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実世界におけるKILT Protocol — マシン・アイデンティティ


実世界におけるKILT Protocol — マシン・アイデンティティ

著:KILT Protocol

KILTは、非中央集権的な識別子と検証可能な証明書を発行するためのブロックチェーンプロトコルです。KILTは、現実世界のクレデンシャル(パスポート、運転免許証、証明書など)を信頼する古いプロセスをデジタルの世界に持ち込み、る容赦のデータ内容をプライベートに保ちながらそのアイデンティティを表現することを可能にします。

しかし、KILT Protocolは人間だけに使われるものではなく、マシンやサービスなど、アイデンティティを構築できるものであれば何にでも使用できます。

マシン・アイデンティティ

アイデンティティは多面的で、人や物を他の人と区別する特徴、属性、特性のユニークな組み合わせで構成されています。

KILTでは、アイデンティティを2つの重要な要素に分けています:

  • エンティティやデバイスを一意に識別する分散型識別子(DID)
  • 信頼された当事者(アテスター)により確認される検証可能で取消可能なクレデンシャル

マシン・アイデンティティでは、これらのクレデンシャルは証明書や権利、役割、能力など、デバイスの静的および動的なプロパティとなります。

識別子(DID)にクレデンシャルを追加するために、デバイスはアテスターに確認させる為の「主張」を作成することができます。アテスターはその属性が正しいかどうかをチェックし、正しい場合はクレデンシャルをデバイスに送り返し、デバイスはそれを管理下に保存します。さらにアテスターは、ブロックチェーン上でクレデンシャルを表すクレデンシャルのハッシュを作成することで、クレデンシャルの有効性を固定します。

属性が変更されたり無効になったりすると、アテスターはブロックチェーン上のクレデンシャルを無効にすることができます。デバイスが第三者(検証者)にクレデンシャルを提示すると、第三者はクレデンシャルを提示したエンティティが実際に所有しているかどうかを確認し、ブロックチェーン上のクレデンシャルの有効性を検証することができます。

KILT Protocolを使用すると、完全な証明書自体ではなく、クレデンシャルとその有効性を表すハッシュのみがブロックチェーンに記録されることになります。このように、最小限のデータしか保存されないため、プライバシーや匿名性、セキュリティを最大限に高めることができます。認証された証明書自体はデバイスの所有物であり、デバイスの所有者の許可がないと読みとる事ができません。

エネルギー効率

現実世界ではどのように使われるでしょうか?例えば、ドイツ連邦エネルギー機関denaとのコラボレーションが挙げられます。

dena社は、エネルギー効率の向上を目指してBlockchain Machine Identity Ledger(BMIL)というプロジェクトを開始しました。これは、エネルギー生成デバイスとエネルギー消費デバイスをアクティブな市場参加者として統合するための分散型デジタルレジストリです。

これを実現するために、エネルギーメーターやヒートポンプ、太陽光発電システムなどを、BMILに自分のアイデンティティを登録することができます。これは上述の通り、機器がDID形式の識別子を生成・保持することを意味し、この識別子に割り当てられた属性はシステムに組み込まれた基準を満たしている限り、BMIL上でその有効性が保証される検証可能なクレデンシャルとして扱われます。必要に応じてさらにクレデンシャルを追加し、デジタル・アイデンティティを作成することができます。

このプロセスは、分散化された方法で登録され、そのデータが検証される機器の動的なレジストリとして、デジタル台帳の作成に貢献します。各デバイスの一意の識別子の所有者は、データに対するプライバシーとコントロールを維持しながら、デバイスが公開する情報量を選択することができます。

このパイロットプロジェクトは、スマートメーターの使用を補完し、ビルサービスや市場志向のアプリケーションのベースを提供するものです。BMILは、ドイツのエネルギーシステムにおいて急速に増加しているインターフェースを調整し、接続する事を目的としています。BMILは、安全性、信頼性、追跡可能性に加えデータ共有の低コスト化を可能にします。

プロジェクト間の協力体制

denaプロジェクトは、科学者、デジタルおよびエネルギー分野の既存プレーヤー、そしてKILTを発明したBOTLabsのような革新的なブロックチェーンのスタートアップ企業からなる21のパートナーのアライアンスによって構成されています。

KILTは、世界的な非営利団体であるEnergy Web Foundationが主導するコンソーシアムの一員として参加しています。Energy Web Foundationは、オープンソースの技術を用いて、あらゆる顧客が所有するあらゆるエネルギー資産があらゆるエネルギー市場に参加できる低炭素システムを構築しています。Energy Webブロックチェーンは2019年にローンチしました。

コンソーシアムの他のメンバーには、Riddle & Code50 HertzParity Technologiesが含まれています。

KILTが実現するWeb 3.0

これはKILT Protocolが、データ所有者の自己主権と匿名性を保護しながら、デジタル識別子や取り消し可能で検証可能な証明書を作成するために利用できる多くの方法の一例に過ぎません。ブロックチェーン技術が次世代のインターネットであるWeb 3.0に移行し、誇大広告を超えて現実の世界での使用に進化する中で、起業家精神にあふれた開発者が我々の普遍的なプロトコルをどのように使用するかを期待させるものでもあります。

私たちは、その革命の最先端の一員であることを誇りに思っています。2018年、私たちはParity Technologiesが提供するモジュラーシステムであるSubstrateをいち早く採用しました。Substrateは、事前に構築されたコンポーネントを使用して、カスタマイズされたブロックチェーンを簡単に構築することができます。Substrateは、これまでブロックチェーンの採用を妨げていたセキュリティ、スケーラビリティ、相互運用性の問題を克服したブロックチェーンのエコシステムであるPolkadotとのシームレスな統合を可能にします。イーサリアムの共同創業者で元CTOのギャビン・ウッドが設立したPolkadotは、イノベーションの新時代への道を今まさに切り開いています。

2021年1月、KILTはPolkadotエコシステムのパラチェーンテストネットであるRococoに参加した世界初のプロジェクトの一つとなりました。Rococoでパラチェーンが完全にテストされ、安定した場合は、続いてPolkadotのカナリアネットワークであるKusamaで最初のパラチェーンオークションに参加することを目指しています。そして、パラチェーンの枠を確保した後、すぐにKusamaでメインネットをローンチし、できるだけ早くサービス提供を開始することを考えています。

詳細は記事「KILTのパラチェーンへの道」をご覧ください。またニュースレターに登録することでい最新情報を入手できます。


KILTは、自己主権型の検証可能で取り消し可能な匿名のクレデンシャル情報を発行し、Web3.0におけるトラストマーケットのビジネスモデルを実現するブロックチェーンプロトコルです。

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