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Zero-Knowledge Deep Dive:アイデンティティ


Zero-Knowledge Deep Dive:アイデンティティ



WAGMI Ventures - 翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

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アイデンティティ分野において、ユーザーが直面している課題を解決するために、ゼロ知識を活用した取り組みが進められています。

この記事では、斬新なソリューションを提供する3つのプロジェクトを紹介します。特に、ユーザーのプライバシーを守る技術を取り入れたプロジェクトに焦点を当てていきます。

 

新しいグローバルな暗号通貨Worldcoinは、Worldcoinを無料で皆に提供することで、世界最大かつ最も包括的な暗号ネットワークになることを計画しているプロジェクトです。

Worldcoinは、公共事業として世界最大のアイデンティティと金融ネットワークを構築し、全ての人に所有権を与えています。
私たちは、国や経歴に関係なく世界経済へのアクセスを実現し、地球上の全ての人に利益をもたらす経済への移行の促進を目的としています。

Worldcoinのエコシステムには3つの側面があります:

  1. World ID:これはWorldcoinエコシステムにおけるあなたのデジタルIDとして機能し、あなたのプライバシーを保護しながら、あなたが本当のユニークな人間であることを証明します。
  2. Worldcoin:サインアップした全ての個人(米国などの制限地域以外)は、無料でWorldcoinのシェアを受けることができます。このトークンは、物品の購入だけでなくガバナンスメカニズムとしても機能します。
  3. World App:Worldcoinトークン、他のデジタル資産及び既存通貨による支払い、購入、転送を可能にするデジタルウォレットです。

サインアップするには、Worldcoinのウォレットアプリをダウンロードして、アカウントを作成し、Worldcoinオペレーターを訪問する必要があります。オペレーターは、Orbと呼ばれる装置を使って、あなたが過去にサインアップしたことがないことを確認します。このため、オペレーターに直接会って、Orbがあなたの写真と、個人に固有の虹彩(Iris)を撮影して、あなたのアイデンティティを確認します。

サインアップ後、プロジェクトが正式にローンチした際に25 Worldcoinを受け取る権利が与えられます。

Worldcoinは、10億人以上の人々に向けて完全な広域分散型に配布することによって、Bitcoinや他の有名な暗号通貨プロジェクトとの差別化を図ることを目的としています。そのため、暗号通貨へのアクセスにおける主な障害である、資金的優位、インサイダー知識、技術的なスキルといった要件を排除することに焦点を当てています。計画では、今後数ヶ月でローンチする予定としていますが、正確な日付はまだ決まっていません。

Worldcoinは、10X capitalやa16zなど、最も著名な投資家からこれまでに1億2500万ドルを調達しています。コインを無料で配布するこの利他的なプロジェクトに、なぜ投資家が必要なのかという疑問の声も上がっています。Worldcoinによると、この資金はOrbデバイスを開発、製造し、世界中の事業者に配備するために必要な資金であるとしています。一方で、その見返りとして、投資機関がWorldcoinの総供給量の一部を受け取ることができるのも事実です。

Worldcoinのウェブサイトによると、既に100万人以上のサインアップがあり、あと9億9900万人のサインアップで10億人への目標が完了となります。

WebSite: https://worldcoin.org/

Twitter: https://twitter.com/worldcoin


Web 3.0コミュニティを構築する場合、プライバシーを優先した参加と、詐欺やボットからコミュニティを保護するかのどちらかを選択しなければならないように感じられるかもしれません。Interepを使えば、デジタル空間のコミュニティにおいて、個人の特定情報を収集することなく、メンバーをユニークな人間として認証できるため、コミュニティの有機的な成長と公平性を促進し、プライバシーを保護することが可能になります。

オンラインコミュニティが直面する最大の問題の一つは、偽アカウントがグループ内の情報や交流の質を低下させることです。Interepは、ユーザーのプライバシーを侵害することなくユーザー認証を実施したいコミュニティのためのIDソリューションとなることを目指しており、Anti-Sybil as a Serviceと呼ばれるものを構築しています。

シビルアタックとはなんでしょうか?

Wikipediaによると「シビルアタック」とは、コンピュータネットワークサービスに対する攻撃の一種で、攻撃者が多数の偽名IDを作成することによってサービスの評価システムを破壊し、それを使って不均衡なレベルの影響力を得ること」とあります。

これは、私たちが日常的に使用しているソーシャルメディアサイトでもボットが横行していることはよく知られています。イーロン・マスクが一度Twitterの買収を躊躇した理由は、まさにこの問題によるものです。彼もボットの存在は知っていたのでしょうが、その蔓延のレベルが彼の想像を遥かに超えていたことが伺い知れます。

では、Interepはこの問題をどのように解決するのでしょうか?


Interepは、ユーザが他のアプリ(TwitterInstagramなど)のアカウント履歴から自分の評判を確認することを可能にします。これによって、ユーザが新しく参加するプラットフォームに対して、新たに個人情報を提供する必要がなくなります。

個人情報を公開することなく、プラットフォーム間で自分の評判を共有する機会を人々に与えることは、ウェブ全体で信頼できる人間同士の交流を有機的に拡大し、同時に偽アカウントの生成を遥かに困難にします。

ユーザーの評判を個々のプラットフォームの垣根を超えて利用可能にすることは、新しいスケーラブルなプライベートIDソリューションの構築の第一歩となります。今後、私たちの生活のデジタル化が進化していくにつれて、そのUXの向上のために、ますます必要なものとなっていくでしょう。

Interepは、ゼロ知識証明の研究とアプリケーション開発の間のギャップを埋めることによってイーサリアムを強化することに焦点を当てたアクセラレータプロジェクトです。現在、16の異なるプロジェクトに取り組んでおり、Ethereum Foundationのサポートを受けています。

Web Site: https://interep.link/


Web3アプリケーションにとって必要とされるプライバシーと匿名性は、ユーザーにとっては素晴らしいものとなりますが、厳しい要件を遵守しなければならない組織側にとっては、手放しに良いものとは言えません。

Notebook Labsは、ユーザーのプライバシーを守りながら、従来の金融機関の要件を満たす匿名KYCソリューションで、機関投資家の資金のオンボーディングプロセスに焦点を当てることで、この課題解決に取り組んでいます。Notebookは、マネーロンダリングやバッドアクターの発生を制限し、Regulation Dの免責資格などの現地規制に準拠しつつ、プロトコルリスクに関する匿名化された要約統計を提供することによって、DeFiプロトコル機関投資家の資本を繋ぎ合わせます。

ユーザーは、ゼロ知識証明によってプライバシーを保護しながら、取引手数料を最小限に抑え、追加作業を排除するチェーン間でKYC証明書を持参することが可能になります。

Notebook Labsは、2022年10月にY Combinator、Bain Capital、Balaji Srinivasanなどの著名投資家から$3.3Mの資金調達を成功させました。

 

また、プライバシーを保護するZKクレデンシャルをL1ブロックチェーンNearエコシステムにもたらすためにパートナーシップを締結しています。

 

Notebook Labsの開発はまだ初期段階にありますが、私たちは彼らの継続的な成長と、Web3に必要なソリューションの提供に期待しています。

12月にNotebook Labs創設者Soral Afotaと行ったPodCastをご覧ください。

Web Site: https://www.notebooklabs.xyz/
Twitterhttps://twitter.com/NotebookLabs


Zero-Knowledge Deep Diveシリーズのパート1は以上となります。次週パート2を公開して、この分野で起きている最先端の開発状況について取り上げる予定ですのでご期待ください。

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