仕事のライフサイクル（Part 1）
これは、HUMANプロトコルを横断するジョブに関するシリーズのパート1です。この章では、ジョブを完了させる為のプロトコルの最も基本的なアプリケーションの概要を説明します。ジョブの様々な可能性とバリエーションを示す記事を今後も公開していく予定で、例を再構築し、探求し、適用するべきかについての全体像を理解できる様になる事を願っています。
ステップ１— バリデーター
バリデーターは、ジョブを受け取り、ネットワーク内のすべてのエンティティのアクションを 安全に仲介する独立したエンティティです。HUMANプロトコルの中で最も重要なステーキングエンティティであるといえます。バリデーターの最初の任務は、ジョブマニフェストをダウンロードし、送信先のチェーンの要件に従ってジョブをパッケージ化することです。例えば、ジョブがキャプチャシステムを使用している場合、そのユースケースに合わせてパッケージ化しなければなりません。これは、画像にポルノが含まれていない事や画像が正しくフォーマットされている事、正しく機能している事、そして世界中のどこにいてもリンクがすぐにポップアップできるように超高速ストレージが必要である事を意味します。
仕事にサインオフするとバリデーターは、作業を行うためにオラクルを割り当て、ネットワークに参加する為にHMTによりステークをおこないます。バリデーターは、ネットワーク内のオラクル間で矛盾するコンセンサスがないことを保証します。分散システムでは、バリデーターは、ホワイトリスト・スマートコントラクトにHMTをステークすることで信頼を得ることができ、各オラクルは、最低ステーク額を要求することができます。
3つのオラクルは独立して運営されています。互いを信頼する必要はなく、単にジョブに関連するデータを翻訳、保存、転送するだけです。ネットワークのセキュリティは、検証するトランザクションのトークンの合計額を、オラクルを介して発生したものとしてステークしているバリデーターによって維持されています。レコーディングオラクルはあるサーバーに、レピュテーションオラクルはまた別のサーバーに配置されている可能性があり、異なる種類の分散型システムを作成していることになります。
ステップ２— Exchange
Exchangeシステムの特徴は、プロトコル全体で人間、機械、ブロックチェーンの相互作用が関与していることです。ジョブがExchangeに入力されると、Exchangeはそれをタスクに分解し、異なるチェーンの異なるExchangeに送信します。ExchangeシステムにはExchangeオラクルがあることに注意してください。Exchangeが人間と機械のインテリジェンスを交換している間、Exchangeオラクル（例えばCVATの個人ユーザー）はExchangeに結果を提出し、それによりオフチェーンの情報をオンチェーンのオーダーブックに処理するブロックチェーンアクションを実行します。Exchangeはこのジョブを様々なアプリケーションに渡し、Webサイトは結果をExchangeに送り返します。
ステップ3 — レコーディングオラクル
レコーディングオラクルは、そのジョブに関連する結果の品質を中間的に評価します。根拠となるものは、現在の結果を判断するために予備として保持している「正解の量」です。結果は継続して入力されます。レコーディングオラクルは、結果の品質に関連するライブフィードバックをExchangeに送信します。Exchangeが低品質な結果をフィードバックしている場合、レコーディングオラクルはバリデーターに通知し、Exchangeからの作業を保留することができます。
ステップ4 — レピュテーションオラクル
レピュテーションオラクルは、レコーディングオラクルからの結果を分析し、結果の品質の最終評価を行います。レピュテーションオラクルは、スマートコントラクトからのHMTのリリースをトリガーするために必要な情報を持っており、その後タスクを完了したワーカーに異なるチェーンを介して非同期的にそのHMTを配信することができます。
ステップ5 — 完了
ワーカーはお金を受け取ります。ユーザーは欲しい結果を入手する事ができます。バリデーターとオラクルは、ネットワークを確保する役割に対してHMTによる報酬を受け取ります。
次回は、ジョブをキャンセルする必要がある場合に何が起こるのかを見ていきます。
