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Ocean MarketでCompute-to-Dataが利用可能に


Ocean MarketでCompute-to-Dataが利用可能に

著:Ocean Protocol Team

Oceanは、Ocean MarketにCompute-to-Dataを統合したことを発表します。
これによりプライバシーを保持したままでのプライベートデータの売買が可能になります。

Compute-to-Dataは、個人データを利用することによるメリットと、それを公開することによるリスクの間のトレードオフを解決します。

これは、プライバシーを守りながらデータを交換する手段を提供することで実現しています。データはデータ提供者の手元に残りますが、データの消費者はOcean Marketのインターフェイスを通じて、データ上で計算ジョブを実行することができます:

  • データの所有者は、プライバシーとコントロールを維持しながらデータを収益化することができます
  • データの購入者は、アナリティクスジョブやAIモデリングなどでデータから価値を生み出すことができます

データ所有者が自分のデータ上で実行するアルゴリズムを承認すると、Compute-to-Data環境が、データのプライバシーを守りながら、データ上でのリモート計算と実行をオーケストレーションします。ブロックチェーンベースのスマートコントラクトにより、全てのデータパブリッシャー/AIプラクティショナーがアルゴリズムの適切な実行を確認できるようになります。

ユーザーは、この技術から下記の様な恩恵を受けることができます:

  • データ所有者は、プライバシーとコントロールを維持しながら、データを収益化することができます
  • データ消費者は、個人データの中身を直接見ることなくデータ自体にアクセスできます
  • AIの実務者やデータサイエンティストは、これまで入手できなかった貴重な非公開データにアクセスすることで、より正確なAIモデルを構築し、研究やビジネスの成果を向上させることができます
  • また、AIの実務者は、自分のアルゴリズムを公開することができ、自分のアルゴリズムがダウンロードされたり、コンピュートジョブの一部として実行されたりするたびに受動収入を得ることができます。また、アルゴリズム自体のプライバシーを保持することもできます
  • 企業や起業家は、それぞれの分野で独自のデータマーケットプレイスを迅速にローンチし、Compute-to-Dataを活用して販売者のプライバシーを保護し、より多くのコンピュートやAIのフローをサポートすることができます
今回のリリースではOcean Marketを通じてCompute-to-Dataをより広く利用できるようにしました。これは、約1年前からのバックエンドのサポートとフロントエンドの作業に基づいて達成されました。この初期導入から得られた知見は、全て今回のリリースに反映されています。データを新たな資産クラスにするというビジョンの実現に向けて、また大きな一歩を踏み出すことができ、大変うれしく思います。
– Ocean Protocol VP of Engineering Alex Coseru

今回のローンチは、Oceanの2021年の製品ロードマップにおける重要なマイルストーンとなります。これにより、Ocean Marketおよびその他のOceanを利用したマーケットプレイスにおけるプライバシー保護と適用範囲が大幅に強化されます。

私たちは、Ocean Marketにおける最初のCompute-to-Dataの実装を、コミュニティの手に委ねることに興奮しています。オープンソースの良さは、私たちのコードと作業プロセスが公開され、全ての人が見て利用できる事です。今後も、私たちにフィードバックを提供していただければ幸いです。また、Compute-to-Dataの主要なユーザーフローは、Ocean Marketに直接統合されているため、開発者はこのコードを独自のフローや統合のためのボイラープレートとして使用することができます。
– Ocean Market Designer & Developer Matthias Kretschmann

データセット& アルゴリズム

Compute-to-Dataでは、データセットはデータ保有者の管理内から出る事はなく、それに伴いアルゴリズムという新しい資産タイプが導入されます。

公開アルゴリズムと計算データセットを視覚的に区別する

アルゴリズムとは、隔離された安全な環境下で、一定の条件下でデータセット上での実行が許可されている小規模な(または複雑な)スクリプトです。アルゴリズムにはパブリックとプライベートの2種類があり、データセットと同様に、使用されるたびに価格を決定するプールまたは固定価格が設定されています。パブリック設定のアルゴリズムは、設定された価格でダウンロードできますが、プライベート設定のアルゴリズムは、コンピュートジョブの一部としてのみ利用できダウンロードはできません。

データセットごとに、パブリッシャーはそのデータセットで許可する特定のアルゴリズムを選択することができ、また単純に全ての公開アルゴリズムを許可する事も可能です。Ocean Marketの実装は、デフォルトではプライベートになっています。コンピュートデータセットの公開時には、その上でのアルゴリズムの実行は許可されません。これは、データセットから全てのデータを抽出するような方法で書かれた不正なアルゴリズムによるデータの逃亡を防ぐためです。この為、公開アルゴリズムを全て許可するという最もパブリックなオプションも慎重に扱う必要があります。

チェックアウト

Ocean Marketでは、サポートされている全てのネットワークで稼働しています:イーサリアムメインネット、Polygon/Matic、Rinkeby、Ropsten

Polygon/Maticで許可されたアルゴリズムを持つ計算データセットmarket.oceanprotocol.com/asset/id:op:76E031A63e4dAB370Ae25b1A93A997e79e084f6f

Polygon/Maticに接続されているOcean Marketでは、既にいくつかの計算データセットアルゴリズムを見つけることができ、高速で安価な取引を楽しむことができるので是非チェックしてください。お使いのウォレットをPolygon/Maticに切り替えるか、チェーンプリファレンスをご利用ください:

最初のテクニカルデモで収録したOcean Marketの主要なユーザーフローのウォークスルーをご用意しました:

 

コンピュートデータセットの公開

データセットを公開すると、[Access Type]に新しいオプションが表示されます。[Compute]を選択すると、データセットをCompute-to-Dataで利用できるようになります(ダウンロードはできません)

Data Publisher Flow: データセットAccess TypeをComputeまたはDownloadに設定します。

公開後にコンピュートデータセットを確認すると、新しい[Edit Compute Settings]ボタンが表示されます。

データパブリッシャーフロー:コンピュート設定用の新しいアセットアクション

ここをクリックすると、データセットに許可するアルゴリズムを選択する画面が表示されます。

データパブリッシャーフロー:データセット上での実行を許可するアルゴリズムを定義します

アルゴリズムの公開

アルゴリズムを公開するには、データセットの場合と同様に、スクリプトファイルをホストし、そのURLを指定するだけです。更に、スクリプトを実行するためのDocker環境を定義します。

アルゴリズムをどのように設定するかについてはチュートリアルを参照してください:

アルゴリズム公開の流れ

パブリッシュ後は、データセットと同様に固定価格または動的価格を設定できます。

コンピュートジョブの開始

解析したいデータセットにアクセスします。[Use]タブでは、アルゴリズムのドロップダウンリストから、そのデータセットで実行したいアルゴリズムを選択できます。アルゴリズムを選択して[Buy Compute Job]をクリックします。これにより、データセット(データパブリッシャーが設定した期間)とアルゴリズムの2つのアイテムへのアクセス権(コンピュート)が得られます。

コンピュートジョブの開始

コンピュートジョブの詳細と結果

Compute Jobを開始すると、実行中であることが履歴に表示されます。最終的な出力結果として詳細が表示されます。

コンピュートジョブの詳細は履歴に表示されます

その他のテクニカルリソース

Ocean Compute-to-Datamaのテクニカルガイドでは、このメカニズムの内部で何が行われているかについて詳しく説明しています。


Ocean Protocolについて

Ocean Protocolのミッションは、世界に広がるWeb3データエコノミーを始動させ、データの所有者にその所有権を取り戻し、人々がデータから本来得るべき価値を獲得してより良い世界を築き上げていく事です。

データは新たな資産クラスであり、Ocean Protocolはその価値を引き出します。データの所有者と消費者は、Ocean Marketアプリを使用して、安全でプライバシーが守られた方法でデータ資産を公開、発見、消費できるようになります。

Oceanのデータトークンは、データをデータ資産に変えます。これによりウォレットや取引所、その他のDeFiツールを活用して、データウォレット、データ交換、データ協同組合を実現します。プロジェクトは、OceanライブラリやOCEANを自分のアプリで使用し、Web3データエコノミーの推進に貢献していきます。

Oceanトークンは、データへのステーク、Ocean Protocolのコミュニティへのステーク、データの売買に使用されます。Oceanトークンの供給は、短期的な成長と長期的な持続性を促進するために時間をかけて分配され、利用量の増加に応じて増加するように設計されています。

詳しくはoceanprotocol.comをご覧ください。

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