NEARによる8億ドルの助成金プログラムの対象プロジェクトとは?
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NEARとは?
NEARは、dAppsの構築基盤として機能する、オープンソースの広帯域スマートコントラクトプラットフォームであり、NEARは2020年にローンチされました。
NEARは、「シャーディング」を活用してネットワークを拡張し、トランザクションのスループットを向上させます。このシャーディングとは、ブロックチェーンを分割(シャード)して、各ノードがブロックチェーン全体ではなくローカルデータのみを処理することでネットワークを拡張する仕組みです。
また、主要なブリッジとしてRainbow Bridgeを提供しており、ERC-20トークンをイーサリアムブロックチェーンからNEARネットワークに転送することができます。
NEARのメリット:
- Dappsの開発経験が少なくても、Dappsを作成しやすい
- アプリケーションのスケールアップに貢献する
- 複数のバリデータノードにより、高いネットワークセキュリティを提供
8億ドル規模の助成金プログラム
2021年10月、NEARは、DeFiエコシステムの活性化を目的とした8億ドル規模の資金調達イニシアチブを発表しました。
この資金は、以下の特定の目的をもつプロジェクトに分配されました:
- 2億5000万ドルは、既存製品の発展と拡張に貢献するプロジェクトを持つ開発者に分配
- 1億ドルは、20の新規プロジェクトに分配(各500万ドル)
- 残りの資金(4億5000万ドル)は、ヨーロッパとアジアにおけるNEARエコシステムの発展のために使用
また、NEARエコシステムを対象とした研究開発に取り組むProximity Labsは、NEARでDeFiアプリケーションを構築するプロジェクトおよび個人を対象として 3億5,000万ドルの助成金DAOの作成を発表しています。
現在、NEARはDeFi領域への助成金として約6億7,000万ドルを保有しており、これは暗号分野の開発者向けファンドとしては最大級です。
どのようなプロジェクトが助成金を受け取ったのかを見てみましょう:
公式サイトでは、NEARエコシステムに新規参入した12のプロジェクトを閲覧できます。この記事では、最も興味深く活発なプロジェクトを取り上げてレビューしていきます。
Mintbase
Mintbaseは、技術面を気にすることなく、誰でもNFTを作成できるグローバルなプラットフォームです。このプラットフォームは汎用性があり、アーティストが販売用のNFTを作成したり、ミュージシャンが音楽用のNFTを作成したり、イベント主催者がイベント用のNFTチケットを作成したりと、用途に応じて気軽に利用することができるのが特徴です。NEARのサイトでは「NFTのためのShopify 」と称されています。
Mintbaseはもともとイーサリアムチェーン上にありましたが、ガスコストの高騰に嫌気して、NEARに切り替えるた経緯があります。
「当時Mintbaseでは、毎日平均して5つの新店舗をユーザーが作っていましたがイーサリアムのガスコストの高騰につれて、それが週に5店舗程度にまで減ってしまったのです。」
−Mintbase共同創業者 Carolin Wend
MintbaseがNEARに切り替えた理由は他にもあります:
- NEARはスマートコントラクトにRustやAssemblyScriptなどの言語を使用しており、開発者が安全なコードを記述しやすい。
- NEAR Rainbow Bridgeによって、複雑な手間なくEthereum-NEAR間で資産とデータを移動することができる。
- BalancerやAaveなどのDeFiプロジェクトもNEAR上に構築され、将来的にそれらと統合することも容易になる予定である。
プラットフォームには、既に 1178店舗、160,993NFTが存在しています。
3XR
3XRは、カスタムNFTで3Dギャラリーを作成するなど、Web3ならではの工夫を実施しているプロジェクトです。
3XRはもともとMintbaseの店舗にVRギャラリーを提供していましたが、その後、クリエイターがカスタムギャラリーを作成し、NFTとしてパッケージ化できる「CreateThing」という新製品をリリースしています。
このCreateThingは、NFTファンやコレクターがメタバースでNFT作品を見るための、最も簡単で最適な方法を提供します。ユーザーは、美術館やアートギャラリーのように、ビジュアルやサウンドアートを見ながら、独自のカスタマイズがされたVRギャラリーを歩き回ることができます。
AnyToNFT
AnyToNFTはマルチチェーンのサポートを実装したNFTマーケットプレイスです。
ユーザーは自分のNFTをプラットフォームに掲載して、他のユーザーに販売することができます。
AnyToNFTには以下の利点があります:
- マルチチェーンおよびマルチ通過に対応したNFT取引プラットフォーム(ETH、FTM、xDai、Maticなどをサポート)
- NFTプロジェクトのメンテナンス、NFTの閲覧や各プロジェクトの取引への迅速な対応
- ゲームプロップ取引サポートおよびゲームツールの開発
プロジェクトは既にメインネットで稼働しています。
Getblock
Getblockは、トップレベルのブロックチェーンノード向けAPIを提供するプロジェクトであり、NEARプロトコル用の便利なAll-in-Oneエクスプローラの作成に取り組んでいます。
Getblockは、NEARの共有ノードと専用ノードを展開する最初のAPIベンダーでもあります。
受領した助成金は、エクスプローラーの研究開発費に使用されます。
このエクスプローラーは、ブロックや取引、アカウントなどに関する全ての情報を表示することができる分散型ブラウザとして機能する予定であり、NEARエコシステムの透明性とユーザビリティを向上させるものとなるでしょう。
GetBlockは、Web3における主要BaaSベンダーとしての地位の確立を目標としています。
InsurAce.io
InsurAce.ioは、分散型マルチチェーン保険プロトコルとして、DeFiユーザーに信頼性が高く堅牢かつ安全な保険サービスを提供し、様々なリスクから投資資金を保護します。
InsurAce.ioは、以下の利点を提供します:
- 低コストの保険料
- クロスチェーンでの補償
- マルチチェーンへのアクセス性
- 持続可能な投資収益
NEARとInsurAce.ioは、人々が自身の資産やデータ、ツールをコントロールし、斬新なアイデアやコンセプトを生み出すことのできる世界を目指しています。
PembRock Finance
PembRock Financeは、NEARプロトコルで最初のレバレッジド・イールドファームを提供するアプリケーションです。
PembRock Financeでは、資金を借りてレバレッジを効かせたファーミングを行うことができ、トークンの貸し出しによって最大10%のAPYを獲得することもできます。
今後の計画には、Ref Financeとの統合、初期投資家向けのプレセール、PEM-NEAR流動性プールの作成、スマートコントラクトの最終監査、NEARメインネットでのローンチが予定されています。
Verida
Veridaは、Web3に焦点を当てて、フル機能の開発環境と分散型のプライベートデータネットワークを提供するプロジェクトであり、 Verida SDKは、Web3アプリケーションを構築するための機能を提供します。
Verida Vaultは、「データウォレット」と「クリプトウォレット」の両方の役割を果たすモバイルアプリです。秘密鍵の管理や、Veridaネットワークやサポートされるブロックチェーンにアクセスするためのユーザーフレンドリーなインターフェイスを実装します。
NEARを対象とした新機能には、シングルサインオンのサポート、ネームアカウント識別、NEP-141トークンの表示・送受信機能、WalletConnect経由のトランザクション署名のサポートが含まれます。
Pangolin
Pangolin Exchangeは、Avalanche Networkで稼働するトップDEXであり、深い流動性、簡単なスワップ、高度なツール、スムーズなオンボーディングを通じて最高のDEXエクスペリエンスを提供します。
Pangolinは、NEARベースのプラットフォームの構築に向けて助成金を受け取っており、高速でアクセス可能な活動、コミュニティ主導の開発、公正でオープンなトークン配布メカニズムによって、NEARネットワークへの橋渡し役として機能していく予定です。
PangolinとNEARは、ユニークな体験と新規ユーザーへの入り口を提供するDeFiの未来を目論んでおり、NEAR上のネイティブ取引所には、以下の機能が実装されます:
- Pangolinの革新的なV2ユーザーインターフェースと指値注文
- Moonpayを介したフィアットの簡単な入金と出金
Pangolinは、DeFiの将来はマルチチェーンにあると考えており、将来的にAvalancheのユーザーベースにNEARや他のチェーン上のオプションを提供していく予定です。
DeHive
DeHiveは、最もパフォーマンスの高いトークンを1つのバスケットに統合する、利回り生成型のDeFi暗号インデックスを提供します。
DeHiveはNEAR上でDEXとLaunchpadを提供する複合ソリューション「NearPad」とのパートナーシップを確立しています。
Seatlab
Seatlabは、アーティストに、ファンとの密接な関係性を構築、不正行為を排除、不正転売の影響を軽減などのサービスを提供するNFTイベントチケッティングマーケットプレイスです。
NEAR財団は、Seatlabに過去最大規模の助成金を授与しており、これによって、Seatlabが実用的な製品をリリースするまでの期間が大幅に短縮されています。
EYWA Protocol
Eywa Protocolは、分散化、セキュリティ、そして全ての人への平等な機会の提供を哲学とするクロスチェーンデータプロトコルです。
ユーザーは、Eywaのアプリによって異なるブロックチェーン間の資産交換が可能で、低い手数料、最小限のスリッページ、流動性提供によるクロスチェーンプール報酬、ファーミングなどの提供が謳われています。
ManuFactory
ManuFactoryは、サバイバル形式のゲームを提供するプロジェクトです。ランダムに生成されるマップ上に要塞を建設、探索、防衛することを目的とするシミュレーションゲームを提供します。
プレイヤーは自身の土地を購入し、貴重な資源を求めて未開拓の地を探索し、資産と交換/売却したりすることで領地を拡大することができます。
ネイティブゲームトークンとして$MNFT(Aurora network、BSC)がリリースされています。
まとめ
ここまでご覧になられてお解りのように、NEARエコシステムには多くの注目すべきプロジェクトが集結し、発展し続けています。
NEAR Protocolは、今最も勢いのあるレイヤー1プロジェクトと言えるかもしれません。
最も「本格的」なブロックチェーンとしての道程において、 NEARはDeFi、GameFiとNFT、マスファイナンスとエコシステムファンドに注力しており、どのプロジェクトも非常に野心的で、各製品の実現に向けて精力的に取り組んでいるように見えます。
NEARエコシステムは、市場の低迷にもかかわらず、急速な発展を続けています。今後、新たな暗号サイクルが始まる中で、NEARが10大ブロックチェーンエコシステムの地位を勝ち取ることができるかどうかは、この分野における興味深いコンテンツの一つとなるでしょう。
Pontem Networkコミュニティメンバーによる作成記事をお読みいただきありがとうございます。今後もチェーンやプロジェクトの枠を超えて、暗号/ブロックチェーン分野全体の発展に向けた情報材料の共有に取り組んでいきます。