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イーサリアムの歴史


イーサリアムの歴史

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2009年の誕生後、ビットコインブロックチェーン業界全体の生みの親となりました。今日でも、ビットコインは市場における支配的地位を維持しています。しかし、時が経つにつれて、その地位を脅かす新たなプロジェクトが市場に登場します。そのプロジェクトの1つがイーサリアムです。

今回は、イーサリアムがどのようなもので、どのように発展してきたのかについてお話します。

イーサリアムの歴史

Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)とは?

ヴィタリックは、ロシア系カナダ人のプログラマーであり、イーサリアムが登場したのは、この人物による功績です。ヴィタリックがその構想を練り始めたのは、彼が19歳のときでした。その後、イーサリアムの開発に専念するため、ヴィタリックは大学を中退し、ティールフェローシップから10万ドルの助成金を獲得しています。

イーサリアムの開発

ヴィタリックは、2013年に初めてイーサリアムについて公に言及し、同年11月27日にはホワイトペーパーをリリースしています。そして2014年04月01日に、Gavin Woodが執筆したEthereumプロトコルのテクニカルペーパーである「Yellow Book」が公開されました。

2014年初頭に、スイスでEthereum Switzerlandが登録されました。当時、スイスでは多くの金融機関が開発を進めていたことが、イーサリアムプロジェクトの急速な発展を遂げるきっかけとなっています。

その後、多くの企業や開発者がイーサリアムに興味を持ち始め、2014年07月22日から実施されたICOには、約31,550BTC(当時のレートで1843万9086ドル)の資金が集まっています。

同時に、イーサリアムの運営組織としてVitalik Buterin氏を代表とし、エグゼクティブディレクターとしてAya Miyaguchi氏、ボードメンバーのPatrick Storcheneger氏などが参加する非営利団体Ethereum Foundationが設立されました。

イーサリアムは、ローンチ以来、複数回のプロトコル・アップデートを実施し、プラットフォームの機能に大きな変化をもたらしてきました。イーサリアムのアップデートには「ハードフォーク」を伴います。

DAOのハッキング

2016年5月、史上初のDAOとなる「The DAO」が発足しました。

DAOは、分散型の管理構造を持つ自律組織であり、各DAOメンバーは、保有するガバナンストークンの数に応じて、組織の特定の変更に投票することができます。DAOの全ての決定はコンセンサスによって実行され、全てがスマートコントラクトに基づいて機能する仕組みです。

2016年6月18日、とあるハッカーがプログラミングミスを発見し、DAOがハッキングされました。このハッカーは、DAOの資本の3分の1に及ぶ360万ETH以上を奪うことに成功しており、市場はこのニュースにネガティブな反応を示し、ETHのレートは一時13ドル以下にまで暴落しました。

この出来事は、イーサリアムの信奉者たちの間に不満と議論の波を引き起こすことになりました。‍

6月17日、ヴィタリックは、DAOがハッカーの攻撃を受けたことに対する解決策を提案しました。それは、ブロックチェーンのハードフォーク、具体的には、ハッキングが発生していない状態に巻き戻す(ロールバック)方法の実施です。そして、フォークの賛否を問う投票がETH保有者によって行われ、フォークの決定は85%以上の票を集めました。

投票の結果、イーサリアムコミュニティの一部がこの変更決定に同意できないとして、イーサリアムの分裂を招くこととなりました。そして現在も、イーサリアムには、現在のイーサリアムと、ロールバックを好まない人々によって作られたイーサリアムクラシックという2つのバージョンが存在することとなったのです。

イーサリアムクラシックは、イーサリアムとは全く及ばない規模となってしまいましたが、まだ存在しています。

On this occasion, Vitalik wrote that his team will not impede the development of the new community.

Ethereum recovery

From February to May 2017, Bitcoin has risen from $975 to $1400.

この際、ヴィタリックは、「イーサリアムチームが新たに誕生したコミュニティの発展を妨げることはない」と記述しています。

イーサリアムの回復

2017年2月から5月にかけて、ビットコインは975ドルから1400ドルへ上昇しました。

ビットコインの価格上昇の後、他の暗号資産も価値を上げ始めました。その中には、当時ハッカーの攻撃から完全に回復し、順調に稼動していたイーサリアムも含まれています。

この急成長を見た投資家たちは、暗号資産への投資をし始め、トランザクション数は〜20万件へと大幅に上昇しました。当時、イーサリアムは既に順調に機能していたこともあり、多くの投資家がビットコインの代替通貨としての検討をし始めたという要素もあります。

こうして、ETHの為替レートはまず11ドルから84ドルに上昇し、2017年5月には200ドルを突破しています。

2017年夏、ビットコインはまだ上昇を続けており、イーサリアムもまた、史上最高値となる411ドルを試し、秋の半ばには300ドル近辺で取引されるようになりました。

ETHがこれほど急速に価格上昇した要因は、ビットコインだけではありません。同時に、多くのプロジェクトがイーサリアムのプラットフォームに強い関心を持ち、数多くのブロックチェーンアプリケーションを立ち上げられていったのです。実際に、2017年には1,090のDAppsと700以上のトークンがETHのブロックチェーン上でローンチされています。

新たなハードフォーク

イーサリアムのハードフォークは全部で12回ありました。Frontier Thawing, Homestead, DAO Fork, Tangerine Whistle, Spurious Dragon, Byzantium, Constantinople, Istanbul, Muir Glacier, Berlin, London, Arrow Glacierです。

ここでは、Metropolisの一部であるハードフォーク、ConstantinopleとByzantiumについて説明します。

2017年に、VitalikはEthereumをProof-of-WorkプロトコルからProof-of-Stakeプロトコルに移行することを目標としました。PoSプロトコルはコンセンサスを得るPoWプロトコルとは異なり、専用のウォレットにコインをデポジットして稼働するバリデーターによってトランザクションを検証するもので、PoSではブロックはマイニングされるのではなく「フォージ(鍛造)」されるのです。

イーサリアムのエコシステムに大きなアップデートとしてメトロポリスを実現するために、ビザンチウムコンスタンチノープルという2つのハードフォークが計画されました。

ビザンチウムは、8つのEthereum Enhancement Protocols(EIP)で構成されており、ハードフォークは2017年10月に実施しました:

1. EIP-140. ガスを支払ないことでトランザクションを停止する機能:従来は、誤ったトランザクションにもユーザーがガスを支払っていました。

2. EIP-658. トランザクションレシートに、トランザクションの結果(成功したか失敗したか)についての情報が追加。

3. EIP-196, EIP-197. 楕円曲線スカラー倍算を追加し、ZK-Snarkを可能に。

4. EIP-198. 一部の署名チェックのサポートを追加。

5. EIP-211. 変数値への対応を追加。

6. EIP-214. STATICCALL操作コードを追加し、他のコントラクトへの非状態変化呼び出しを可能に。

7. EIP-100. 難易度調整式を変更し、アンクルブロック(オマーブロック)を考慮。

8. EIP-649. ディフィカルティボムの遅延。

コンスタンチノープルのハードフォークは、2019年2月28日に実施され、4つのEthereum Enhancement Protocol(EIP)で構成されていました:

1. EIP-145. ネイティブのビットシフトの実装が改良。

2. EIP-1014. オフチェーンアドレスとの相互作用が可能に。

3. EIP-1052. バイトコードを確認可能に。

4. EIP-1234. ディフィカルティボムの遅延。

コンスタンチノープルは当初2018年10月に予定されていましたが、ハードフォークが、ブロック4,299,999で2時間停止するという問題が発生。その後ブロック処理が再開されましたが、トランザクションはゼロでした。

このハードフォークは延期され、最初の実行からほぼ1年後に完了しました。

サンクトペテルブルグコンスタンチノープルはもともとは、5つのEIPで構成されており、5つ目の改良は「EIP-1283: ダーティマップなしのSSTORE用ネットガスメータリング」でした。サンクトペテルブルグのアップデートでは、この提案によってセキュリティの抜け穴が明らかになったため、このEIPを削除しました。

イーサリアムはどのように価値を持つのか?

スマートコントラクト
1996年に、科学者のNick Szaboがスマートコントラクトのアイデアを説明しました。スマートコントラクトは、自動化、不変性、透明性、信頼性があり、実行することでDeFi、dApps、NFTを作成することが可能になります。

スマートコントラクトを、実際の状況を例にして考えてみましょう。

あなたがある場所を借りたいので、賃貸契約を結ぶ必要があると想像してください。条件について何度も話し合い、全てに透明性があることを確認するために膨大な契約書を読む代わりに(不動産業者や大家をただ信じることはできないので)、あなたは単にスマートコントラクトに署名することができるのです。例えば、スマートコントラクトは、特定の日に物件をテナントに引き渡すことや、事前に合意した条件に従って物件に対する支払いが行われることを保証することができます。スマートコントラクトは「もし…なら…」で動くため、合意した条件を満たさない限り実行されません。

ちなみに、2017年秋には、世界で初めてスマートコントラクトを使ったETHの不動産購入が行われました。ニューヨークの買い手が、キエフの売り手からアパートを推定価格6万ドルで購入しています。

デフレ供給
ブロックチェーンのアップデート以降、ETHの発行はデフレ傾向にあり、マイニングによって新規ETHが発行される反面、一部のトランザクション手数料がバーンされるようになりました。これによって、長期的にはETHの価値が上昇することが予想されます。

ICO
イニシャル・コイン・オファリング(ICO)とは、プロジェクトが開発資金を調達する仕組みです。

非中央集権化
分散化によって、決済取引のプライバシーと安全性が確保されます。

不変性
全てのデータはブロックチェーンに記録され、変更・削除することができません。

イーサリアムのデメリット

スピードとスケーラビリティ
ブロックチェーンは、スケーラブルで安全、かつ分散型である必要があります。DeFiブームとなった2020年夏には、極端なネットワークの混雑が発生し、非常に高いガスが発生しました。

さらに、トランザクションの処理と完了に長い時間がかかっていました。今後、イーサリアムがProof-of-Stakeに移行すると、TPSはより大きくなると想定されています。

スマートコントラクトのコードは完璧ではない
スマートコントラクトが完璧ではないことは、The DAOのケースで確認されています。もし誰かがコードのバグを見つけた場合、ロールバックしてコードを作り直す以外に攻撃を止める方法はありません。

イーサリアム2.0とは?その必要性とは?

イーサリアム2.0への移行は複数のフェーズに分かれて実行され、この最初のフェーズは2020年となっています。

イーサリアム2.0は、コンセンサスの方法をPoWからPoSへ移行することが最大の焦点となっており、これによってネットワークのスケーラビリティと安全性がより高まります。

また、スケーラビリティの課題は「シャーディング」によって解決される見込みです。シャーディングとは、ブロックチェーンのネットワークを別の部分(シャード)に分割する手法です。シャードが大きすぎたり、大量のガスを必要とする場合は半分に分割し、逆にシャードが小さすぎる場合は、同じように小さいシャードと組み合わせることが可能です(それらのシャードが互いに通信する限りにおいて)。

シャーディングの原理を、簡単な例で見てみましょう:
ブロックチェーンに3つの資産がある場合、それぞれのシャードは残高やトランザクション履歴を保存し、各資産のトランザクションを処理します。シャードAがBTC、シャードBがETH、シャードCがSOLを処理するイメージです。これによって、トランザクションの処理が高速化され、ネットワークのスケーラビリティが向上します。

イーサリアム2.0のフェーズ

  • フェーズ0:「ビーコンチェーン」のローンチ2020年12月1日にビーコンチェーンが稼動開始。
  • フェーズ1:「ザ・マージ」ビーコンチェーンとドッキングし、PoSシャードを統合。2022年Q3・Q4に予定。
  • フェーズ2:「シャードチェーン」2023年中に予定。

イーサリアムの将来

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSに移行することの意味は、アップデートの結果やそれに対するイーサリアムコミュニティの反応に依存します。PoSへの移行後、ETHの為替レートがどうなっていくのかを100%予測することは困難ですが、全体的な予想はポジティブなものになりそうです。

専門家は、主に2つのシナリオを挙げています:

  • トーク保有者数の増加によるイーサリアム相場の上昇−保有者数の増加により発生し、ETHコインを売却する感覚が失われていく。保有者はバリデーター作業に対する利益獲得に魅力を感じ、暗号通貨を長期保有するインセンティブを持つようになる。
  • ネットワーク手数料の削減によるイーサリアムのインフラ価値の向上―スループットの向上によって、ブロックチェーンの負荷は減少。これはガス価格の低下を伴い、つまりネットワーク手数料が低下する。結果として、イーサリアムチェーンにおける分散型アプリケーションの人気がさらに高まると考えられる。

Pontem Networkの記事をお読みいただきありがとうございます。今後もチェーンやプロジェクトの枠を超えて、暗号/ブロックチェーン分野全体の発展に向けた情報材料の共有に取り組んでいきます。


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Pontem Networkは、最も高い生産性と安全性を持ち、スケーラブルなブロックチェーンであるAptosの基盤となるdAppsと開発ツールを構築している製品スタジオです。私たちはAptosチームと共に、私たちは世界中の最初の10億人のブロックチェーンユーザーを参加させることのできるエコシステムを構築しています。Pontem Networkの製品は、Move言語とMove VMを使用しています。これらは、元々Metaが支援するブロックチェーンであるDiemのために開発された技術です。

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