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2023年の展望:web3分野の投機家の淘汰とビルダーの躍動


2023年の展望:web3分野の投機家の淘汰とビルダーの躍動

David Marcus元記事

翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

AIが生成したイラスト(DALL-E)

2023年を迎えるにあたって、激動の1年となった2022年を振り返り、今後の1年を予測することが適切だと感じ、筆を取りました。

数年にわたるCOVIDによる影響に疲弊する中で、私たちは2022年を、パンデミック以前の世界に戻れるのではないか?という希望に満ちてスタートしました。実施、欧米では、ほとんどの部分で従来の生活様式を取り戻し、子供たちも元気に学校に通っています。しかし、ようやくマスクなしで深呼吸ができる幸せを噛み締めた矢先に、ウクライナ戦争が勃発し、インフレが急騰し、サプライチェーンが崩壊し始めたことで、世界経済が大きく揺らぎ始めました。私たちハイテク関係者も例外ではなく、過去数年の成長による収益は2019年の水準に戻り、分野全体では何兆ドルもの時価総額を失うこととなりました。

暗号分野については、さらに困難な年となりました。最も衝撃的な事件は言うまでもなくFTXによるもので、その影響は潜在的に膨大な量の組織の負債を、今も生み出しています。一方、イーロン・マスクによるTwitterの買収は、技術、メディア、政治の各分野で、前例のないレベルの論争を引き起こしています。

世界的を俯瞰してみても、2022年は異例の年となりました。ロシアとウクライナの戦争が激化する中、ヨーロッパは、これまで脱原子力エネルギーに傾倒してきた結果として、ロシアへのエネルギー依存いう構造的な脆弱性を露呈することとなりました。その他、中国は失敗したZERO COVID政策によって大きく弱体化し、英国では3人の首相の交代に加えて愛すべき長年の女王を失い、イランでは野蛮なマサ・アミニ氏殺害後の国民の反乱が見られ、米国内に目を向けても依然として信じられないほどの分断と偏向が続いており、この下降スパイラルに未だ終わりは見えません。

このような状況で、未来に対して楽観的でいられる理由は存在するのでしょうか?

私は、止まることのない人類の進歩の力と、危機の中で見られるいくつかの明るい兆しに注目しています。

気候変動に関しては、長年、排出削減こそが唯一の解決策だと考えられていましたが、2つの関連性のない出来事が重なったことで、イノベーションがこの課題に糸口をもたらす可能性を垣間見ることができます。

一つは、戦争をきっかけにしたエネルギー危機によって、イデオロギーよりも必要性に迫られたことで原子力発電に対する熱意が再び高まりを見せていこと。もう一つは、核融合のブレークスルーによって、数十年後にエネルギー生産が非線形に変化する現実的な道筋を示していることです。

小規模なもの事例では、ESG活動家らによって標的にされている技術の一つであるビットコインマイニングが、電力網全体の需要調整に有効であるだけでなく、メタンを効果的に捕捉することによって、本質的に悪いものを世界にとって画期的に良いもの(デジタルマネー)に変換できることが理解され始めています。具体的には、施設が送電ネットワークに接続される前に生産エネルギーの買い手になることによって、再生可能エネルギープラントの迅速な導入を可能にします。ここでの注目すべきテーマは、イノベーションと進歩は常に人類最大の課題に対する解決策を見出していくということです。

では、2023年には何が待ち受けているのでしょうか。いくつか予想してみましょう:

  • 金利については、2022年の前半まで上昇を続けており、過去20年来見たことのない水準の住宅ローン金利、借入コストの上昇、高額なカーリース、個人およびクレジットカードの大幅な金利上昇に対応する方法を学び直す必要性に迫られています。事実上タダでお金を借りることができていた企業は、ただでさえ厳しい市場環境の中、需要の鈍化という複合的な影響によって、債務返済コストが大幅に増大することになります。この不安定で不確実な高利回り市場において、非流動的な投資の魅力は減退していきます。世界的なベンチャーキャピタルの中には、潤沢な資金を持つ企業もありますが、収益への道筋が明確でない企業や、現実世界に影響を与える非線形な成長プロセスの実現に取り組んでいない企業にとって、資金調達は今後より困難になっていくことが予想されます。
  • 現在の前例のない利上げ速度は、インフレと需要を抑制させる一方で、本格的なリセッションリスクは非常に高いものとなっていきます。もはや起こらないことを期待するのではなく、どの程度の深さで、どの程度の期間、景気後退が続くのかを重要な問題として捉えていく必要があります。
  • ウクライナ戦争は長期化し、2023年に終結することはないでしょう。
  • より少ない人的リソースでいかに結果を出すかが、2023年に再定義されるテーマとなるでしょう。つまり、今まで盤石と見られていた大手のテック企業が、2023年により多くの人員削減に取り組むことが想定されます。この時期に原則的な採用活動を行い、資本にアクセスできるスタートアップは、最近で最も成功したヴィンテージの一つになるでしょう。
  • AI分野においては、カンブリア紀のようなイノベーションの始まりが見られるでしょう。多くの産業分野で労働者が行っていた仕事の多くの自動化する企業が設立されていくことが想定されます。この動きに比例して、各アプリケーションを動かすハードウェア(GPU)の需要が飛躍的に高まっていくのではないでしょうか。
  • 言論の自由の定義について、異なる「派閥」が論争を続けることになるでしょう。何が言論の自由で、どのようなコンテンツがモデレートされるべき、またはされないべきかを定義しようとする動きは、新たな価値観や常識を生み出していくかもしれません。
  • 「暗号分野の冬」は2023年、そして2024年にも終わることはないでしょう。不適切なプレイヤーによる支配から市場が抜け出し、適切な規制が導入されるまでには、数年かかることが想定されます。世界の潜在的な消費者の信頼を回復するには数年かかるでしょうが、長期的に考えれば、正当な業界のプレーヤーにとって必要かつ有益なリセット期間となることを信じています。
  • 暗号分野では、無からトークンを作り、膨大な収益を稼げる時代は終焉を迎えました。真の価値を創造し、現実世界の課題解決という、在るべきプログラミングに戻ります。私は、決済、資産の証券化DeFi、L1スケーリングソリューションなどのゼロ知識分野、そしてビットコインネットワークの新たな開発エネルギー分野で、重要なイノベーションが見られることを期待しています。
  • Lightning Networkは、世界で最も効果的なオープンかつ相互運用可能で、安価なリアルタイム決済プロトコルとして有望視され始めるでしょう。ポジショントークになるかもしれませんが、実際にこれは真実だと思います。

引き続き重要なテーマの一つは、米国が世界最高のイノベーターの拠点であり続ける一方、革新的な産業への規制強化によってする消費者保護に取り組む能力です。暗号資産に関する明確で革新的なな規制、ソーシャルメディア企業によるコンテンツの適正化に関するガイドライン、AIイノベーションのための適切な枠組みが必要でになるしょう。悲しいことに、私は、これらの分野で適切な立法や規制を確立するための合意達成能力については、懐疑的になっています。つまり2023年には、立法制度が確立されるまでの空白期間に、業界のリーダーにとっては、正しいと信じることに取り組むための責任が増していくことが想像されます。

2023年は、ビルダーにとっては非常に重要な年になるでしょう。2022年に多くの価値、信頼、安定が破壊されましたが、破壊には再生のチャンスが伴います。この時代をどのように過ごすかによって、将来の私たちがいかに強く、より良く生まれ変わることができるかが決定します。分野の将来だけでなく、ビルダー個人の未来にとってもです。今後数年間は、間違いなく困難な状況が続きますが、意志を持って突き進むことができれば、人生において非常に充実した年月になるはずです。

個人的には、Lightsparkの強力なチームとともに、進歩を促進し、未解決の問題を解決し、世界に永続的な影響を与えるために、自分の役割を果たすことに全力を尽くしたいと思います。同じ志を持つ、才能豊かな仲間と野心的で刺激的なミッションに取り組むことほど、楽しいことはありません。

2023年、私はこれに集中します。皆さんもそうであってほしいと思います。何であれ、あなたにとっての深い目的を見つけ、それを一緒に追求する素晴らしい仲間を見つけること。人生を意味と情熱で満たし、世界の出来事や他人がどう思うかに左右されずに没頭することほど素晴らしいものはありません。

さぁ、刺激的な一年を楽しみましょう!