3つのフェーズ
by Jay Graber
Blueskyは、アイデアから始まり、コミュニティへと発展し、企業となっていく、3つのフェーズを経ています。2021年末のBluesky PBLLCの設立は、最も新しいステージの始まりであり、現在、私たちは資金とミッションを追求するための組織を手に入れたのです。
フェーズ 1:アイデア
blueskyプロジェクトは、Twitterとして分散型ソーシャルメディアのオープンプロトコルの開発に資金提供するという意向を表明したJack Dorseyのツイートから始まりました。その時、多くの人がblueskyのTwitterアカウントにDMを送り、詳細を知ろうとしました。私やGoldaもそのひとりです。TwitterのMatrixチャットルームに12人ほどが集まり、blueskyのあるべき姿について最初の議論が始まりました。
その部屋での最初のQ&Aで、Jackは「最大かつ長期的な目標は、公共の会話のための耐久性があるオープンなプロトコルの構築です」と書きました。また、「どの組織にも所有されず、できるだけ多くの人々によって貢献されること。そして、それは同じ原則でインターネット上で生まれ、進化していくことが重要である」と。
これは私たちの心に響きました。Twitterによるサポートを受けてこれに取り組みことは、既にTwitterを公共の会話のプラットフォームとして使っている人たちにとってもエキサイティングなことでした。
TwitterがMatrixルームを作ったのは、blueskyの方向性やリーダーシップがそのコミュニティから生まれるかどうかを確かめるための、自己組織化の実験の場としての意味合いもありました。Jeremie Miller(XMPPの発明者で現在はblueskyの役員)、Matthew Hodgson(Matrixの技術共同創設者)、Ian Preston(Peergosの共同創設者)、rabble(初期のTwitterエンジニアでPlanetaryの共同創設者)など多くの人が時間を惜しまず議論への洞察を提供してくれました。しかし、blueskyのコミュニティチャットルームができたのと同じタイミングで、COVID-19が世界を席巻し始めていました。2020年は組織も個人生活も大混乱に陥った1年となりました。この年の半ば、Goldaはコミュニティをより多くの開発者に開放することを提案し、私は既存の分散型ソーシャルネットワークのエコシステム概要を書くことを提案しました。
blueskyのチャットルームを拡大して60人くらいにし、そのスペースに存在する全てのプロジェクトの概要を書き始めました。blueskyプロジェクトの最終的な形はまだ決まっていませんでしたが、blueskyコミュニティはプロジェクトを横断して話すために人々をつなぎ始め、エコシステム・レビューという形で集合的な知識ベースを構築していました。
フェーズ2:コミュニティ
2020年のある日、Twitterからコミュニティグループに対して提案の依頼が出されました。私たちは、既存のプロトコルをベースにするか、ゼロから始めるか、新しい分散型ソーシャルプロトコルがどのように機能するかについて、技術提案として作成しました。2021年、Twitterはblueskyをリードする役割を決めるためにコミュニティメンバーを面接し、最終的に私が指名されました。採用ではなく指名と言ったのは、Twitter社で働き始めるのではなく、blueskyを実現するための資金提供を受ける独立組織としての立ち上げだったからです。
私がblueskyのリーダーとして公に発表されたとき、多くのメディアが興味を持つことは分かっていましたが、まだ人々を集める場所がありませんでした。そこで私はGoldaに、blueskyのコミュニティに参加することに興味がある人への開放プロセスを手伝ってくれるよう頼みました。会社創設の発表日に、私たちはblueskyweb.orgと、Discordとblueskycommunity.netの各サイトを開設しました。そこで、新規参加者の熱意をどうすれば生産的な方向に向けることができるかを議論し、コアなトピックや既存のプロジェクトにエネルギーを向けることを決めたのです。この結果、活発な議論と討論の場が生まれ、かつてはバラバラだった会話を一つにまとめることができました。
フェーズ3:起業
2021年の最後の数週間で、私たちはBluesky PBLLCを設立し、資金調達することができました。私たちは、このコミュニティを別組織として維持し、Bluesky社からの助成金で運営する形を取ることに決めました。Bluesky社は、より公共性を高め、Twitter以外の企業とのアクセスを増やし、他のプロトコルとの関わりを持つようにしたいと考えていますが、まずは雇用を終え、方向性と技術的ビジョンを明確にする必要があります。その間も、このコミュニティは議論と討論の場であり、私たちは参加しますが、会話を推進することはありません。