BinanceとCEO CZに過去最高の罰金が課される
米国における暗号通貨規制に関する最近の執行措置の一環として、BinanceのCEO Changpeng Zhao（CZ）は、マネーロンダリング違反で有罪を認め、5000万ドルの罰金を支払うことに同意しました。また、Binance自体も、司法省、財務省、商品先物取引委員会（CFTC）との関連事件を解決するために43億ドルの莫大な罰金を支払うことに同意しています。
CZは、米国の金融機関がマネーロンダリングを防止することを要求する銀行秘密法に違反しました。BinanceはISISやアルカイダなどのテロ組織や、イラン、キューバ、シリア、ロシアが占領するウクライナ地域など、米国が制裁対象とする国々への悪意のある取引を可能にし、利益を得ていました。
Binanceに対する罰金は、米国でこれまでに課された中でも最大のものの一つです。CZはBinanceでの役職を退くことになり、最大18ヶ月の懲役の可能性に直面しています。両当事者は、民事罰金と不正に得た利益の没収のために追加の金額を支払うことになります。
さらに、Binanceは、マネー送金業として登録せず、国際緊急経済権力法（IEEPA）への違反も認められています。また、Binance.usを別の厳格なマネーロンダリング防止コンプライアンス企業として設立する代わりに、Binance.comプラットフォームを通じてアメリカの顧客と取引していることが明らかになりました。
財務長官のジャネット・イエレンは、「Binanceは利益追求のために法的義務を無視した。その故意の失敗により、テロリスト、サイバー犯罪者、児童虐待者への資金がそのプラットフォームを通じて流れた」と述べています。
Binanceに対する調査は2018年に始まり、その期間に、CZと彼のチームはこれらの法律に繰り返し故意に違反し、それを隠蔽しようとしました。CZは、「VIP」と呼ばれる主要な米国の顧客を扱うように従業員に指示し、暗号化された通信方法を使用するようにしていた疑いがあります。2020年7月には、あるユーザーが「違法活動へのトップ貢献者」と特定されましたが、その後、プラットフォームに再参加する方法について指示を受けていたことも明らかになっています。
CFTCとの和解は、3月に始まった一連の事件を終結させるものでもあります。同時にCFTCはBinanceがアメリカ合衆国で違法に運営し、法令順守を回避するためにシェル会社のネットワークを利用していると非難しています。CZはまた、特定のユーザーが顧客認識（KYC）要件を回避することを知りながら許可していた経緯も明らかになっています。
6月には、証券取引委員会（SEC）がBinanceを訴え、顧客の資金を不正に使用し、CZが管理する別の会社であるMerit Peak Limitedに流用していると主張しました。この主張は、最近サム・バンクマン・フリードに長期の懲役をもたらしたFTX-Alamedaのスキームと酷似しています。特筆すべきは、SECは今回の和解の当事者ではないため、この事件はまだ解決していない可能性があることです。
CZは、Binanceでの在職中、約230億ドルの資産と活発なTwitterアカウントを通じてFUDに対抗したり、FTXの崩壊を引き起こすのを助けるなど、暗号通貨の顔でした。彼は自分自身とBinanceを、SBFとFTXと比較して法的に適応しているな物として位置付けていました。
Binanceは、24時間の取引量が130億ドル、CoinMarketCapによると資産が720億ドルに上る最大の暗号通貨取引所です。このニュースを受けてBinanceのBNBトークンは14％下落しました。ビットコインとイーサリアムは直後の影響は大きくないようです。
