The Graphを使ったDAOの改善:Snapshotのケーススタディ
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The Graphは、幅広いユースケースにおいて、誰でも簡単にブロックチェーンデータにアクセスできるようにすることで、Web3における構築の参入障壁を提言します。
現在、分散型ウェブの普及が進む中、勢いを増しているユースケースの1つが分散型ガバナンスです。分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organizations、DAO)は、中央集権的組織とは対照的に、分散型コミュニティによって運営される組織としてここ数年注目を浴びています。DAOの意思決定の大部分は、ブロックチェーンに記録されたオンチェーンデータに依存します。その点で、The GraphはDAOメンバーがそのデータの正確かつ容易な読み取みを可能にする重要なプロトコルとして機能します。
では、Web3に構築されるプロジェクトが、実際にどのようにThe Graphを利用しているのかを、Snapshotを例にとって見てみましょう。
Snapshotは、人々が参加する組織の将来について協調と、集団的な意思決定の実行を可能にする分散型ガバナンスプロトコルです。Snapshotを使えば、ガス代もかからず、簡単に提案書を作成、投票することができます。既に何千人もの人々に広く使われているよく知られたツールとなっています。
Snapshotは、分散型ガバナンスを実現する上で重要な役割を担っており、The Graphの分散型ネットワークが提供するサブグラフを活用しながら、多様なコミュニティのネットワークに意思決定力を提供しています。
サブグラフは、SnapshotのUIとUXに不可欠なインフラストラクチャであるだけでなく、このような「非中央集権的な意思決定」の手段を世界にもたらすためのサポート手段としても機能しているのです。
非中央集権的な意思決定
Snapshotは、サブグラフの活用によって、DAOによるガバナンスおよび投票の方法に革命をもたらしています。このプラットフォームのオフチェーン投票機能は、効率的で検証可能な意思決定プロセスを可能にし、DAOの大規模かつ迅速な運営を支援しています。これは、一見地味かもしれませんが、自律型組織の将来にとって重要な進展です。
これまで、Snapshotは以下の統計を記録しています:
- 8.5Mのオフチェーン投票
- 8Kのプロトコルの統合
- 64.8kの提案
プロトコルが成長するにつれて、ブロックチェーンのデータを消費し、整理する必要性も出てきます。そして、こうしたニーズは、グラフネットワークによって提供されています。
PancakeSwap、ENS Domains、Arbitrum、Uniswap、Trust Walletなど、多くの有名プロジェクトだけでなく、草の根の的なスタートアップ組織などもSnapshotを活用し始めています。
例えば、Snapshotを使用する興味深いプロジェクトを挙げてみましょう。グルジアのトビリシにある小さなビール醸造所に融資するDAO「Copernicus Beer DAO」、デザイナーと開発者が共同でプロジェクトに入札するネットワーク集団「Raid Guild」、ファッションデザインを作成して一緒に販売する「Meta Factory」などがあります。
また、Snapshot上のアクティビティでは、多様で興味深いユースケースが数多く紹介されています。現在、Snapshotを利用しているカテゴリの内訳は以下の通りです:
- 28%-dApp
- 22.7%-プロトコル
- 16.2%-投資コミュニティ
- 9.9%-クリエイター
これだけ多くのコミュニティがSnapshotを利用していることからも、このスケーラビリティとカスタマイズ性がユーザーから信頼されていることがわかります。
カスタマイズの柔軟性は、様々なユースケースで共同作業を行うWeb3コミュニティにとって重要な利点となるものです。Snapshotは、グループのニーズに合わせて、様々な投票戦略をサポートしています。例えば、投票の重みを決定する戦略の1つは、NFTや特定のトークンの所有権を使用することです。Snapshotは、加重投票、ランク選択投票、二次投票など、人気のあるオプションを含む6種類の投票をサポートしています。
The GraphがSnapshotに与える影響
Snapshotは、コミュニティが、時間やロードマップ、トレジャリーなどのリソースをどのように配分するかについて、情報に基づいた民主的な意思決定を支援します。
このプロセスの信頼性と安全性を確保するために、Snapshotは、独立したグロバールな参加者によって駆動されるThe Graphの分散型ネットワークを活用しています。The Graphは、ネットワークを支える多くのインデクサーやキュレーター、デリゲーターによって、一貫した高い信頼性を提供しています。
Snapshotは、The Graph Network上のサブグラフを様々な方法で活用します。Snapshotの主な利点の1つは、投票権を委任できることです。Snapshotのユーザーは、自分の投票権を他の人に委任することができます。サブグラフで整理されたオンチェーンデータを利用して、ユーザーの投票力を計算することができるのです。
また、Snapshotはサブグラフを利用して、Gnosis Safeのマルチシグウォレットへの投票参加を可能にしています。
さらに、サブグラフデータを使用して、60種類近い投票権計算ストラテジーを動かしています。サブグラフのクエリは分散型で提供されるため、オンチェーンの履歴データに確実かつ安全にアクセスでき、Snapshotの多くのユースケースに力を発揮しています。
「Snapshotを構築する際、私たちは常に柔軟性とアクセシビリティに重点を置いてきました。サブグラフを使用することで、最小限の時間的コミットメントとセキュリティリスクなしに、ユーザーの声を聞くことができる代表制を安全に提供することができるのです。」
- Snapshot Labsエコシステムリード Nathan van der Heyden氏
未来の分散化
Snapshotを利用することで、コミュニティは分散型の方法で、高い透明性と公平性を持ったコラボレーションや意思決定を可能にします。
そして、Snapshotは、オンライン・オフラインを問わず、幅広いユースケースを持つ可能性があります。既にweb3エコシステムの企業やプロトコルで、分散型ガバナンスを促進するために利用しており、将来的には、選挙やその他の重要な意思決定プロセスの整合性を確保するために、政府がSnapshotのような分散型技術を採用することも不可能ではないでしょう。Snapshotは分散型であり、中央の権威を必要とせず、全てのステークホルダーの参加を可能にし、この種のシステムにおいて最も安全性と信頼性を保証しています。
The GraphとSnapshotは、コミュニティや組織が世界中で意思決定を行い、相互交流する方法に革命を起こしているのです。
グラフネットワークでDappを改善する
グラフネットワークを使用することで、dAppに堅牢性、セキュリティ、信頼性のレイヤーを追加することができます。中央集権的なインフラストラクチャに依存してしまうと、アプリケーションのアップタイムとユーザーエクスペリエンスにリスクが生じます。サブグラフを移行して、Snapshotのように根本的に優れたインターネットを形成することを約束するリーダーの波の一部となりましょう。
サブグラフを分散型ネットワークに移行する方法は、こちらをご覧ください。移行の際にサポートが必要な場合は、移行助成金を申請するか、migration@thegraph.foundation までお問い合わせください。