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ロールアップの分散化:Espresso Sequencerの発表


ロールアップの分散化:Espresso Sequencerの発表

著:Espresso Systems

翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

Espresso Systemsでは、Web3アプリケーションの主流採用をもたらすためのツールやインフラを構築し、プライバシーからパフォーマンスまでの課題に取り組んでいます。

昨年、私たちは、イーサリアムに高いスループットと低い手数料をもたらすことを約束するL2ロールアップの開発に立ち会い、貢献してきました。そして、私たちはイーサリアムのスケーリングの取り組みをさらに進めるための計画として、この方向性における最初のマイルストーンを公開します。

ここ数ヶ月、私たちは「Espresso Sequencer」の開発に取り組んできました。これは、ユーザーが必要とするスケールとスピードを損なうことなくロールアップを分散化するために設計されたシステムです。Web2の性能とWeb3のセキュリティロールアップは、仮想マシンVM)、シーケンサー、証明システム(zk-VM用)、L1上のロールアップコントラクト(例:イーサリアム)など、いくつかの異なるシステムコンポーネントから構成されています。シーケンサコンポーネントVMに提出されたトランザクション(命令)の順序付けを担当し、証明システムはこれらのトランザクションを実行し、結果として生じるVMの状態遷移の証明を生成します。ロールアップコントラクトは最終的に状態遷移を登録し、その証明を検証する仕組みとなっています。

外部シーケンサは必ずしも必要ではなく、コントラクト自体をトランザクションの順序付けに利用することもできます。この場合のメリットは、ユーザーはL1の活性度を信用すれば良いということにあります。ただし、この場合、ロールアップシステムはL1の計算におけるボトルネックを軽減するだけでにすぎず、そのスループットは、L1のデータシーケンス速度によって制限されてしまいます。つまり、ユーザーはL1と同じように取引確認の遅れを経験することになるのです。

そこで、外部シーケンサを導入することによって、より高いスループットトランザクションの迅速な確認が可能になります。このシナリオでは、ユーザーはシーケンサーを信頼して最終確認をするか、L1からの最終確認を長く待つかを選ぶことができ、特定の取引に対するリスク許容度(例えば1ドルのコーヒーと100万ドルの家を売る場合など)に依存することになります。

これとは別に、L1コントラクトが処理・保存するデータ量も、暗号化コミットメントのみをトランザクションログとステートに登録することで削減することができます。ロールアップ証明はこのコミットメントの正しさを証明し、追加のロールアップシステムコンポーネントはコミットされたデータの可用性に依存します。

性能面では有益でsうが、外部のシーケンサやデータ利用可能コンポーネントを導入することで、今度はロールアップの分散性が損なわれてしまいます。課題は、分散化を維持しながら高速なファイナリティと高いスループットを提供するために、各コンポーネントを設計することにあります。

Espresso Sequencerは、L2の分散化をサポートするもので、ロールアップトランザクションの分散化された順序付けとデータの可用性を扱い、ロールアップとその下にあるL1プラットフォーム間のミドルウェアとして機能します。Espresso Sequencerは、zk-VMやOptimistic VMを配置するためのプラットフォームとして設計されています。最終的には、zk-VMとOptimistic VMを複数のL1に同時に複製することによって、Espressoは相互運用性レイヤーとしても機能することが期待されます。

Espresso Sequencerの設計と実装については、EspressoのコンセンサスプロトコルであるHotShotと、最初のEspressoテストネットであるAmericanoについての投稿で詳しく説明しています。気になる場合は共有コードをお読みになり、TwitteryやDiscordで私たちのコミュニティにご参加ください。