Graphの持つ可能性
グラフネットワークについて聞いたことがない人でも、それが何をしようとているのか、それがブロックチェーンエコシステムにどのような利益をもたらすのかを理解するのは難しいことではありません。暗号通貨という枠そのものを超えて、ブロックチェーンには取引やスマートコントラクトのイベントからもたらされるデータが豊富にあります。それらが保有している恒久的な台帳は、それまでの稼働の歴史の中で確認された全てのトランザクションの記録が記され、増加し続けています。問題は、これらの台帳が複雑で大規模になってしまう可能性があることで、履歴データの保存やクエリの迅速な実行が困難になることです。
グラフネットワークは、サブグラフと呼ばれるブロックチェーンデータのインデックスを作成する分散型プロトコルであり、この問題を解決するものです。これにより、開発者はGraphQL APIを使用してデータを迅速にクエリすることができます。もしあなたがdAppを構築しているとしたら、ブロックチェーンデータへのアクセスが必要な理由はたくさんありますし、ご存知だと思いますが、この記事ではそのいくつかを紹介します。
DeFi
UniswapやCompoundなどのdAppは、世界中のユーザーに24時間365日ダイナミックな価格や金利情報を提供する必要があります。Chainlink Price Feedsによるリアルタイムデータは、インデックス化されることで多くの方法で利用することができます。
例えば、The GraphのChainlink oraclesとの統合は、Uniswapで行われた潜在的なトレードのスリッページの計算と比較に役立ちます。オフチェーンの価格データをチャート化し、他のオンチェーンのメトリクスと比較できるサブグラフがあれば非常に有用であると思います。グラフは、特定のトークンのラージウォレットのアクティビティをインデックス化し、ユーザーにリアルタイムの取引指標のツールを提供することができます。これは、インデックス化されたあらゆるブロックチェーンの分散型Glassnodeになる可能性があります。
オラクルが提供する多くの種類のオフチェーンデータと比較すると、価格のフィードは非常にわかりやすい領域だと思います。ブロックチェーン技術を使った地図作成プロジェクトであるFoam.Spaceのようなプロジェクトにおいて、実世界の位置情報を統合するためにThe Graphのインデキシングをどのように使うことができるかを考えるのは非常に楽しいです。これまではgoogleマップのように中央集権型のGPSシステムに依存していましたが、この部分に根本的にメスを入れるこのユースケースは非常に興味をそそられます。The Graph with Foam MapやFoam Locationを使用することで、開発者は安全な位置情報を使って素晴らしいことをすることができます。
どのようなデータやアプリケーションがWeb 3.0に移行しているのでしょうか?
Web 3.0の将来を予測するためには、Web 3.0への移行を促進しているカテゴリのデータやアプリケーションを認識することが重要です。
このトピックの参考材料として、エベレストとして知られている分散型のWeb 3.0プロジェクトのレジストリを参照します。このプロセスでプロジェクトの分類を分析することで、構築されている分散型アプリケーション(DApps)の中での、明確な傾向がが浮かび上がってきます。
他のサブグラフにインデックスを付ける場合は?
最初は直感的にできるほどには簡単ではないかもしれませんが、The Graph Oracleを使ってスマートコントラクトを通して他のサブグラフのインデックスを作成し、それをオラクルとして使用することができます。この統合により、どんなスマート・コントラクトでも“theGraphOracle.sol solidityコントラクト”を介してグラフネットワークのサブグラフの全セットと対話することが可能になります。通常オフチェーンエージェントがクエリを実行し、HTMLページに情報を表示しますが、この場合グラフのデータはスマートコントラクトにリレーショナルデータを提供するコンポーザブルプリミティブになります。これは遡及報酬のトリガーとしても有用であり、クローズドループのデータ分析や自動化にも適しています。
この記事を書いている間に、ますます多くの可能性が頭に浮かんできましたが、これはグラフの信じられないほどの有用性を示しています。インデックスツールとしてだけでなく、スマートコントラクトのオラクルとしても使えます。ブロックチェーンデータをサブグラフで活用する方法はたくさんあります。グラフネットワークキュレーターとして、これまで考えられなかったサブグラフの新しいアイデアを研究することに興奮しています。特に、1つのサブグラフが1つのグラフに複数のプロトコルをインデックスすることができる分野では非常に面白くなるはずです。
以上、宇宙司令官Theo Beamsによる調査報告でした。
さらに多くの方々のコミュニティ参加を期待しています!
WRITTEN BY Theo Beams