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Human Protocol、Moonbeamに分散型マーケットプレイスを提供


Human Protocol、Moonbeamに分散型マーケットプレイスを提供

著:Lonnie Rae

Human Protocolは、ブロックチェーンベースの分散型マーケットプレイスであり、その名の通り人間がネットワークに貢献することで報酬を得られるようになっています。既に何億人もの人々がhCaptchaサービス(Webサイトの入り口で自転車や信号を選ばされるアレです)を介してHUMANプラットフォームを利用していますが、私たちはMoonbeamとPolkadotと連携する事によってより多くの人々にベースとなる技術を提供できることに興奮しています。

Polkadotの紹介

Polkadotは、ブロックチェーンネットワークによるシームレスな連携を可能にします。Polkadotソフトウェアのコアとなるのはリレーチェーンであり、主にパラチェーンのセキュリティと調整機能を担当しています。パラチェーンはインフラストラクチャやアプリケーションに特化したブロックチェーンであり、独自のロジックと機能性を有し、リレーチェーンに接続することで他のブロックチェーンと「並列」で情報共有することができ、Polkadotバリデーターネットワーク全体からセキュリティを得ることができるようになります。

多くのブロックチェーンテクノロジーで抱える問題の1つはスケーラビリティですが、Polkadotはこの問題に正面から取り組んでいます。

異種シャーディングはPolkadot独自のコンセプトです。パラチェーンはより大きなデータセットの「シャード(断片)」であり、「異種」は、互いの接続が目的の統一性に依存しない事を意味しています。いくつかのパラチェーンは、ネットワーク内の他のパラチェーンと効果的な取引情報を通信する能力を維持しながら、スマートコントラクト、プライバシー、スケーラビリティなどの特定の機能に焦点を当てた開発を進めています。

Moonbeamとは?

Moonbeamは、Polkadotネットワーク上のEthereum互換のスマートコントラクトプラットフォームであり、ネイティブに相互運用可能なアプリケーションを簡単に構築することができます。このEthereum互換性により、開発者は最小限の変更で既存のSolidityスマートコントラクトやDappフロントエンドをMoonbeamにデプロイすることができます。

Moonbeamは、ブロックチェーン構築フレームワークであるSubstribrate上に構築されており、これは開発者がPolkadot上で構築する際に主に使用するフレームワークとして知られています。Substrateは技術スタックの中において非常に強力なレイヤーを形成していますが、既存のDApp開発者にとっては、Substrate上で独自チェーンを構築するか、既存のスマートコントラクトを書き換えてWasmスマートコントラクトプラットフォームにデプロイする必要があり、どちらにしても複雑なプロセスが必要になります。開発者は、Polkadotへのデプロイの実行可能な手段としてMoonbeamを利用する事で、使い慣れたEthereumツールを使用した変更点のないスマートコントラクトをデプロイする事が可能になります。Moonbeamはまた、必要に応じてプロジェクトが独自のパラチェーンになるための長期的なパスを提供します。

Polkadotネットワーク上の全てのパラチェーンと同様に、Moonbeamのトランザクションは集約されてリレーチェーンに書き込まれ、セキュリティを共有する事ができます。この構成においては、全てのチェーンがPolkadotの相互運用性、スピード、コミュニティの恩恵を受けることが可能になるのです。

これをHUMANにどのように生かすのか

Human Protocol Foundationは、Moonbeamを使用してPolkadot上でローンチする予定であり、これによりネットワークへのダイナミックで潜在的にはより迅速な移行を探ることができ、コントラクトのローンチやEth/ERC-20対応のラベリングをオンチェーンで行うことが可能になります。私たちはこの作業をオープンソースで行い、コードをGitHubに追加し、コミュニティがテスト/実装/拡張できるようにしました。これまで紹介してきたように、実装への取り組みはとても簡単です。HMTエスクローのサポートを追加したオープンソースのMoonbeamパッチもGithubにあります。

MoonbeamとPolkadotが提供する高速なインフラストラクチャの可能性によって可能になった事の一つは、1つのジョブのタスク数を小さくして、より小さなジョブに分割する事です。

この最新のインターフェイスでHUMANネットワークを活用しながら、Moonbeanを使ってCVAT上で新しいジョブをローンチする方法をデモできることに興奮しています:

  • HUMANプロトコルは、ジョブのパラメータをファクトリーに渡し、ファクトリーはジョブを起動します
  • エスクローファクトリー – テンプレートの求人を開始
  • ファクトリー –コントラクトを指定するスマートコントラクト
  • もう一方では、CVATのインスタンスがファクトリーを監視して新たな仕事を探します

誰でもコードにアクセスすることができます。
https://github.com/hCaptcha/hmt-escrow/pull/250

なぜMoonbeamなのか?

ブロックチェーン技術を大規模展開する上での基本的な障害として、レガシーネットワークのスケーラビリティと相互運用性の限界が挙げられます。Ethereumは、HUMANプロトコルが創出する大量のトランザクションを効果的に処理することができませんでした。Ethereumのガスは法外に高価なだけでなく、大量のトランザクションを満たす事もできません。

他のプラットフォームへの移行は、その作業が困難となる場合が多いですが、Moonbeampパラチェーンで提供されるEthereumの互換性はこれを解決し、以下の利点をもたらします。

スケーラビリティ

トランザクション –HUMAN ProtocolはMoonbeam上で実行されますが、Polkadotは独自のパラチェーンを起動してスピードと大量のトランザクション処理能力を提供してくれます。従来の技術では避けられなかった大量トランザクションの「ボトルネック」によってネットワークが制限されることはもうありません。

経済性 –Polkadotでは、共通のバリデータセットを使用してリレーチェーンにトランザクションを処理させることができ、全てのパラチェーンに共通のセキュリティを提供することで、これまでにない経済的なスケーラビリティを実現します。

真の相互運用性

HUMANプロトコルはすでにEthereumテストネット上で稼働していますが、Ethereumのパフォーマンスと機能の制限(1.0と2.0の両方)は、他のオプションをサポートする事がプロトコルユーザーにとって必要である事を意味しています。Moonbeamは、トランザクション速度の向上を通じてプロトコルの真の可能性を実証するだけでなく、Polkadotネットワークへの扉を開くことで、現在進行中のロードマップとの互換性を維持しながら、オープンソースの構築を高速化し、プロトコルとその人間の労働力プールを通じて新しいタイプの仕事を検索、リストアップするためのジョブインターフェースを拡張することが可能になります。


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