Polimecに関してKILT ProtocolがMoonbeamと協力
BOTLabs（KILTプロトコルを開発している会社）とPureStake（スマートコントラクトプラットフォームMoonbeamの開発会社）がPolimec（Polkadot Liquidity Mechanism）に関して協力関係を締結した事を発表します。両社はPolkadotエコシステムの一部であり、ParityのSubscribateフレームワークの上に構築されています。
PolimecはPolkadotエコシステムの資金調達メカニズムであり、専用のブロックチェーン上で複数の暗号通貨を直接発行・送金することができます。PolimecブロックチェーンはSubstrate上に構築されているため、他のSubstrateベースのブロックチェーンはPolimecを利用してトークンを発行し、自分たちのネットワークが稼働する前でも市場に提供することができます。このようにPolimecは、EthereumエコシステムのERC20コントラクトのように、Polkadotエコシステムにも同様の役割を果たします。
このコラボレーションにより、Polimecコアトランスファーシステムの拡張としてPolimecスマートコントラクトシステムが可能になり、発行体に代わってスマートコントラクト機能を実行し、権利確定（期間も含む）やエアドロップ、バウンティ、販売、その他Ethereum上に既に存在する（または可能な）全ての機能を実行します。この追加機能により、発行者は必要に応じてコインオファリングや通貨の発行を複雑なものにすることができます。
BOTLabs 創設者 Ingo Ruebe氏は次のように述べます。
“今回の協力関係の構築は、Polkadotから得られる能力を示すものでもあります。Polkadotを使うことで、各ブロックチェーンは相互運用可能になり、その力をフルに発揮できるようになります。Polimecは、トークン発行と転送のための非常にシンプルなメカニズムを実装しています。ここにMoonbeamのスマートコントラクト機能を追加することで、Polimecは非常に強力なツールになるでしょう。”
PureStake CEO Derek Yoo氏は次のように述べます。
“KILT Protocolチームと提携し、MoonbeamとPolimecを統合できることに非常に興奮しています。Moonbeamベースのスマートコントラクトは、開発者がPolimecのベースとなる機能や資産をカスタマイズして拡張する為の簡単なパスとして機能します。Polkadotベースの相互運用性を介して接続された両チェーンの専門的な機能を活用することで、現実世界の様々な資金調達のユースケースを効率的にカバーすることができるでしょう。”
PolimecはERC20との違いは主に3つあります：
- トークンの送金手数料は、実際に送金される通貨で支払われます
- Polimecは、あまり有望ではない又は詐欺的なプロジェクトがコインを発行しないようにする仕組みを持っています
- トークンのプロジェクトのメインネットへの移行は簡単かつほぼシームレスです
Polimecのコアの機能は現在Botlabsにより構築が続けられており、Polkadotのパラチェーン機能の公開やクロスチェーンメッセージング機能の実装ロードマップに合わせてロールアウトされると予想されています。このコア機能は、メインネットローンチ前の資金調達準備ができていないプロジェクトのトークン発行に役立つものとなるでしょう。
Moonbeamについて
MoonbeamはPolkadotネットワーク上のEthereum互換のスマートコントラクトプラットフォームで、ネイティブに相互運用可能なアプリケーションを簡単に構築することができます。このEthereum互換性により、開発者は最小限の変更で既存のSolidityスマートコントラクトやDApフロントエンドをMoonbeamにデプロイすることができます。Polkadotネットワーク上のパラチェーンとして、MoonbeamはPolkadotリレーチェーンの共有セキュリティや、Polkadotに接続されている他のチェーンとの統合の恩恵を受けることができます。現在PureStakeが積極的に開発を進めているMoonbeamは、2021年初頭にメインネットをローンチ予定です。
KILT Protocolについて
KILTは、Web 3.0でクレームベースの検証及び取り消し可能、匿名のクレデンシャルを発行する為のオープンソースブロックチェーンプロトコルです。KILTはユーザーのデータ主権とアプリケーションの相互運用性を提供します。信頼されたエンティティのみが有用なクレデンシャルを発行できるため、KILTは信頼を中心とした新しいビジネスモデルを促進する可能性を秘めています。
