と連動していることにより、ポジティブなフィードバックループが形成されるためです。スリッページが少なければ、ユーザはこのDEXを利用し、手数料と報酬が増加し、さらにトークンをロックするよう促される、というように。つまり、ve(3,3)はフライホイールの如くすべての人に利益をもたらすのです。

3月上旬までに、FantomのTVLは66億ドルとなり、5位に後退しています。このチェーンは今年も栄光の瞬間を迎えるのでしょうか?Solidex/Solidlyは灰の中から立ち上がるのでしょうか?

ブロックチェーンでは、すべてが可能であり、Fantomエコシステムは間違いなく大きな可能性を秘めています。私たちは、最も興味深い展開について常に更新していきます。Pontem Networkをフォローし、今後のトークンセールや新たな戦略に関するアナウンスをお見逃しなく!


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