次世代DEX Open Leverageの紹介
任意のペアの効率的かつ安全なロング/ショート、パーミッションレス・レンディングおよびマージントレーディングを提供するDEXプロトコルです。
※こちらの記事は2021年6月にリリースされたものです
現在、分散型金融(DeFi)のパーミッションレスな性質によって、あらゆるトークンの上場、流動性と取引量の増加・促進が可能となっています。
しかし、ユーザーがレバレッジ取引を探す場合に、パーミッションレス市場を見つけることはまだ困難です。既にマージン取引を提供している中央集権的な取引所は、巨大な規制圧力にさらされており、かつ集中的なビジネスモデルのため、どのような市場の作成にもコストがかかってしまいます。
既存の分散型レバレッジ取引プロトコルは、最小限のペアと市場流動性の深さしか提供できておらず、急速な市場発展の需要に対応するための拡張ができていないのが現状です。グローバルな金融アクセスというDeFiのビジョンを真に構築するためには、ロングテールで急成長するDeFi市場に対応する、分散型、許可不要、拡張可能、安全なレバレッジ取引設の構築がが必要なのです。
OpenLeverageの紹介
OpenLeverageは、パーミッションレスなマージン取引プロトコルであり、トレーダーはDEX上の任意の取引ペアを効率的かつ安全にロングまたはショートすることができます。
OpenLeverageプロトコルのミッションは、完全にパーミッションレスな分散型マージン取引インフラの構築です。つまり、どのようなペアのマージン取引市場の作成にも許可は必要ありません。これは、開発チームがプロトコル設計に込めたスタンスです。
主な特徴:
- このDEXでは、流動性のあるマージン取引をUniswap、Pancakeswapなどの、流動性のある分散型市場とトレーダーをつないで取引することができます。
- リスク分離型レンディングプールとして、各ペアに2つの独立したプールを持ち、プールごとに異なるリスクと金利のパラメータを設定することで、貸し手はリスクとリターンの比率に応じて投資することができます。
- DEXから利用可能な各ペアのリアルタイムAMM価格による担保比率を計算して提示します。
フラッシュローン攻撃や清算イベントの連鎖を避けるために、清算を2つの異なるトランザクションで完了させる仕組みを持ちます。 - LTokenは、各レンディングプールのための金利付きトークンであり、プロジェクトとのトークノミクス統合を可能にします。
- OLE Tokenはガバナンストークンとして、プロトコルの権利や設定変更に関する投票権として利用でき、プロトコルにステークすることでミントできます。
- 分散型マージン取引のために設計された、直感的でユーザーフレンドリーなUIを提供します。
また、以下の機能によって、OpenLeverageは最もスケーラブルな証拠金取引プロトコルとなります:
- 取引ペアのレンディングプールを誰でも作成でき、デフォルト金利とリスクパラメータの設定についてはガバナンスプロセスを介して変更することができます。
- 貸し手は、レンディングプールに資産を預けることでより高い利回りを獲得でき、借りた資産から利子を得て、OLE報酬を受け取り、またはLTokensを再ステークして他の報酬プログラムに参加することで報酬を受け取ることができます。
- トレーダーは、1回の取引でワンクリックで全ての借入と取引を実行できます。
- プロジェクトはOpenLeverageプロトコルと統合し、LTokenを統合することで特定の取引ペアでレバレッジ取引を促進することができます。
- 清算人は、取引の担保比率が市場の上限を下回ると、ガス価格に基づいて報酬を得るために清算を開始することができます。
仕組み
OpenLeverageは、EVM互換のブロックチェーン用に構築された分散型融資およびマージン取引プロトコルです。
誰でもDEXで特定のペアのレンディングプールを作成することが可能です。
例として、誰かがFEI/USDCペアのレバレッジ取引に興味を持ち、UniswapのFEI/USDCペアの2つのレンディングプールを作成するとします。
次に、ユーザーはFEI → USDCプールで流動性を提供することができます。これは、USDCを購入するために借りられるFEIを提供することを意味するものであり、USDC→FEIプールで流動性を提供することも可能となります。貸し手は、プールの利用率に応じて変動金利を受け取ることができ、このシステムは、Compoundプロトコルの仕組みに似ているものです。
貸し手はプールのLTokenを利子付きトークンとして受け取り、それを他のイールドファームに再ステークして、追加報酬を受け取ることができます。
トレーダーは、プールから借りて、レバレッジをかけたポジションとして別のトークンにスワップすることを選択できます。この例では、トレーダーが同量のUSDCを担保に入れてUSDCを借り、2倍のマージン取引を行い、Uniswapの流動性プールでFEIポジションにスワップし、スマートコントラクトにロックしています。DEXの流動性を利用することで、レバレッジ取引のために流動性やオーダーブックを別途作成する必要がありません。
トレーダーがポジションを閉じると、プロトコルはローンに利子を付けて返済することでFEIポジションをUSDCにスワップし、預金にプラスマイナスされた損益がトレーダーに戻ってきます。
リアルタイムのプライシングでリスクを分離
全てのの資産ペアは、本質的に異なるボラティリティを経験します。つまり、パーミッションレスのマージン取引市場をサポートするために、ペアに関連するリスクパラメータを持つ分離されたプールが必要となるのです。各ペアは、ペアのボラティリティとチェーンのブロックタイムとスループットに従って、独自の担保比率を保持します。このプロトコルでは、1.5倍から10倍のレバレッジ取引に対応可能です。
オンチェーンAMMモデルによるリアルタイムのプライシングが参照され、リスク計算と清算に使用されます。これは、Chainlinkのオラクルを待ったり、市場データの更新を待つのに比べ、分散型環境でのレバレッジ取引市場の幅を広げ、スピードアップさせるために重要なものとなります。DEXからの価格はオンチェーンで維持されるネイティブデータを提供し、信用取引のようなよりDeFiなユースケースではデファクトのオラクルとなる、Vitalik氏が示唆したような、技術的・経済的に安全な仕組みと取り入れています。
また、フラッシュローン攻撃を回避するために、プロトコル設計に以下の制限が実装されています:
- オープン、クローズ、リクイデーション操作を同じトランザクションで実行することはできない
- 清算操作は2つのトランザクションで行われ、攻撃者が価格を操作して利益を得るために清算イベントを連鎖的に発生させることを回避する
さらに、取引手数料の1/3は、ローンがプールの支払能力を維持できなかった場合に貸し手を補償するための保険として設定されています。
OLEトークノミクス
OLEトークンは、現在まだローンチされていないことに注意してください。
OLEトークンは、ユーザーが投票したり、報酬や他のプロトコルの権利を得るためにステークすることができるガバナンストークンとして機能します。ユーザーは、貸し借り、ポジションの清算、ファーミング、招待プログラムを活用することによってOLEをマイニングすることができます。
Open Leverageは、コミュニティ主導のプロジェクトを目指しており、全OLEトークンの70%をコミュニティマイニングのために確保し、残りの30%は開発チームとプロジェクト投資家が長期的な権利確定スケジュールで保有することになります。
トークノミクスの詳細は、IDO(Initial DEX Offering)でのOLEトークンセール前に提供されます。公式発表以外の情報を信じることなく、各コンテンツをフォローしてお待ちください。
ライセンス
OpenLeverageリポジトリにあるスマートコントラクトは、外部統合用のライブラリやインターフェースを除き、ビジネスソースライセンス1.1(実質的に時間遅れのGPL-2.0-以降のライセンス)に準拠します。このライセンスでは、商用または生産環境での OpenLeverage ソースコードの使用が最大 2 年間制限され、その後はGPL ライセンスに変換されることで、永続的に使用できるようになります。
監査
Open Leverageは、コミュニティにとってセキュリティが最も重要であると考えており、開発期間中、安全な開発のベストプラクティスに従って取り組んでいます。
セキュリティレビューのプロセスは以下の通りです:
テストと監査の過程で発見された主要なバグは既に修正されいています。OpenLeverageプロトコルの安全性を確保するために最善を尽くしましたが、全てのバグが発見され解決されていることを保証するものではありません。
残りの脆弱性の発見を支援するため、今後30日間に公開バグバウンティを実施し、重要なバグに対して最大5万ドルを提供する予定です。バグバウンティーの詳細はこちらをご覧ください。
今後の展開
- OpenLeverageスマートコントラクトは、Uniswap V2 KovanインテグレーションとともにKovanテストネットにデプロイされ、公式ローンチ前にコミュニティがプロトコルやDAppを体験する時間を提供します。
- メインネットのサポートは、Uniswap V3とともにEthereum上で開始される予定です。
- BSCバージョンはPancakeswapへの統合によりデプロイされる予定です。
- OpenLeverageはArbitrumのホワイトリストに登録されており、このレイヤー2ソリューションは現在開発・テスト中です。ガス代はArbitrumで大幅に削減される予定です。
- OpenLeverageプロトコルと統合するためのプロジェクトと提携。
- トランシェレンディング、オーダールーティングのクロスDEX、リミットオーダーによるマージン取引、その他のユースケースをサポートする追加インフラなどが、メインネットローンチ後にOpenLeverageコミュニティと共に構築予定となっています。
Open Leverageはこれまでにない分散型の安全なマージン取引を提供するプラットフォームです。最近、Binance Labsから出資を受けたことでも話題になっています。今後の進捗にご期待ください!