ZK Stackの紹介
モジュラー型、主権型、ZKパワー型ハイパーチェーン構築のためのフレームワーク
zkSyncコミュニティに参加して一緒に未来を構築しましょう！
先週、私たちはZK Credoの初期アイデアを共有しました。これは、ZK技術を再構築して、インターネットを変革するための基盤ともたらすものでもあります。
このミッションを果たすための鍵となる主権的なZKパワードチェーンを構築するためのモジュラーフレームワーク『ZK Stack』を発表できることに非常に興奮しています。
ZK Stackの概要
- 自由：ZK Stackは、完全なMIT/Apacheオープンソースライセンスの下で開発されており、無償で利用できます。積極的かつ自由に活用することを強くお勧めします。
- 組み合わせ可能：ZK Stackで構築されたハイパーチェーンは、信頼性のあるネットワークでシームレスに接続され、低遅延と共有流動性を提供できます。
- モジュラー：シーケンサーやデータの可用性モードの選択から、独自のトークノミクスの定義まで、ハイパーチェーンのあらゆる側面をカスタマイズして構築することができます。
- 実績証明済み：zkSync Eraは、Ethereum上で最も広く採用されているZKロールアップであり、TVLや取引量などの実績によって証明されています。この実績からも、ZK Stackが安全性と信頼性において確実な選択肢であることが示されています。
- 将来への適応：ZKロールアップはEthereumのスケーリングの未来です。ZKの超能力のフルポテンシャルを引き出すためには、最初から適切な製品基盤を構築することが重要となります。
ZK Stackとは？
ZK Stackは、ZK Credoで示された課題に対する私たちの一つの回答です。現在、必要な特性を完全に満たすソリューションは存在しないため、私たちはそれを作り、コミュニティに提供する必要性を感じました。 ZK Stackは、自由かつモジュラーなオープンソースのフレームワークであり、zkSync Eraのコードを基にしてカスタムのZKパワードL2とL3（ハイパーチェーン）を構築するために設計されています。
ZK Stackの核心には、主権とシームレスな接続性の2つの重要な特徴があります。構築者（あなた）はコードに完全な権限を持ち、チェーンのあらゆる側面を自由にカスタマイズできます。ハイパーチェーンは、Ethereum L1にのみ依存し、独立して動作します。また、ハイパーブリッジ・ネットワークが各ハイパーチェーンを相互接続して、信頼できる、高速（数分以内）、低コスト（単一のトランザクションコスト）の相互運用性を実現します。 このハイパースケーラブルで統一された流動性ネットワークをリードするのはzkSync Eraであり、パイオニアとしての役割を果たします。
ZK Stackは、zkSyncのコアチームにとっても大きなパラダイムシフトです。これまで、最も先進的なZKテクノロジーを可能な限り速く構築することに集中してきました。
その結果、zkSync Eraを記録的なスピードでローンチし、数多くのプロジェクトによって採用されてきました。有名な故事に「遠くに行きたいなら、一緒に行け」というものがあります。現在の優先事項は、多くのチームがZK Stackを理解し、貢献できるように支援することです。より多くのハイパーチェーンがローンチされるにつれて、コアの貢献者の数が増え、コミュニティがzkSyncネットワークの真のオーナーとして現れ、ZK Credoに基づく倫理と価値を守る力を持つようになるでしょう。
ZK Stackは誰のためのもの？
ZK Stackはすべての人に向けたものではありません。一般的なDeFi dappやNFTプロジェクトを構築している場合は、zkSync Eraなどの既存のハイパーチェーンに展開する方が簡単なプロセスとなり、しかもエコシステム内の他のプロトコルとの同期的な組み合わせが可能になることで、フラッシュローンなどの機能が簡単に利用できます。
特に、以下の２つの状況では、ZK Stack上で独自のハイパーチェーンを構築することが最適な選択となります：
- チェーンに対してカスタムなカスタマイズが必要な場合
- エコシステムへの非同期的な接続性に対して快適性を求める場合
例として、ゲームやソーシャルネットワークを構築し、他のdappやユースケースに制約のない軽量シーケンサーが必要なケースや、低遅延シーケンスが重要な取引所アプリチェーンを構築している場合（dYdXのようなもの）が挙げられます。 また、他のエコシステムと連携しつつ閉鎖的なプライベートチェーンを構築したい銀行や企業、相互運用性においてクロスチェーンブリッジに固有の信頼前提が不要、最小限のコストで相互作用するアプリケーションネットワークを構築する場合。そして、ユースケースがトークンに密接に関連するもので、システムのベーストークンとして活用する意図がある場合なども含まれます。
なぜZK Stackを選ぶのか？
簡単に言えば「将来に対応」しているからです。
飛行船ツェッペリンを建設して、そのプロペラをターボファンエンジンに交換することはできません。 トロッコ鉄道を敷設して、その上に新幹線を走らせることはできません。 ガスメーターを建設し、それを高圧LNGターミナルとして使用することもできません。
あらゆる技術基盤の変革は、その「技術の全ての側面を再設計し適応させる」ことから生まれます。技術の全ての潜在能力を引き出すためには、最初からこの知識を組み込むことが重要となります。後からそれを活用しようとすることは非常に困難を伴います。最終的には、古い技術に蓄積されたネットワーク効果は無効化されてしまうため、移行が必要になるでしょう。
ZKテクノロジーは、既存の非ZKソリューションでは実現不可能なユニークなスーパーパワーを開放するものです。これらのスーパーパワーを活用するには、革新と新しい道筋を描く勇気が必要となります。
以下に注目すべき例を挙げます：
- 魔法のUX：ZK Stackは現在のL2の中で唯一のネイティブアカウント抽象化を誇ります。その設計は、ZKを有効にしたアーキテクチャにおけるガスレスの「calldata」から享受されるものです。
- 圧縮：ZKの証明の簡潔性の特性によって、特定のトランザクションタイプ（オラクルの更新など）は、他のロールアッププラットフォームに比べてZK Stack上では1,000倍低減されます。
- 極低コスト：ZKロールアップモードに加えて、ハイパーチェーンアカウントが完全にEthereumのセキュリティを継承する場合、ZK Stackでは適切なユースケース向けに非常に手頃な価格のzkPorterアカウントの拡張も可能となります。
私たちは、技術的な詳細に深く入り込む一連のシリーズを開始して、ZK Stackアーキテクチャの理論と詳細を説明していきます。この中では、深く有益な議論を促進するために、ZK Credoの原則を1つずつ取り上げていく予定です。
ハイパースケーラビリティ
現在の焦点は、ZK Stackの最も優れたバリュープロポジションを象徴するトピックである「ハイパースケーラビリティ」にあります。 ハイパースケーラビリティ ZK Stackを使用することで、相互運用性と合成性を犠牲にすることなく、独自のハイパーチェーンを構築することができます。
各ハイパーチェーンは、共有プルーフとフラクタルスケーリングによって駆動される無限にスケーラブルなエコシステムにシームレスに統合され、断片化されていない流動性ネットワークを育成します。このエコシステム内では、ユーザーは信頼性のある方法で（数分以内に）アセットを迅速に移動して、ハイパーブリッジを介してハイパーチェーン間で追加のコストをかけることなく、相互運用性を実現します。スマートコントラクトは非同期にクロスチェーンでお互いを呼び出すことも可能です。
つまり、ハイパーチェーン自体が主権を持ち、代替エコシステムへの参加も選択でき、アセットを持ち出すことが可能です。
ハイパーチェーンの詳細はこちらをお読みください。
開始方法
数週間以内に、ZK Stackのコードベースに変更を加えて、ZK Stackのインスタンスをチェックアウト、設定、展開しやすくする予定です。私たちの究極の目標は、ワンクリック・デプロイの実現にあります。
現在、ZK Stackの採用をサポートしているいくつかのパイロットプロジェクトがあります。これに参加してフィードバックを集め、開発者の体験を向上させることができます。もし関与を希望する開発者の方、コホートの一員になりたい方がいましたら zkstack@matterlabs.comまでメールをお送りください。この目標に向けた進捗を迅速化するための支援をお願いします。
zkSync Eraのドキュメント：https://era.zksync.io/docs/
今後のzkSyncエコシステムの発展にご期待ください！
