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Ethereum 2.0 (Eth2)・コンセンサスレイヤーとは?


Ethereum 2.0 (Eth2)・コンセンサスレイヤーとは?

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イーサリアムをご存じない方は、きっと地下に住んでいる方なのでしょう。近年、イーサリアムは暗号分野、金融分野において圧倒的な存在感を持つまでになり、ビットコインに次ぐ人気のブロックチェーンとなりました。現在、イーサリアムの時価総額は3200億ドルに達しています。しかし、イーサリアムは完璧ではありません。成長するにつれ、環境への影響やスケーラビリティ、高コストや低速度といった懸念が大きくなっています。それを解決するために、次世代のイーサリアムであるEthereum 2.0、通称Eth2への取り組みが開始されることになりました。

イーサリアムの歴史

2013年11月に、イーサリアムの生みの親であるVitalik Buterinイーサリアムホワイトペーパーを発表したところから物語は始まります。この文書により、イーサリアムブロックチェーンの技術やロードマップの基礎が築かれました。主な革新点は、サトシ・ナカモトのホワイトペーパーで示されたビットコインを拡張し、スマートコントラクト(特定の条件が満たされたときに実行するコード)を作成する能力を追加し、ブロックチェーン上に確保・記録することでした。

2014年には、ETHトークンがリリースされました。2015年には、フロンティアと呼ばれるイーサリアムの初期バージョンが登場し、マイニングと最初のイーサリアムネイティブトランザクションが可能になりました。2016年にはHomesteadフォークが稼働し、プロトコルに多くの改良が加えられ、将来的なアップグレードが可能になりました。「イスタンブール」「ビザンチウム」などのアップグレードでは、ネットワークセキュリティの向上、マイニング報酬の削減、ステーキングの実現が行われました。その間、イーサリアムのスマートコントラクトがNFT、プレイ・トゥ・アーンのゲーム、ERC-20トークンなどに使われるようになり、イーサリアム価格は爆発的に上昇し、4000ドルの高値に達したこともあります。

イーサリアム2.0の必要性

Eth2は非常に斬新な構成であり、完全な実装にはまだ数年かかると言われています。2015年のブログ記事では、ロードマップの将来のステップとして、FrontierとHomesteadを反復する「セレニティ」というイーサリアムのバージョンが紹介されていました。Eth2(旧セレニティ)の最終目標は、イーサリアムをProof of WorkからProof of Stakeのコンセンサスメカニズムに移行することです。この変化はイーサリアムの現在の姿である「レイヤー1」に適用されるものです。

Proof of Workでは、新しいコインをミントし、トランザクションを検証するために、コンピューターは暗号技術を利用したシステムを通じて複雑な数学の問題を解かなければなりません。このプロセスは時間がかかり、非常に多くのエネルギーを消費します。Proof of Stakeでは、ETHの保有者は、実際のトランザクションを確認し、偽または悪意のあるトランザクションを無効にするために共同で投票する権限を与えられます。この「検証者(バリデーター)」は、その完全性を保証するために、担保として大量のETHを提供する必要があります。Proof of Stakeへの移行により、イーサリアムは成長を続け、安全性を維持し、ネットワークの環境への影響を低減することが可能になります。

イーサリアムは、Eth2を「地球規模でのデジタルの未来」の基盤と説明しています。このアップグレードは、高コスト低速度を引き起こすネットワークの詰まり、マイニングに必要な過剰なパワー、ノードの実行に必要なディスク容量という3つの主な問題に対処する設計がなされています。1つめの問題はイーサリアムの機能を低下させ、後の2つは、ノードを実行するユーザーにとって大きな課題となっています。Eth2のProof of Stakeへの軸足は、これら3つの側面すべてを改善するものです。

トリレンマ

全てのブロックチェーンは、「分散型」「安全性」「拡張性」の3つを備えていることが望ましいとされています。しかし、この3つを同時に実現するのは非常に困難です。通常、他の2つを達成しようとすると、1つの品質が犠牲になります。例えば、高度に非中央集権的(グローバルに分散し、権力の集中がない)かつスケーラブル(構築や成長が容易)なチェーンは、ハッキングなどのセキュリティリスクが高まります。

これがトリプルのジレンマ「トリレンマ」と呼ばれるものです。

イーサリアムは高度に分散化されており、安全です。世界中に分散する数千のノードが、新たなETHのミント、トランザクションの検証、台帳の記録、問題の改善のために取り組んでいます。無敵のシステムは存在しませんが、イーサリアムはローンチ以来、多くのアップグレードが行われ、攻撃から守られています。

デメリットは、イーサリアムにはスケーラビリティ(新たなワークロードの下でシステムを拡張させる能力)がないことです。イーサリアムが成長するにつれて、ノードに必要なエネルギーとハードウェアは膨れ上がり、ネットワークは詰まり、高い手数料とパフォーマンスの低下が問題となっています。持続的な成長を続けるためには、イーサリアムはよりスケーラブルなものに変革する必要があります。これを実現する最も簡単な方法はイーサリアムの中央集権化ですが、それは原則的な理念に反します。そこで、イーサリアムは前述の「トリレンマ」を解決する必要があり、Eth2はその解決策となることを意図し、多くの開発者がその達成に向けて取り組んでいるのです。

ロールアウト

Eth2の立ち上げは長いプロセスで、既に始まっています。ロードマップには、ビーコンチェーンマージシャードチェーンの3つの主要なステップがあります。(注:イーサリアムユーザーは何かをする必要はありません。あなたのイーサリアムを「移行」するため、あるいはEth2の準備をするために何かをするように言う人は詐欺師の可能性があります)

ステップ1 — ビーコンチェーン

ビーコンチェーンは、Eth2に向けた最初のフェーズであり、現在唯一完全に出荷され、稼働しているているものです。ビーコンチェーンは、今後のすべての基礎となるため、ロードマップの「フェーズ0」と呼ばれることもあります。ビーコンチェーンは、イーサリアムのProof of Stakeの基礎を形成している。現時点では機能が限定されていますが、ビーコンチェーンの稼働により、コンセンサスメカニズムの切り替えに対するイーサリアムのコミットメントが証明され、Eth2ロールアウトの継続的な開発が可能になります。ビーコンチェーンは、ネットワークの混雑を緩和するために負荷を共有するイーサリアムネットワークの部門である「シャードチェーン」を調整する役割を持ちます。

ステップ2 — マージ

イーサリアムとEth2は別物です。しかし、これは間もなく変わります。「マージ」とは、イーサリアム・メインネットと、Proof of Stakeの技術的機能を含むビーコンチェーンの統合を指します。最終的にはこの2つが統合され、Proof of Stakeがイーサリアムにもたらされることになるのです。マージにより、「エネルギーを大量に消費するマイニングが不要になり、その代わりにETHをステークしてネットワークとしての機能性を確保する」ことになります。現時点では、マージは2022年の第2四半期に行われると予測されています。

ステップ3 — シャードチェーン

マージ後も、イーサリアムの改良に向けたバージョンアップが数多く予定されています。最も重要なのは、シャードチェーンの導入です。シャーディングとは、データベースを「分割することによって容量を増やす」ことを指します。シャーディングという手法自体は、コンピュータサイエンス全体で使われていますが、イーサリアムの場合は、「シャーディングは、シャードと呼ばれる新チェーンを作ることでネットワークの混雑を緩和し、トランザクション処理効率を改善させる」とされています。これにより、ネットワーク全体のトランザクションとデータ容量が大きく増加します。

また、シャーディングはバリデーターのハードウェア要件を減らすことで、Proof of Stakeの実行をはるかにシンプルにします。現在のように、ネットワーク全体のトランザクションを実行するためのディスクスペースと処理能力を維持するのではなく、バリデーターは自分のシャード分を処理するだけでよくなるのです。最終的には、一般向けのノートパソコンやスマートフォンからも、イーサリアムの処理を実行できるようになることが考えられます。これにより、より多くの参加者を得ることでネットワークの分散化が劇的に進み、セキュリティも飛躍的に向上します。

シャードの正確な実装や機能については、まだ多くのことが未定です。しかし、シャードが独自のスマートコントラクトを実行できるようになるには、さらに長い時間がかかると想定されます。将来的に全てが実現した場合、ネットワークに追加のデータ処理能力を提供するだけで、1秒間に10万件のトランザクションを処理することが可能になるでしょう。

Eth2 vs. コンセンサスレイヤー

現在、Eth2を「コンセンサスレイヤー」と呼ぶようになり、既存のイーサリアムは「実行レイヤー(execution layer)」と呼ばれるようになっています。この変更は、Eth2がイーサリアムを置き換えるものではなく、イーサリアムにProof of Stakeコンセンサスメカニズムを追加するだけであることを強調する意味合いがあります。既存のメインネットは新たなビーコンチェーンにマージされるため、「実行レイヤー」のままとなります。知らなければ、また新しいものが出てきた…と混乱してしまいますが、通称か概念かの別であり、基本的には同じものを意味します。

Pontem Networkのブログ記事は、他のプロジェクトや暗号分野の最新技術を垣根なく、わかりやすくお伝えしており、非常に好評を得ています。
Pontemは、Diemの構築で培われたMove言語とその技術を最大限に活用したプラットフォームやDappを提供し、各主要チェーンにも相互運用性を持って拡大していきます。Moveは、Facebookの財力と技術力が生んだ結晶であり、この力を暗号分野に提供していくことをミッションの一つとします。既にDiemやNobiといったFacebookのプロジェクトに深く関わっていた開発者たちが、AptosやSuiといった独自のプロジェクトを立ち上げています。Eth2が素晴らしいものであることに間違いはありませんが、それが終点でもなければ、この分野の革新に終わりはありません。間も無くリリースされる今後の展開にご注目ください。

Pontem Networkについて

Pontem Networkは、Metaが立ち上げ、Silvergateに譲渡されたパーミッションブロックチェーンDiem/Moveに最適化されたプラットフォームです。Pontemが提供するインセンティブ・テストネットMove VMスマートコントラクトプラットフォーム、ローコード開発ツールPontem Blocksにより、Diemを利用したメタバース向けプロジェクトを設計しようとしている開発者、そして、Silvergate Exchange NetworkのDiem製品とMetaのメタバース向けのプロジェクトを設計しようとしている開発者に、先手を打つ機会を提供します。

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