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Connext Networkの紹介


Connext Networkの紹介

Arjun Bhuptani

Connextのこれまでの物語

レインとラフール、そして私の3人は、1年前の今日、Connextのプロジェクト活動を開始しました。私たちは、分散型の未来は本質的により平等なものであるという共通の直感に従って、ブロックチェーン技術をメインストリーム市場に導入することを目標に、構築に取り組んできました。

当時、私たちはこの問題を、dAppsのアクセシビリティに根ざした問題、つまり「採用」こそが非中央集権の世界における障壁となっていると信じていました。しかし、長い学習と成長過程を経ていく中で、ブロックチェーンの広範な普及には、適切なインフラの導入こそが重要であるということがわかりました。

つまり、Connextとしての目標やビジョンは変わらないものの、解決すべき問題は当初想像していたものとは異なるものとなっていったのです。

私たちが考える未来

私たちが考える理想の未来は、誰もが参加できるトークン化された世界です。この世界では、既存のWeb2.0アプリケーション、世界の金融プロセス、政府も含め、価値を伴う機能のほとんどがブロックチェーンで担保されるようになると想定しています。また、情報の非対称性はもはや収益化につながるものではなくなるでしょう。つまり、位置情報サービスや決済、市場データ、金融ツール、ソーシャルネットワークなどの全てがプロトコルという形で公共財になるのです。

デジタル化が進む世界では、秒間に何百万、何十億というデータや価値の取引が行われ、これはブロックチェーンネットワークに保護される必要があります。

到達までの道のり

これらのアプリケーションやプロトコルを構築するためには、膨大な作業が必要となる上、エコシステムが克服していない大きな障壁も存在します。ご存知の通り、現状のイーサリアムは1秒間に20件の取引しか処理できないのです。

この問題が、生み出す制約は何かと過小評価されがちです。ある「キラー」Web 2.0アプリケーションを例に考えてみましょう。Uberは1日あたり1,000,000件の取引を行っています。これは、最低でも秒間に11回のトランザクションの処理が必要となり、現状のEthereumネットワークのスループットのおよそ50%を占め、1日あたり少なくとも10万ドルのガスコストが必要となる計算になります。たった一つのアプリでです。

この手の話をすると、議論は通常、イーサリアムのスケーリングソリューションに向けられます。しかし実際のところ、ブロックチェーンの「スケーリング」は単一の問題ではなく、相互にリンクした一連メカニズムに関わる問題なのです。イーサリアムを数百万tpsにするための特効薬はありません。そこに到達するためには、さまざまなアプローチの組み合わせが必要となります。

おそらくもっと重要なのは、これらのソリューションのアクセス可能性が未解決のままであるということです。分散型マーケットプレイスや高スループットの取引所を構築する将来の開発者が、基盤となるプロトコル・インフラの専門家になりたがるとは思えません。しかし、現存するスケーリングソリューションに適合させるには、この問題を研究している研究者や専門家に相談したり、雇ったりする必要があるのです。

この点において、現在最も近い例外となるのは、Loom NetworkのPlasma実装です。彼らはPlasmaのサイドチェーンを作る複雑さを抽象化し、開発者が実際にdAppを作り、ユーザーの獲得に集中できるよう、素晴らしい仕事をしています。しかし、Plasmaが素晴らしいものではありますが、これはあくまでも、nパーティーのエコシステム(n>2)を扱うのに効果的なメカニズムなのです。

では、2者間インタラクション(支払い、交換、金融取引、ターンベースゲームなど)に最適なフレームワークは何でしょうか?私たちは研究を通じて、ステートチャネルがこれらを扱うのに最も効率的な方法であることを発見しました。

ステートチャネルの現状

しかし、ステートチャネルは、より速いスループットと効率性というコミットを果たしているのでしょうか?

ステートチャネルのアイデアは、何年も前から存在していますが、まだ2社しか実用化していません。

SpankChainFunFairです。これは、過去にトランザクターの新しいペアごとに新しいチャネルを開かなければならなかったことに由来しています。ガスコストの面からも、2つのトランザクターが10回以上相互作用する場合にのみ行う価値がありました。当然ながら、これではごく少数のユースケースに限定されることになってしまいます。

現在では、ステートチャネルハブによって、この問題を解決することができます。

しかし、ほとんどの場合において、ステートチャネルが採用されないのは、上記で列挙した問題によるものです。実行する必要がある作業の大部分はオフチェーンプロトコルを通じて行わなければならず、これを行う方法について一般的に受け入れられるフレームワークは存在しないのです。

また現状、ステートチャネルの実装とネットワークの構築を目指しているプロジェクトは複数存在します。「フルスタック」実装の例としてRaidenLiquidity.NetworkCelerL4PerunFinalityMagmoなどが挙げられますが、残念ながらこれらのプロジェクト間の協力やクロスコミュニケーションは非常に限られており、実際に問題解決に取り組んでいる開発者たちによるコミュニケーションはさらに少なくなっています。

ユースケースによって、最適な実装やアプローチが異なる可能性もあります。「決済」は数兆円規模の産業であり、「国家」はさらに規模が大きくなるでしょう。私たちは、すべてに使われるマスターステートチャネルフレームワークが1つ存在するという考えではなく、相互運用する多数の異なるネットワークが存在するという考えを持っています。

LoomがPlasmaを使いやすいものにしたように、私たちはステートチャネルをあらゆるプロジェクトに簡単に実装できるようにしたいと考えています。私たちは、既存のアプリケーションや他のスケーリング手法と密接に連携し、シームレスな開発者体験を実現することを目指します。今後、基礎となるプロトコル・インフラストラクチャの知識を持たない新たなイーサリアム開発者が、数百万人の同時ユーザーにスケールするdAppを作成できるようになったとき、私たちの取り組みが「成功した」といえるでしょう。

Connextの今後の取り組み

Connextはステートチャネルハブを簡単にセットアップするためのオープンソースプラットフォームです。Connextを利用することで、イーサリアムのプロジェクトは、低コストでほぼ瞬時のトランザクションをユーザーに提供できるようになります。

Connext Hubを設定したプロジェクトのユーザーは、Hubでステートチャネルを開き、同じくHubに接続された他のユーザーと、ガスの支払いや処理時間を待つことなく取引できます。これらのトランザクションスループットは、Hubの帯域幅によってのみ制限されます。

つまり、Connextを使えば、UberサイズのP2Pアプリケーションが現在のEthereum上でも実現可能になるのです。

近い将来、Connextは、企業が取引だけでなく、即時交換や他の高次の2者間インタラクションもスケールできるように対応していきます。また、最終的には、Connextエコシステム内の全てのハブ(および他のステートチャネルネットワーク・エコシステム内)をConnext Networkに接続し、参加者がチャネルを開閉する必要性をさらに減らしていく予定です。

これにより、Connext Hubである決済会社のユーザーは、ビットコインライトニングネットワークのノードである取引所のユーザーとやりとりを開始し、両者間で完全に信頼性のない取引を行い、手数料を支払う必要なくETHまたはBTCでの支払いが可能になる日が来ることを意味するのです。

また、将来的には私たちのネットワークへの関与を減らし、Connextをオープンなガバナンスモデルに移行させていくことを計画しています。

私たちの究極の目標は、Connextがオープンで、開発者に優しく、完全にコミュニティによって管理された、あらゆる種類の二者間取引を信頼性高く処理するネットワークとなり、数兆ドル規模の取引の基礎インフラとして使用されるようになることです。

Connextの旅に協力してくれた投資家やアドバイザー、サポーターの皆さんに感謝します。私たちは、これからもコミュニティとともに学び、築いていくことを楽しみにしています。

Connextについてより知りたい方は、以下のリンクからご覧ください👇


Connextについて

Connextは、チェーンとロールアップの間で高速かつ信頼性の高い通信を行うためのネットワークです。この分野に存在する相互運用システムにおいて、新たな信頼性の仮定を導入することなく、低コストかつ迅速に実行できる唯一のものです。Connextは、ブリッジやその他のネイティブなクロスチェーンアプリケーションを構築する開発者を対象としており、現在までに13億ドルを超えるトランザクションがConnextのネットワークを通過しています。

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