ConnextがNomadと提携：Nomadのモジュール型相互運用性スタックを紹介
ConnextはNomadとパートナーシップを締結し、トラストレスで完全に一般化されたクロスチェーン通信の採用を加速させていくこととなりました。このパートナーシップにより、チェーン間のアセットブリッジを高速、安価、かつ信頼性を最小限に抑えた方法でユーザーに提供する世界初のモジュール型相互運用性スタックが実現します！
Nomadとは？
Nomadは、Optics protocol（OPTimistic Interchain Communicationの略）の実装と拡張です。これは、安価で完全に一般化されたクロスチェーン通信のための新しいデザインで、ユーザー定義の計算をサポートするあらゆるチェーンやL2に簡単に導入することができます。
Nomadは、プロトコルの一部として楽観的パターンを利用します。Nomadを通過するメッセージのレイテンシは35～60分で、メッセージの中継者が不正を行った場合、その範囲内で不正を証明することが可能です。
Nomadは、エンドユーザーではなくDAOや他の組織が通常行う、より一般的なクロスチェーン操作に理想的なプロトコルであり、例として他のブリッジよりも根本的に低い信頼要素で、Ethereum L1から他のチェーンにUSDCを移行することを可能にします。
モジュール型相互運用性スタック
相互運用性のトリレンマに関する記事で、同時にクロスチェーン通信システムを構築することの本質的な難しさについて述べました：
- 信頼性の最小化−第三者を関与させない
- 拡張性−新しいロールアップやチェーンに迅速かつ容易に展開できる
- 一般化可能性−チェーン間で任意のデータの送信をサポートする
スケーラビリティのトリレンマと同様に、Connextが、異なる通信プロトコルを互いにレイヤー化するモジュール型アーキテクチャによってこのトリレンマを解決できることを提案しました。Nomadとの共同研究は、モジュール型相互運用性理論の最初の実例となりました。
Connext 🤝 Nomad
Connextは、チェーンとL2間で信頼性の高い価値の送信とコントラクトの呼び出しを可能にします。Nomadとは異なり、Connextは完全に汎用的な通信を可能にするわけではありませんが、レイテンシーが非常に低くなっています（通常2分）。その代わり、Nomadのような他のブリッジングシステムによって鋳造された流動性に依存し、結果として信頼性とリスクの仮定を吸収します。
ConnextとNomadの相乗効果は絶大なものとなります。Multichain、Celer、その他のシステムによって作成された資産ではなくmadTokenを使用することにより、Connextは任意のチェーンにおけるユーザーの信頼/リスク要件を劇的に軽減させることができます。
同時に、ConnextはNomadユーザーが特定のチェーン上で「高速流動性」を得る方法を提供します。Connextの低レイテンシー流動性プールを活用することによって、エンドユーザーは30分以上のレイテンシーではなく、数分で送金を行うことができるようになります。
ConnextとNomadの統合によって、開発者がクロスチェーンアプリケーションを構築するために必要なすべてを提供する相互運用性「スタック」を構成し、信頼性の要件やトレードオフを最小限に抑えることができます。今のところ、このスタックは主にアセットトランスファーに使用されていますが、同じアプローチをより表現力豊かなクロスチェーン相互作用に拡張することができます。
MoonbeamのMadlads🚀
ConnextとNomadの相乗効果は既にMoonbeamで発揮されています！
Nomadアプリでブリッジするユーザーは、利用可能な流動性とユーザーの送金サイズに応じて、ConnextまたはNomadに動的にルーティングされます。一般的に、クジラや金融機関は35mの長いNomadブリッジング時間を利用し、Moonbeamアプリケーションを迅速に利用しようとするエンドユーザーはConnext経由でルーティングされます。Connextの流動性が高まるにつれ、Nomadの利用は機関投資家向けやConnextの流動性プールのリバランスに移行する可能性があります。
今後の予定
Connextのエコシステムは、既にxPollinateなどのインターフェースにNomadを統合する作業を行っています。また、Nomadが他のチェーンやL2に展開される際には、Nomadの成長をサポートしていく予定です。
長期的には、Nomadチームと密接に協力して、オフチェーンインフラを共有し、開発者向けにオンチェーンインターフェースを統合することが目標です。これによって、プロジェクトの状況に応じて、一つの統合で、高速かつ限定的なConnextスタイルの通信や、低速で一般的なNomadスタイルの通信を活用することができるようになるのです。
Nomadについて
Nomadは、ヘッダ検証を行わないクロスチェーン通信を根本的に安価に実現する新しい設計です。すべてのスマートコントラクトチェーンやロールアップに高速で安価な通信を提供するクロスチェーン通信ネットワークのベースレイヤーを形成します。
