blockchainjapan’s blog

旬のブロックチェーンを記事を厳選して提供!

GNTが市況耐性を持つ安全資産となる理由


GNTが市況耐性を持つ安全資産となる理由

Joseph Stern

Flowcarbon/ 翻訳:Takeshi_TGAL

金融市場の現状

長いブル相場を経て、現在の金融市場は先の見えない低迷を続けています。インフレ率の上昇に伴うFRBの対応や、今後の積極的な利上げの可能性に対して投資家が懸念を強めていることが要因の一つとなっています。

このような要因は、他の複数の世界的な出来事と相まって、株式及び債券市場に大きな影響を及ぼしています。4月までの累計でS&P500指数は13.3%下落し、1939年以来、年初からの4カ月間で最も急激な下落率となっています。債券市場も同様で、適格社債と20–30年物国債を対象とするETFは、5月初頭までにそれぞれ10%と20%下落しています。

ご存知の通り、こうしたマクロ経済の変化は暗号通貨にもネガティブな影響を及ぼしています。5月11日にビットコインの価格は26,000ドルを割り込み、67,500ドルを超える高値から~61%下落し、2020年12月以来の安値となっています。同時にEthereum価格も1,800ドルを下回り、4,800ドルの高値から~63%下落しました。

予想外の相関関係

市況の悪化は決して楽しいことではありませんが、より注目すべき問題は、各市場間の相関関係にあります。歴史的に、株式と債券は互いに逆相関と見なされてきました。株価が上がれば債券の価格は下がり、株価が下がると債券の価格は上がる傾向にあり、これは、両資産が投資家の資金を奪い合うことによって生じます。市場が好調なときは、投資家はリスクを取って株式に投資し、市場が低迷すると、一般的に安全な金融商品とされている債券にシフトするのです。

債券と同様に、これまでは暗号通貨も株価指数との相関が低いと予想されており、リスクの分散に役立ち、他の資産クラスの変動に対するヘッジとして機能すると考えられていました。しかし、実際には世界的な金融緩和と投資家のリスク選好が高まる中で、暗号通貨は株式と共に急騰し、その後の悪化では共に急落しています。

以下のチャートで見られるように、ビットコインS&P 500は、より連動した動きを見せているのです。

出典:CryptoCompareとYahoo Financeを元に著者が算出−パネルは60日間の相関係数を示す

非相関資産としてのカーボン資産

株式、債券、暗号通貨が見せた最近の相関関係は、投資家にとってがっかりするものとなっています。なぜなら全ての資産クラスが同調して動くのであれば、市況耐性を狙った分散投資の目的がなくなってしまいます。投資家は、どこに時間、労力、資金を集中させれば良いのでしょうか?

この問題を解決する可能性を、カーボン市場が持っている可能性があります。この不況の中、カーボンクレジットは特筆すべき回復力そ見せています。CORSIA 適合トークンおよび自然由来トークン価格は、横ばい~0.2% の下落にとどまっています‍。

理由としては、カーボンクレジットの需要は、市況に左右されないからです。ネット・ゼロ・エミッションに取り組んでいる企業は、市況に関わらず、その取り組みを維持することができ、その需要を持ち続けます。むしろ興味深いことに、市場が低迷しているときこそ、カーボンクレジットは本来の価値よりも高い値段で取引されることがあります。カーボンクレジットの創出側のプロジェクトの開発資金が減少している傾向にある中で、流通しているクレジットの価格は、需要が持続するにつれて上昇していく可能性を持っているのです。

双方向のブリッジの利用

しかし、オフチェーンのカーボンクレジットが安定している一方で、オンチェーンのカーボンクレジットの価格が30%近く下落していることは興味深い点でもあります。その主な理由の1つは、現在の炭素クレジットのトークン化モデルが、双方向のブリッジではなく、一方向のブリッジを利用しているためです。つまり、人々はカーボンクレジットをオンチェーンに持ち込むことはできても、オフチェーンにリリースすることができないため、この2つの市場は事実上切り離されており、市場間の価格格差が発生しているのです。このような状況においては、トークン購入者が双方向のブリッジにアクセスできることが重要となり、これにより投資家は最良の価格での取引をおこなうことが可能になるのです。

Flowcarbonは、カーボンクレジットをオンチェーンに持ち込み、GNT保有者が両チェーン間でシームレスにやり取りできるように、双方向ブリッジを備えたGNTトークンのシステムを構築しています。オンチェーン価格がオフチェーン価格より高い場合、人々はクレジットをオンチェーンに持ち込んで、トークン市場で売ることができます。オフチェーン価格がオンチェーン価格より高い場合には、トークンを実際のカーボンオフセットと交換し、オフチェーン市場で販売することが可能になります。この双方向ブリッジを構築することで、2つの市場の間にパリティ(均衡)を生み出すことができ、最大限の流動性を確保し、投資家に最適な資産価格を提供します。

ペッグトークン vs. アルゴリズムトーク

この双方向ブリッジに加えて、GNTトークンが持つもう1つの非常に重要な特性は、未回収のカーボンクレジットによる1対1の裏付けです。

暗号資産の世界では、ある資産を表していると主張しながらも、実際にはそうではないトークンを数多く目にします。これは、Olympus ProtocolのOHMのようなねずみ講的な資産や、TerraUSDのようなアルゴリズム型ステーブルコインで最も見られるものです。これらのプロトコルは、他の資産との関係を通じてトークン価格を維持または上昇させる巧妙なトークノミックメカニズムを利用しています。これらの資産価値が上昇すると、プロトコルトークンもその価値を維持するか、同様に上昇します。しかし、このようなトークンと資産の関係は、ブル市場で資産価値が上昇しているときには有効ですが、現在のようなベア市場のときには、このシステムを採用しているプロジェクトは苦境に立たされる傾向があります。

ベア市場の間で、健全に価値を維持しているペッグトークンは、直接的に1対1の関係を有しているものです。その最たる例が、米ドルと1対1のペグを維持すること明確にしているステーブルコインUSDCです。十分知られているのでその悲惨な顛末には言及しませんが、複雑なメカニズムでペッグを維持するTerraUSDなどのアルゴリズム型のステーブルコインとは異なり、作成された全てのUSDCは、備蓄されているドルに「直接」裏付けされています。つまり、1USDCを本物のドルに直接交換することができるのです。

Flow Carbonは、この直接相関のメカニズムでGNTトークンを設計しています。全てのUSDCが準備資産の1ドルに直接相関しているように、全てのGNTは準備資産としてのカーボンクレジットによって構成されています。カーボンクレジットの価値が変動すれば、GNTトークンも同様に変動するのです(若干の流動性プレミアムは発生します)。

このように、私たちはパリティと透明性をさらに高めることによって、GNT保有者が資産の真の価値を理解し、保有することを推進していきたいと考えています。

生きたカーボンクレジットと引退したカーボンクレジットの比較

この1対1の相関に加えて、GNTがペッグしているカーボンクレジットは、実際のオフセットがまだ利用されていない、未消化のものであることも重要なポイントとなります。最も重要なことは、未消化のクレジットを直接(または二次取引の場合は間接的に)取得することで、炭素隔離プロジェクトを支援することです。これらのプロジェクトに資本を提供することで、将来のプロジェクトの開発にインセンティブを与え、さらなる炭素の隔離を試みる継続的な活動につなげることができます。

さらに、未消化のカーボンクレジットを使用することは、GNTがカーボンクレジット市場の価格を1対1で追跡することにもつながります。オフチェーンの未消化のカーボンクレジットの価格が時間とともに変化するのと併せて、オンチェーンのカーボンクレジットも変化していきます。

ソリューションとしてのGNT

ベア相場が繁栄と成長につながることは少ないですが、設計上の欠陥がある資産やプロジェクトを淘汰するには非常に効果的です。今回のサイクルを通じて、既存のカーボンクレジット・プロジェクトが不具合だらけであることが露呈されました。一方向のブリッジしか有していない、トークンと資産を直接的に関連付けていない、時間の経過とともに価値を向上させる能力を持たない消化炭のクレジットを利用しているなど、カーボンクレジットが正確なオンチェーン表現を持っていないことは明らかです。

このような問題が、オフチェーンのカーボンクレジットは不況下で安定しながら、オンチェーンのカーボンクレジットの価格の悪化を生んでいるのです。

GNTトークンは、このような既存の問題を解決するものとして機能します。双方向のブリッジ、1対1のカーボンクレジットとのペッグ、未消化のカーボンクレジットの活用によって、オフチェーン市場とオンチェーン市場間に真の平等性と透明性を生みだします。Flowcarbonは、より持続可能で環境に優しい世界を実現するためには、カーボンクレジット市場を、DeFi分野を含むより多くの人々に解放する必要があると考えています。

GNTトークンが、まさにそれを達成しようとしていることがご理解いただければ幸いです。‍お読みいただきありがとうございました!

資料:

1. https://www.reuters.com/business/finance/why-us-stock-market-is-tumbling-2022-2022-05-11/

2. https://money.usnews.com/financial-advisors/articles/how-bad-can-this-bond-crash-get


Flowcarbonについて

Flowcarbonは、カーボンオフセットブロックチェーン上で実現する気候変動技術のパイオニア企業です。私たちのミッションは、カーボン市場をアクセス可能で透明性の高いものにし、数十億ドル規模の資金を気候変動プロジェクトに直接投資することです。炭素、持続可能性、ブロックチェーン技術の専門知識を結集した経験豊富な起業家チームによって設立され、世界有数の投資家の支援を受けており、人類、生物の多様性、地球にとって真のポジティブなインパクトをもたらすために全力を注いでいます。

気候変動の緩和には、組織的な行動が必要であり、個人でオフセットをお考えの方にも、組織としてオフセットをお考えの方にも、それぞれのニーズに合わせたカーボンソリューションを提供します。実際に、多くの組織がカーボンオフセットを利用して、ネットゼロの目標達成に取り組んでいます。

Flowcarbonは、カーボンクレジットをチェーンに乗せ、トークンに変換し、ボランタリーカーボン市場をより透明で、流動的で、アクセスしやすいものにします。そして、フラッグシップトークンであるGNTは、組織レベルのカーボンクレジットに支えられており、個人および企業のオフセットニーズに適合して機能します。

地球を守るために、Flowcarbonがどのように世界中の人々のオフセットニーズをサポートできるかについて、各コンテンツをフォローして情報を入手していきましょう。

WebサイトTwitterDiscordDocs

翻訳:Takeshi_TGAL

Media Contact
Nicole Shore
Head of Communications, Flowcarbon
Nicole@flowcarbon.com