Notionalの2022年の振り返り
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2022年は暗号分野にとって困難な年となり、Notionalもまた、市場全体と同様にTVLと利用指標を年間を通じて減少させることになりました。
一方で、2022年はNotionalが構築しているもの、つまり安全で透明なオンチェーンレンディング市場の必要性を強化する非常に生産的な一年であったとも言えます。そして、業界全体としてもNotionalとしても、2023年は2022年の教訓を活かして大きな成功を収めることができる年になると楽観視しています。
2023年の目標
私たちは、2023年末までにプロトコルが力強い有機的成長と経済的持続性を達成できると信じており、この目的の達成のために以下の目標を設定しています:
- 借入残高を$21Mから$150Mに増加させ、プロトコルの手数料収入を年間$1.35Mに増加させる。
- オーガニックLPのリターンを増やし、NOTE流動性インセンティブの排出を70%減らし、年間390万NOTEとする。
既にリリースした製品と現在開発中の機能によって、私たちはこの目標を達成し、2023年にNOTIONが力強く有機的に成長するための正しい軌道に乗ることをと信じています。
業績
Notionalの2022年のマイルストーンの達成について見ていきましょう。設立初年度にNotional V2はローン総額6億6000万ドルを達成し、ピーク時には9億7500万ドルのTVLを集め、固定金利のレンディングプロトコルとして圧倒的な地位を確立しました。そして市場の急激な変動下においてもNotional V2が問題なく機能し、リスクを嫌う貸し手にとってこのプロトコルが安全で確実なものであることを証明することができました。
開発の観点では、NOTE ステーキング・モジュールと初期のBalancer/Aura レバレッジボールトという 2 つの製品をリリースしました。NOTEステーキングモジュールは、345.5ETHの再投資を促進し、NOTEの流動性を持続的に刺激し、NOTIONユーザーに230万ドルの保険資本を提供しました。レバレッジボールトは最近ベータ版がリリースされ、これまでのところ~$3Mの利用があり、今後のNotionalのサービス全体において大部分を占めることが想定されます。
課題
2022年は、Notionalが永続的な成功を収めるために改善すべき2つの課題も明らかになりました:
- 借入需要の喚起:多くのユーザーは固定借入金利を重視していますが、現状のNotionalの固定金利借入は他のプラットフォームでの借入に比べて欠点があることがわかりました。固定金利借入のUXが複雑で、変動金利での利用と比較して柔軟性に欠けるという部分です。
- オーガニックなLPのリターンの増加に焦点をおくNoitonalは、市場および貸し借りの流動性提供においてLPに依存しています。LPがいなければ、誰もNotionalを利用することはできません。これまで、LPの資金を引き付け、維持するためにNOTEインセンティブに大きく依存してきましたが、これは持続不可能な仕組みです。Noitonalがプロトコルの持続可能性と長期にわたる強力な成長力の維持を達成するためには、オーガニックLPリターンの増加が必要となります。
これらの課題は新しいものではなく、コアチームは数ヶ月前からこれらの課題の解決に取り組んできました。私たちは、Notionalの更なるレバレッジドボールトの開発と変動金利利回りの向上が、2023年のこれらの課題の克服に向けた大きな進展をもたらすと期待しています。
財務状況
Notionalは強固な財務状態にあり、仮に収益がゼロ成長であっても、プロトコルは2.5–3年間、現状と同レベルの運営と開発への投資を続けることができます。以下は、その数字の全容です。(注:現在、COMP インセンティブ収入をNOTE ステーカーのNOTE 再投資/報酬資金として使用)
- 手元資金:500万ドル
- 現在の年間経費(従業員数とオペレーション):$1.7M
- 現在の年間経費(セキュリティ監査) :$300k
- 現在の年間収入(手数料):$200k
- 現在の年間収入(COMP奨励金):$388k
Notionalの収益について
Notional、取引手数料とCOMPインセンティブの2つの収益を得ています。COMPインセンティブ収入は、NotionalのCompoundとの統合から派生しており、NotionalのCOMPインセンティブ収益は、プロトコルのTVL * Compound上のサプライヤーCOMPインセンティブ収量に等しくなります。
Notionalが獲得するインセンティブ収入は一時的なものであり、COMPインセンティブがいつまで続くかはわかりません。しかし、もしNotionalがCompoundの統合をEulerに切り替えた場合、Eulerのインセンティブ収量が大きいため、同じ量のTVLでインセンティブ収量を3倍にできることは注目に値します。
Notional の長期的な収益源は取引手数料です。ユーザーが貸し借りをするたびに、Notionalは0.25%の日割り計算の手数料を得られます。手数料は、満期までの時間によって按分されます。(1年間の融資でNotionは融資額の0.25%を獲得し、6ヶ月の融資では0.125%を獲得するなど)
Notional の取引量と手数料の発生を測定・予測する最も有用な方法は、債務残高です。借り手は貸し手とアービトラージャーのために機会を作り、取引と手数料の発生を促進します。これまでもNotionalは債務残高の0.9%に相当する年率の手数料収入を生み出してきました。大まかに言えば、1億ドルの債務残高は、1年間で90万ドルの手数料を生み出すことになります。
借入金残高の増加
レバレッジボールトと新規通貨の上場は、Notionalの債務残高の伸びの主要な原動力となることが想定されます。私たちは、債務残高の成長が主に ETH及びETHステーキングデリバティブとステーブルコインの二つから来ることを把握しています。来年上半期には通貨リストを大幅に拡大し、全ての主要なETHステーキングデリバティブと主要なステーブルコインを含める予定です。
新たな資産の上場と新しいレバレッジボールトは、新しい通貨に対する借り入れ需要を生み出すと同時に、Notional上の類似資産間の金利アービトラージの機会を創出することになります。来年末までにETHとETHステーキングデリバティブの間で$75Mの借入残高、ステーブルコインの間で$75Mの借入残高を目指すことは現実的かつ達成可能だと考えています。
オーガニックなLPリターンの増加
プロトコルのNOTEインセンティブへの依存をなくすには、流動性を提供することで追加的なインセンティブなしに十分な利益を得ることができるようにする必要があります。有機的なLPリターンを増加させるための戦略は、3つのポイントに依存します — レバレッジボールト、コンパウンドを超えるベースマネー市場の統合の拡大、LP効率を2倍にする流動性カーブの変更です。
これらの3つのポイントを実行することで、オーガニックリターンを増加させ、プロトコルが必要とする流動性の量を減らすことによって、NOTEインセンティブを大幅に削減することができます。レバレッジボールトはLPの利用率を上げ、LPの貸し出し率を上げます。Compoundから資金を移動させることで、NOTIONのLPは未使用の資本に対してより高いレートを得ることができ、効率性を向上させる新しい流動性カーブは、LPの利用率を上げ、Notionalの運営に必要な流動性の量を減らします。
この戦略を組み合わせることで、オーガニックLPのリターンを市場をリードする利率まで引き上げ、ユーザーが流動性を提供するインセンティブの大部分ではなく、NOTEインセンティブを小さな追加ボーナスとして使用できるようになると考えています。
まとめ
2022年は浮き沈みがありましたが、その一方で、Notionalで構築しているものの必要性と重要性を証明することができました。プロトコルは課題を抱えていましたが、その課題を解決するための正しい計画を立て、その計画を実行するために必要なリソースを有していると確信しています。2023年、Notionalが飛躍の年となることを期待しています。
Teddy
今後のNotionalにご期待ください!