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サイドチェーンへの移行:HUMAN Protocol


サイドチェーンへの移行

著:Charlie Child

現在、HUMANプロトコルのdAppトラフィックはEthereumテストネット上で発生しています。メインチェーンは存在していますが、Ethereumのコスト高騰に対処する為に、サイドチェーンとしてEthereumテストネットを使用する事になりました。しかし、テストネットの機能は、可用性の低さ、セキュリティの低さ、パフォーマンスの低さによって制限されています。今年の第1四半期に向けては、トランザクションのバルク-支払いではなくプロトコルの作業に関連する-を、Ethereumよりも低コストで大量のトランザクションを処理できる本番用のサイドチェーンに移行させたいと考えています。

オープン性と分散化の原則に基づいて構築された業界では、1つのチェーンがその空間を支配することができ、また支配すべきだという信念があります。しかし、現実には、新しい技術の導入には協力が必要です。勝者が全てを手に入れるという考え方は、業界の真の技術的目標を損なうものであり、ユーザーのデータニーズに可能な限り最高のソリューションを提供するというHUMANのビジョンにも合致するものではありません。私たちは今後のコラボレーションが紡ぐ未来を信じています。

機械学習技術における私たちの経験上では、MLソフトウェアを実行するために「勝ち組」のクラウドを選ぶことはありません。その代わりに、マルチクラウド戦略を採用し、速度や機能、顧客/ユーザーの要件、必要な作業の価格に応じてクラウドを選択しています。これまでのところ機械学習技術者が慣れ親しんでいる成熟したコンピューティングやクラウドのエコシステムとは対照的に、ブロックチェーンを取り巻く環境は「勝者が全てを手に入れる」という態度がとられています。

マルチチェーン戦略は、TetherやUSDCが実証したように、ユーザー価値を提供するための最良のルートです。今日のHUMANテクノロジーは既に大量のトランザクションに依存している為、複数のチェーンを評価して連携するだけでなく、統合を確立し、アップタイムや可用性、コスト、スピードなどの変数や、HUMANマーケットプレイス全体で与えられた「ジョブオーダー」に関連する可能性のあるエコシステム機能に基づいて、様々なチェーンにワークロードを分散させる能力を開発する事が重要です。

私たちはサイドチェーンのベイクオフを実施し、その間、可用性、速度、遅延、集中化、セキュリティ、持続可能性などの要因に関連するチェーンのパフォーマンスを監視します。その結果をWiki上で公開し、優勝したチェーンが今後の最低基準を設定します。業界の持続可能なビジョンを確実にするために、ベいクオフに参加する全てのチェーンは、2030年までにCO2ニュートラルを達成する計画を提出しなければなりません。

私たちは、新しいプロジェクトに取り組む事で、利用可能なチェーンの負荷をスケジュールする事ができるという見通しをもっています。分散型の非カストディアルモデルであれば、どこでも仕事のスケジュールを立てることができます。とはいえ、我々は労働力のプールとトランザクション量をチェーンに移行するのは、そのインフラが成熟したときに限られます。移行は段階的なプロセスとなります。移行する際には、理論的な評価だけでなく、メインチェーンの活動の中で、要求事項の管理を体系的にテストしながら、これらの技術を評価していく必要があります。

勝者の選定結果となるのは、市場、ユーザー、ステークホルダー次第です。もちろん、HUMANは、コスト、スピード、アップタイム、および技術的な成熟度に応じてチェーンをグレーディングすることを考慮して、どのプロジェクトに取り組むかを選択します。しかし、可能な限り最高の技術を集め、テストし、評価した後は、HUMANプロトコルソフトウェアをどこで使用するか、エコシステム内でどこにタスクを配分するかは市場が決定することになります。

私たちは、HUMANソフトウェアの有機的で柔軟な展開を可能にしたいと考えています。私たちの計画では、プロトコルの様々なアプリケーションがエコシステム内の最適なチェーンに流れるようにしています。

HUMANのbotブロック技術は「あるチェーン」に、hCaptchaは「別のチェーン」にという形になるかもしれません。機械学習の仕事が特定のクラウドに向いているものがあるように、HUMANプロトコルのユーザーや仕事も特定のチェーンに向いているものが存在します。

これがブロックチェーン業界の成熟への道筋を切り開いていくものになると信じています。より確立されたクラウドテクノロジーでは、マルチプラットフォーム戦略のメリットが示されていますが、ブロックチェーン業界にも同じメリット、つまり特定の仕事を最適なチェーンに適切に移行することが適用されると考えています。これはケースバイケースであるため、マルチチェーン戦略が提供する柔軟なソリューションは、今のところ業界をマルチチェーンの未来へと導く為の最良の答えであると考えています。

SolanaやPolkadotなどのメインチェーンを活用したHUMAN Protocol財団の取り組みについては、近日中に別の記事を公開予定です。

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