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CAPE:設定可能なアセットプライバシーソリューション


CAPE:設定可能なアセットプライバシーソリューション

著:Espresso Systems

翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

Configurable Asset Privacy for Ethereum (CAPE) は、アセットの作成者が作成したアセットの保管と転送に関して「誰が何を見ることができるかを設定できる」スマートコントラクトアプリケーションです。

このプロトコルは、CAPE上で直接作成される全く新しいアセットと、既存のイーサリアムアセットの両方をサポートしています。CAPEを使用することで、ステーブルコインプロバイダーやNFTアーティストなどのデジタルアセット作成者は、以下のデータに関するアセットに対する閲覧ポリシーを定義することができます:

  • 送信者と受信者のアドレス
  • 資産の送受信量および保有
  • 送信、受信、保有するアセットの種類

また、アセットの作成者は、閲覧ポリシーだけでなく、アセットに関するその他のポリシーもCAPEで定義を設定できます。CAPEは、アセットを発行したり、ラップしたりしたい人なら誰でも利用できますが、このプロトコルは、特にステーブルコインのプロバイダーを念頭に置いて設計されています。現在のステーブルコイン・プロバイダーは、一般的に詐欺、盗難、紛争解決に対処できる手段の維持を求めています。CAPEの登場までは、アセットの作成者が、可視性や紛争解決に関するニーズを満たしながら、トークンのプライバシーを保護したバージョンをユーザーに提供するためのソリューションが存在しませんでした。CAPEの柔軟に設定可能な閲覧・凍結ポリシーによって、これが可能になったのです。

エンドユーザーにとっては、アセットの送受信や保有において、現在のイーサリアムでネイティブに提供されているものよりも優れたプライバシー保持の選択肢となるでしょう。CAPEを設計する上で考慮した点は、ユーザーが共有するデータ、および誰が自分の取引に対する洞察力と制御力を持つかを認識し、オプトイン/アウトを可能にすることにありました。このため、CAPEのアセットに関する全てのポリシーは、私たちが設計したユーザーインターフェースに表示されます。誰が自分のデータを見ることができるか、誰が自分の資産をコントロールできるかという選択肢について、ユーザーが確実に把握できるようにすることが、継続的な優先事項であり、作業領域となります。

CAPEはまた、クレデンシャル発行者とユーザーをサポートするように設計されています。DeFiパーミッションプールやクレジットスコアリングなどのアプリケーションでデジタルクレデンシャルが今後普及していくにつれて、基盤となる情報を完全に公開することなくクレデンシャルを検証できるようにすることが重要になっていきます。CAPEのzk-credentialsは、まさにこれを可能にするために設計されているのです。Espresso Systemsは、分散型アイデンティティ標準の設計において、業界のリーダーたちと密接に協力できることを嬉しく思います。

CAPEは、分散型システムにおいてプライバシーと透明性のバランスをとるための柔軟なアプローチに向けた第一歩となります。これによって、これまで分散化のメリットに強制されながらも、データのセンシティビティを理由に躊躇していたユーザーの参加を促すことができるようになります。企業は取引先への支払いを競合他社に見られたくない、トレーダーは自分の持ち株を見られたくない、DAOの貢献者は自分の収入を公開されたくない、投資家は自分の投資をリアルタイムで公開したくない、個人は自分の資産や取引が漏れることを望まない、など多くの需要が存在しています。CAPEは、透明性の利点を放棄することなく、これらの問題点をすべて解決することを目的としているのです。

CAPEはどのEVMブロックチェーン上でも実行できますが、最終的にはアプリケーションをEspressoに移行し、トークンブリッジを介してイーサリアム資産とのやり取りを可能にする計画を立てています。

CAPEのオープンソースコントラクトはこちら、ドキュメントはこちらで確認できます。