hCaptchaはHUMAN Protocolにどのように適合するのか？
hCaptchaは、毎月何億人ものユーザーがウェブサイトやモバイルアプリを操作する際に使用しているオンラインセキュリティサービスです。hCaptchaが提供するいくつかの機能を可能にするのがHUMAN Protocolの技術です。この記事では両者の関係を概説し、HUMANがどのようにして誕生したのかについて説明します。
始まりはある問題から…
Intuition Machines社は、企業顧客向けに様々な製品やサービスを提供している機械学習企業です。IMの製品は大規模に運用されており、業界のより大きなトレンドの先駆けとなることも多々あります。
その一例が、機械学習製品における必須要件であるデータセットのアノテーションの分野です。2017年にIMはアノテーションについて、大規模なスケールと迅速なターンアラウンドタイムの両方を、リーズナブルなコストで、かつ完全に自動化された方法を必要としていました。
現状でその能力を持っているのはGoogleだけであり（reCAPTCHA提供を介して受信したアノテーションによる）、彼らは行われた「作業」に対して一切の補償をしていないことに気付き、IMは2018年初頭にhCaptchaを立ち上げました。
reCAPTCHAのより公平かつプライベートな代替手段として設計されたhCaptchaは、MLの実務者がデータセットを改善する為に必要なアノテーションへのアクセスを民主化するのに役立ちます。reCAPTCHAとは異なり、hCaptchaはまた、人間による検証作業に対してインテグレータに補償を行います。(CloudflareなどのhCaptchaセキュリティサービスを採用しているエンタープライズインテグレータは補償されるのではなく、より多くの機能に対してIMに支払いをしています)。
これがHUMANにどう関係しているのでしょうか？
hCaptchaサービスを設計・構築している間に、もっと大きな問題が存在する事が明らかになりました。それは、ソフトウェアを介して労働力の組織化、管理、報酬の支払いを可能にする方法です。
その方法に対する最適な答えは、将来的に共通のネットワーク上で動作し、共通のプロトコルを話す事ができ、人間の知能に完全にソフトウェアで定義されたアクセスを提供する事ができる、多くのワーカーによって構成される労働力プールの構築です。アノテーションは最初のユースケースであり、人間にとっては簡単であるが機械にとっては難しい質問をし、反復して実行する事は、機械知能の構築と改善に不可欠な要素です。
HUMAN Protocolは、ブロックチェーン技術を介してhCaptchaと他の多くの労働力プールの両方へのアクセスを自動化し、分散化するために設立されました。プロトコルは、仕事の依頼者が人間や機械の労働力を評価し、補償する事ができる分散型の自動化されたマーケットプレイスの確立を容易にするソフトウェアルールのセットなのです。
プロトコルは広く適用可能であり、どのような種類の労働力がマーケットプレイスで取引されるかは規定されていません。依頼者が設定できる仕事の種類は、その想像力によってのみ制限されており、言い換えれば無限に存在します。
HUMANチームは、曖昧な契約ではなく、公正で透明性を持つソフトウェアで定義されたルールが要件を設定し、支払い機能を確保して、仕事や労働力プールの依頼者が協力できる様にする事で、プロトコルをあらゆる種類の分散市場に適用し、効率性を高め、摩擦を減らし、継続的に発展させることができると考えています。
これが、HUMANがオープンソース・コミュニティの多くのパートナーと協力して、プロトコルの採用と改善に取り組んでいる理由であり、まずはHUMANネットワークに参加する事で利益を享受できる既存のアプリケーションに焦点を当てています。
インテルのCVATツールは良い例です。人気のあるオープンソースのアノテーション・プラットフォームとして、多くの企業が既にその使用に慣れています。HUMAN Protocol Foundationは最近、CVATとプロトコルの統合を実証し、世界中の労働力プールへの透明なアクセスを提供しました。
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