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GNTを支えるものとしてネイチャーベース・カーボンクレジットを選んだ理由


GNTを支えるものとしてネイチャーベース・カーボンクレジットを選んだ理由

April 18, 2022

Flowcarbon / 翻訳:Takeshi_TGAL

ボランタリー・カーボンクレジットが自然界のソリューションと重要な資金をつなぐ

Flowcarbonは、ボランタリーカーボン市場(VCM)のカーボンクレジットを1対1で裏付けるトークンを作成しています。ボランタリーカーボン市場の目的は、大気中の炭素排出を削減・除去する活動に資金を提供する民間事業者のための市場を形成することによって、気候変動を緩和することです。

気候変動は喫緊の課題であるにもかかわらず、経済的なインセンティブによって、生態系が急速に破壊され続けているのが現状です。国連によると、農業やその他の土地利用への転換によって、毎年約1000万ヘクタールの森林が失われており、これは世界の炭素排出量の約15%に相当すると言われています。また、気候変動への取り組みにおける自然林の重要性が認識されつつあるにもかかわらず、民間部門の投資は不足しています。森林を破壊する強力な経済的インセンティブがある一方で、それを打ち消す唯一の対抗インセンティブは、自主的な炭素市場によるものとなります。

しかし、ボランタリーカーボン市場の非効率性が、この市場への民間投資を妨げています。NbSへの年間投資のうち、民間資金によるものはわずか14%で、公的資金が全体の86%を占めており、投資の偏りは明らかです。Flowcarbonは、世界中のプロジェクトに資金提供する効率的な民間市場メカニズムをもたらし、流動性の課題に取り組むことで、このダイナミズムに変革を与えたいと考えています。

現在、私たちがNbSに注目している理由は二つあります。第一に、現在最も費用対効果が高く、拡張性と実現性の高いソリューションとして機能し、ソリューション全体の30%を提供する可能性があることです。

第二に、森林は非常に過小評価されています。熱帯雨林は気候変動を緩和するために最も重要な生態系であり、森林破壊は現代における最も緊急な課題の一つです。農業のために森林が伐採され続ければ、COP26の呼びかけであるパリ協定の存続は不可能となります。ボランタリーカーボンマーケットは、森林のティッピングポイントに向かって急ぐ私たちが、自然と地球を守るために非常に重要なものとなります。

CentrifugeのCo-founder Martin Quenselは、次のように述べています。
「FlowcarbonとCentrifugeは、オープンでパーミションレスなブロックチェーン技術が、高い透明性と検閲に強い公平な競争環境を提供できるというビジョンを共有しています。私たちは、地域の金融コミュニティの全く新しいレベルの成長と拡張可能性を解き放つことによって、世界的な炭素排出量の削減を支援できることを確信しています。」

ネイチャーベース・ソリューション(NbS)とは?

IUCNが定義するように、NbSは「自然または改変された生態系を保護、持続可能な管理、回復するための行動であり、社会的課題に効果的に取り組み、人間の福利と生物の多様性に利益をもたらすもの」とされています。自然気候ソリューション(NCS)とは、国連のREDD+(Reduced Emissions from Deforestation and Degradation)プログラムとして知られる森林破壊の回避など、GHG排出に対処するための具体的な行動指針となっています。また、森林再生や生態系の修復による炭素吸収源の増加を通じて、炭素を隔離するアプローチも主流となっています。

試算によると、NbSは、2050年までに「–2℃達成への道」を歩むために必要な緩和活動の約30%を、約10~100ドル/トンという最小限のコストで提供できます(図A)。一方、国連の試算によれば、気候変動目標を達成するには、4.1兆ドルの資金ギャップを埋める必要があり、今後10年間でNbSに3倍の投資を行う必要があるとされています。

図A: NCSとパリ協定(NCS Allianceより引用)

ボランタリーカーボン市場を通じて販売されるカーボンオフセットは、NCSの資金調達ツールの一つであり、企業の持続可能性目標を推進するための具体的かつ定量的なメカニズムを提供します。UNFCCCは、民間の基準によるVCM取引を管轄していないため、VCMは、ホスト国の目標を損なうことなく、国際的な気候協力の基盤として機能する可能性があります。

カーボンオフセットプロジェクト

気候変動は、温室効果ガス排出の社会的コスト算出の点から「市場の失敗」と呼ばれることが多く、炭素に価格をつけることは、このミスマッチ(外部性)を修正する解決策となりえます。炭素は価格化された商品として取引できるため、森林が吸収したトン数は金銭的価値に換算され、一定期間炭素が蓄積されることが保証されます。

さらに、プロジェクトが適切に設計されれば(コミュニティとの協議の実施など)、食糧や水の供給、空気清浄や他の資源の維持、雇用機会の提供、洪水や地滑りからの保護など、コミュニティに多大な経済的・持続的利益をもたらすことができるでしょう。具体的な利益を通じて、改良型森林管理プロジェクトは継続的に実施され、長期的な排出削減と炭素隔離に有意義に貢献する可能性が高いと想定されています。‍

図B: Improved Forest Managementプロジェクト(エネルギー転換委員会より引用)

VCMにおけるNCSの現状

森林を利用した緩和活動は、取引量と価格から見た場合、VCMのプロジェクトタイプとして人気があります。2021年第3四半期までに、林業・土地利用プロジェクトは取引量全体の約半分を占め、2020年の28%という水準からの上昇を見せました。また、過去20年間に、Verra、Gold Standard、American Carbon Registry、Climate Action Reserveという4つの主要規格によって、15億近いクレジットが生成されています。発行されたクレジットの44%近くが林業・土地利用セクターから発行されており、REDDクレジットはその半分以上を占めています。‍‍‍

図C: 林業・土地利用セクターの活動の種類(発行量: 100万CO2e)

NCSの限界

気候変動対策が真に有益なものでとなるためには、多くの問題やリスクに対処する必要があります。過去には、不適切なプロジェクトの結果、土地が奪われたり、コミュニティが重要な資源にアクセスできなくなるなどの社会的不公正が発生した事例もあります。また、モノカルチャーの森林プロジェクトなど、特定の生態系に適していないプロジェクトは、地域の生物多様性を減少させたり、水資源を枯渇させたりするなどの悪影響を与えています。

Flowcarbonは、Verraなどの認定レジストリからカーボンクレジットを調達することを基準としています。VCSなどの高品質なカーボンスタンダードの一環として、NCSプロジェクトがもたらす社会的影響を常に検証し、そのリスクを回避するための方法を改善し続けていきます。

イデアの構想から実施に至るまで、プロジェクトの開発者/管理者は、関連するコストやリスクに関する不確実性に直面します。高い初期費用、政策の変更、社会的・技術的専門知識が参入障壁となり、しばしば流動性制約につながっていくのです。

結論

世界銀行は、ブロックチェーン技術をカーボン市場メカニズムの拡大・改善を支援するための不可欠なツールとして位置づけています。特に、市場と環境の整合性、透明性と包括性、コスト効率とスケーラビリティを促進することによって。NbSは、VCMの範囲内で、相乗効果を最大化し、自然と人間の福利のために多くの共有利益をもたらす、費用対効果の高い気候緩和ソリューションです。

現在、NbS流動性の制約を受けているため、気候変動対策としてその可能性を最大限に発揮するために必要なペースでプロジェクトをスケールアップするためのソリューションが求められています。その点を解決するために、FlowcarbonのGoddess Nature Tokenは、安全で透明性の高いブロックチェーンソリューションとしてNbSへの民間投資を拡大するために、自主的なカーボン市場からのカーボンクレジットを1対1で裏付けて機能していきます。

参考文献

High-Integrity Voluntary Carbon Markets (VCM): Emerging Issues in Forest Countries

Natural Climate Solutions for Corporates

Data and Insights — January 2022 — Verra

Forests Absorb Twice As Much Carbon As They Emit Each Year

Ceres Evaluating the Use of Carbon Credits

The Business Case for Natural Climate Solutions Insights and Opportunities for SEA


Flowcarbonについて

Flowcarbonは、カーボンオフセットブロックチェーン上で実現する気候変動技術のパイオニア企業です。私たちのミッションは、カーボン市場をアクセス可能で透明性の高いものにし、数十億ドル規模の資金を気候変動プロジェクトに直接投資することです。炭素、持続可能性、ブロックチェーン技術の専門知識を結集した経験豊富な起業家チームによって設立され、世界有数の投資家の支援を受けており、人類、生物の多様性、地球にとって真のポジティブなインパクトをもたらすために全力を注いでいます。

気候変動の緩和には、組織的な行動が必要であり、個人でオフセットをお考えの方にも、組織としてオフセットをお考えの方にも、それぞれのニーズに合わせたカーボンソリューションを提供します。実際に、多くの組織がカーボンオフセットを利用して、ネットゼロの目標達成に取り組んでいます。

Flowcarbonは、カーボンクレジットをチェーンに乗せ、トークンに変換し、ボランタリーカーボン市場をより透明で、流動的で、アクセスしやすいものにします。そして、フラッグシップトークンであるGNTは、組織レベルのカーボンクレジットに支えられており、個人および企業のオフセットニーズに適合して機能します。

地球を守るために、Flowcarbonがどのように世界中の人々のオフセットニーズをサポートできるかについて、各コンテンツをフォローして情報を入手していきましょう。

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翻訳:Takeshi_TGAL