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グラフネットワークへの移行プロセスに関するアップデートについて


グラフネットワークへの移行プロセスに関するアップデートについて

The Graph Foundation

現在、The Graphは、既存のサブグラフをホスティングサービスからグラフネットワークに移行するための取り組みを進めています。これはデータの完全な分散化を実現するための重要なマイルストーンとなります。

The Graphのエコシステムは、この原則がなければ、今日の姿にはならなかったと思います。それは「世界のオープンデータへのアクセスは、サイロ化された特権ではなく、公共財であるべきである」というものです。

このビジョンを実現するためには、過去20年間に定着した中央集権的なクローズドソースの慣行からの脱却が必要となります。独占的な権威を信頼することなく、世界中の公共データに誰もがアクセスできる未来を築くこと、つまり活気ある非中央集権的な未来を切り開くことにあります。

グラフネットワークは2020年にローンチし、インデックス化されたブロックチェーンデータへのアクセスを可能にする、インターネット初の分散型の方法として、Web3が生み出すパラダイムシフトの先駆けとなりました。それ以来、何百人もの開発者たちが、何千ものアプリケーションの構築に、この分散型ネットワークを利用しています。この採用率に加えて、ネットワーク上のサービス品質の向上と遅延の減少が、Graph Day 2022で発表されたホスティングサービスのサポート終了の理由の1つでした。

このブログでは、The Graphの全てのユーザーに対するアップデートについてお伝えします。

ホスティングサービスの今後の展開

ホスティングサービスは、全てのチェーンに対するサポートを突然終了することはありません。ホスティングサービスは、各チェーンのコア機能に達するまで、チェーン単位で無料で使用できるようになり、実運用で依存する重要なサービスから遮断されることはありません。

2023年Q1にホストサービスが終了するとした当初の発表について、詳しく説明します(訂正もあります):

  • 移行プロセスは、対象となるチェーンがグラフネットワーク(記事執筆時点ではイーサリアムのメインネットのみ、Gnosis Chainがまもなく登場予定)でサポートされるようになった場合にのみ適用されます。
  • 全プロセスは、日付ではなく、特定の終了基準とMIPsプログラムを介したインデクサーの準備によって駆動されます。

サブグラフの開発者は、自分が利用しているチェーンのサポートが恣意的に、あるいはすぐに打ち切られることを心配する必要はありません。また、移行プロセスを通じたコミュニティによるサポートも用意されており、クエリ料金、クエリコスト、サービスの質、ネットワーク上での開発者の全体的な体験の向上などの改善にも取り組みを続けています。The Graphのコア開発者は、移行に関する開発者サイドの懸念を認識しており、よりシームレスなネットワーク体験を実現するためのソリューションに取り組んでいます。

フィードバックは、The GraphのDiscordForum、専用サポートメールmigration@thegraph.foundation から常時受け付けています。

ユーザーへの豊富なコンテキストの提供がない状態で、ホスティングサービスの中止・移行計画を発表したことは、間違った動きでした。そのため、The Graphエコシステムとしては、各利害関係者の声を聞き、軌道修正に努めています。

非中央集権的データの推進

The Graphエコシステムは、ユーザーの期待に応えつつ、活気に満ちた非中央集権の未来を迎えるための段階を着実に歩んでいます。ここでのバランスを重視するため、ホスティングサービスのサポート停止はチェーンごとに3つの移行段階に分けられて進められ、プロセスは、ユーザビリティや安定性、コア機能などの基準に依存します。

ホスティングサービスチェーンは段階的に移行しする形で、開発者が分散型ネットワークに慣れ、サブグラフを移行するのに十分な時間が与えられるように進められていきます。

ホスティングサービスからグラフネットワークへの移行における各フェーズに特定の日付は与えられません。開発者のニーズに対応して、主要な終了基準を達成することが、ホスティングサービスのサポート終了における最優先事項となります。ホスティングサービスチェーンごとに終了基準に達すると、そのチェーンは3つの段階で移行していきます。MIPsプログラムの進捗を見ることで、チェーンがいつインデクサーによってテストされ、ネットワーク上でサポートされ、チェーンごとに移行が始るのかを把握することができます。

各ホストサービスチェーンについて、The Graph Networkでのサポートを可能にするための3つの段階は以下の通りです:

  • フェーズ1(The Sunray)ネットワーク上で十分なコア機能を持つブロックチェーンに対して、新しいホステッドサービスサブグラフの作成を無効化
  • フェーズ2(The Sunbeam)ホスティングサービスサブグラフのアップグレードを無効化
  • フェーズ3(The Sunrise)ホスティングサービスサブグラフのクエリを無効化

イーサリアムメインネットは当初、2022年Q3までにThe Sunrayフェーズに入ると予測されていましたが、分散型ネットワークでのユーザー体験をできるだけ早く改善するために、一時的に延期されることになりました。The Graphの開発者とユーザーは、分散型エクスペリエンスの品質バーを設定しています — そして、それはこのような理由のためです。

イーサリアムは、分散型ネットワークに対する主要なUXの改善がリリースされるまで、ホストサービスからの移行を開始しないでしょう。サブグラフ開発者のニーズを聞くことで、この移行プロセスを日付ではなく終了基準によって駆動するように方向転換することの重要性が浮き彫りになりました。コア開発者とグラフ財団は、フェーズ 1 の開始時にサブグラフ開発者と連絡を取り合う予定です。

チェーンが移行プロセスのどの段階にあるのか、最新の情報を得るには、ホスティング・サービス・サンセットに関するFAQを参照してください。

完全な非中央集権化が、The Graphエコシステムのタイムクリティカルなコアミッションであることに変わりはありません。グラフネットワークのUXの改善は、分散型インフラストラクチャを構築することを望む開発者のプールを広げるための手段であり、web3の進行を妨げるものではありません。 堅牢で安全なDappsを作成しようとする開発者は、イーサリアムサブグラフの移行を待つ必要がなく、分散化によって確保された強力な機能は現実のものとなっています。そして、既に何百人もの人がグラフネットワーク上に構築することで自分のアプリをレベルアップさせることを選択しています。

分散化の促進に協力している皆様に感謝します

グラフネットワーク上で500以上のサブグラフが誕生したことに、大きな祝福を贈ります。今日のThe Graphは、チームに信頼を寄せている開発者、貢献者のエコシステムなくして存在し得なかったでしょう。既にグラフネットワークに参加している初期の移住者はす全て、分散化によって恒久的に保護された、より良いインターネットのパイオニア的な存在です。これらのパイオニアには、LidoSushiConnextArt BlocksYearn Finance、その他多数が含まれます。The Graphの可能性を最大限に発揮するための全ての作業は、活気に満ちた分散型の未来に共にコミットすることで共同で行われていることなのです。

この状況は、多くの点で電気自動車のアーリーアダプターに似ています。「ユーザーは非中央集権に関心がない」という単純なシナリオをデフォルトにするのは簡単です。電気自動車が2~3倍の価格である場合、多くの人が自動車の排出ガスのために購入を決断することがないのは事実です。

しかし、同じ利便性が提供できる水準に立てば、多くの消費者が電気自動車を選ぶようになります。

同じように、web3の目標は、誰もが使いたいと思う、より良いインターネットの構築にあるのです。The Graphは、完全に分散化されたネットワークという当初のビジョンを実現することで、公平で均等な競争の場をもたらすことを約束します。

グラフネットワークの利用を開始するには

まずは、イーサリアムメインネットのサブグラフの分散型ネットワークへの移行方法を学びましょう。

移行に関してサポートが必要な場合は、移行助成金を申請することができますし、migration@thegraph.foundationに問い合わせることもできます。

また、初期の移行者には移行報酬が用意されており、分散化に向けた貢献への感謝として、移行し、その過程で生じた課題についてフィードバックを提供した開発者などにも、移行報酬が提供されます。

また、グラフ財団は、マルチチェーン奨励プログラム(MIPs)プログラムを通じて、The Graphの分散型ネットワークにおけるインデクサーの新規参加のサポートを行っています。MIPsプログラムにおける報酬の詳細はこちらをご覧ください。

The Graphのコミュニティは、Discordでも非常に活発で、反応の良いサポート体制が整っており、誰でもいつでも議論に参加し、技術サポートを依頼することができます。

The Graphエコシステムは、活気に満ちた分散型の未来へのあらゆる段階において、個々の開発者と世界中の人々に力を与える真の分散型Webのビジョンをサポートしていきます。

今後のThe Graphにご期待ください!


The Graphは、インデックス化されたデータを分散化されたオープンソースの方法で提供します。これは、中央集権的なデータストアによる、サイロ化や恣意的な操作から世界を解放するものです。

web3領域にコミットするのであれば、個人や企業としての収入源としてインデクサーの運用を開始することも良い選択肢となるでしょう。詳細はThe Graph Docsを参照し、The Graph Academyで学びを深めてください。


The Graphについて

The Graphは、分散型ウェブのインデックス×クエリレイヤーです。開発者はサブグラフと呼ばれるOpen APIを構築・公開し、GraphQLを使ってクエリを実行することができます。現在、Ethereum、NEAR、Arbitrum、Optimism、Polygon、Avalanche、Celo、Fantom、Moonbeam、IPFS、PoAなど39種類のネットワークからのデータ・インデックスをサポートしています。現在までに、63,000以上のサブグラフがホスティングサービスにデプロイされており、Uniswap、Synthetix、KnownOrigin、Art Blocks、Gnosis、Balancer、Livepeer、DAOstack、Audius、Decentraland などのアプリケーションで、数万人の開発者によって利用されています。

グラフネットワークのサービスが2021年7月に開始されて以来、500以上のサブグラフがネットワークに移行し、既に180以上のインデクサーがサブグラフのクエリを提供し、9,300以上のデリゲーター、2,400以上のキュレーターが参加しています。現在までに400万GRT以上(サブグラフあたり平均1万5千GRT)がシグナリングに活用されています。

アプリケーションを構築している開発者は誰でも、ブロックチェーンからのデータのインデックス作成やクエリにサブグラフを活用できます。The Graphのメカニズムにより、アプリケーションへの効率的なUIへのデータ表示が可能で、他の開発者もあなたのサブグラフを使用することが可能となります。Subgraph Studioを使ってサブグラフをデプロイしたり、Graph Explorerにある既存のサブグラフをクエリすることもできます。

The Graphには、誰でもインデクサーキュレーターデリゲーターとして参加することができます。また、The Graphの各コンテンツをフォローすることで、コミュニティに参加できます。The Graphのエコシステムでは、開発者同士のコミュニティが拡大を続けており、互いにサポートし合って運営されています。

The Graph Foundationは、グラフネットワークを統括し、Technical Councilにより統括されています。Edge & NodeStreamingFastFigmentSemioticThe GuildMessariGraphOpsらが、The Graphエコシステム内のコア開発組織として機能しています。

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