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Lineraホワイトペーパーの発表


Lineraホワイトペーパーの発表

次世代Web3アプリケーションのための高速でスケーラブルなマルチチェーンプログラミング

Linera

翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

構築と成長の継続

今年の初め、私たちはLineraのシード資金の獲得を発表しました。それ以来、私たちはチームと開発者コミュニティを成長させ続けています。

Lineraは当初、Metaで開発された学術的な低遅延決済プロトコルFastPayにインスパイアされていました。Web3開発者のニーズを最前線に、私たちはこのコンセプトをさらに推し進め続けています。8月には、スタンフォードブロックチェーン・カンファレンスに招待され、コアマルチチェーンプロトコルとLineraのプログラミングモデルに関する最新の開発内容を含め、Lineraプロトコルの背後にある理論を初めて発表しました。

私たちは、Lineraプロトコルの開発と、開発者コミュニティにサービスを提供するために必要なソフトウェア・インフラの構築を続けています。


ホワイトペーパーの紹介

本日、Lineraのホワイトペーパーを発表し、数年にわたる研究を基に、コアプロトコルと将来的なアプリケーションに関する最新のビジョンをお伝えします。

スケーラビリティの問題

Web3は、開発者とユーザーの創造的な可能性を大きく広げました。しかし、シームレスなUXを持つWeb3アプリケーションの開発は、現状では困難です。その課題の一つが、規模に応じた信頼性と応答性です。ユーザーが多くのトランザクションを送信しようとすると、従来のブロックチェーンはブロックのサイズと速度に制限され、応答を停止したり、高額な手数料を要求することがあります。

この課題に対して、Web3アプリケーションの開発者は従来、複雑な障害シナリオを舞台裏で処理し、ブロックチェーンインフラの限界の緩和に取り組んできました。

高速でスケーラブルなマルチチェーンプログラミング

Lineraは、段階的なアプローチではなく、最初からスケーラブルなレイヤー1のブロックチェーンインフラストラクチャを設計しました。

Lineraがスケーラブルな理由
Lineraは、同じバリデーターセットで多くのチェーン(潜在的に数百万)を並行して運用する考え方を導入しています。これを「マイクロチェーン」と呼んでいます。Lineraでは、スケーラビリティはチェーンの追加によって得られ、ブロックのサイズや速度を増加させることによるものではありません。私たちは、ユーザーが独自のマイクロチェーンを運用することを推奨しています。マイクロチェーンが一人のユーザーによって運用される場合、Lineraは信頼性の高いブロードキャストにヒントを得た簡略化されたメンプールフリーコンセンサスプロトコルを使用します。ブロックのレイテンシーを減らすことは、Web3アプリケーションの応答性を高めるために重要となります。

マイクロチェーンとバリデーターの連携方法
Lineraでは、バリデータはすべてのチェーンを検証し実行する、Web2のような弾力的なサービスを提供します。これを「統合マルチチェーンアプローチ」と呼んでおり、これはLineraシステムに存在するマイクロチェーンの数は無制限であることを意味するものでもあります。新しいブロックで積極的に拡張されているチェーンだけが、バリデータの作業を必要とするために成り立つ仕組みです。マイクロチェーンは非同期メッセージで互いに通信し、各バリデーターの内部ネットワークを活用することで効率的に実行されます。

高い需要下で最高のパフォーマンスが必要な場合は?
需要が高いとき、バリデータは必要な数の内部ワーカー(シャード)にワークロードを分割することで、弾力的にスケールすることができます。Lineraのシャーディングは内部で行われ、エンドユーザーからは見えません。

マルチチェーンプログラミングモデルがもたらす可能性は?
Lineraアプリケーションの状態は、通常チェーン間に分散されています。これによって各Web3アプリケーションは、低コストで効率的なマルチチェーンアーキテクチャを活用することで、弾力的な拡張性を得ることができます。つまり、統合されたマルチチェーンアプローチによって、アプリケーションは高速な非同期メッセージを使ってチェーン間で連携し、構成することが可能になります。また、応答性に加えて、Lineraの低ブロックレイテンシはアプリケーションのコンポーザビリティにとって非常に重要であり、他のチェーンからの非同期メッセージの受信者が新たなブロックを追加することで迅速な応答が可能になります。

セキュリティと分散化の管理方法は?
従来のマルチチェーンシステムと比較して、全てのマイクロチェーンを同じバリデータで実行する利点は、チェーンを作成してもLineraのセキュリティモデルには影響がないことです。

Lineraは、セキュリティの確保のために委任型のプルーフ・オブ・ステーク(DPoS)に依存しています。各マイクロチェーンは、コモディティハードウェア上で個別に実行することができ、これによって、クライアントと監査人は継続的に独自の検証を実行し、検証者がその責任を負う仕組みを導入しています。

Linera上への構築

私たちは、開発者がLinera上での構築環境を可能な限り開発者フレンドリーかつ容易なものにすることを考えています。Lineraのプログラミングモデルは、特定のプログラミング言語に依存するものではありません。慎重な検討の結果、Lineraの最初の実行レイヤーには、WebAssembly (Wasm) とRustを採用することに決定しました。

新たな可能性の創造

Lineraは、マルチチェーンプログラミングを高速かつスケーラブルにすることで、データベースをSQLからNoSQLに進化させるようなパラダイムシフトをもたらし、次世代のWeb3アプリケーションへの道を切り開くことを目的としています。私たちは、開発者がこのユニークなアーキテクチャとパフォーマンス能力をどのように活用していくのかについて、非常に楽しみにしています。

Lineraの技術的な詳細については、ホワイトペーパーの完全版をご覧ください。Linera Devnetの利用可能性など、プロジェクトに関する最新情報については、Twitterでフォローし、メールマガジンにご登録ください。Telegramでは、アナウンスチャンネルディスカッションチャンネルを用意しています。私たちは、Lineraのインフラがどのように開発者による新たな構築をサポートできるかについて、活発な議論ができることを期待しています。
-Lineraの創設者兼CEO、Mathieu Baudet